ライター
新田 浩之 フリーライター

国鉄が民営化された1987年生まれ。神戸市出身です。高校の時に読んだある小説の影響で、中央ヨーロッパ、東ヨーロッパ、ロシアに強い関心を持つことに。大学、大学院ではユーゴスラビアのことを勉強していました。2016年3月からライターとして神戸で活動しています。 直近では2015年9月から3ヶ月間、友人を訪ねながら、ヨーロッパ14カ国をめぐる旅を決行。ただ、イギリス、フランス、イタリア、スペインなどの西欧諸国には行ったことがありません。

今回は中欧の国、スロバキアの魅力を紹介します。多くの旅人はスロバキアに行ったとしても、首都ブラチスラバしか立ち寄らないようです。

スロバキアはブラチスラバ以外にも素晴らしいスポットがたくさんあります。さっそく、見ていくことにしましょう。

首都ブラチスラバだけではない、スロバキアの魅力

Photo by Nitta Hiroshi

最初に、首都ブラチスラバの位置を確認しておきましょう。ブラチスラバはスロバキアの南端にあり、オーストリアの首都ウィーンからは列車でわずか1時間。そのせいか、ウィーンから日帰りでブラチスラバを訪れる旅人が多いようです。

ブラチスラバにはハプスブルク帝国の女王であるマリア・テレジアが戴冠式を行ったブラチスラバ城をはじめ、多くの観光スポットが存在します。また首都のため、スロバキアの政治・経済の中心であることは言うまでもありません。

 

ところが私の知る限り、スロバキア人にとってブラチスラバの印象は悪いようです。東スロバキアにある都市、コシツェの住民は「ブラチスラバはスロバキアじゃない」とか「ブラチスラバだけ見ても本当のスロバキアはわからない」と口々に言っていました。

ここまで辛辣ではありませんが、多くのスロバキア人はブラチスラバ観光だけではもったいない! と感じているようです。それではどこに行けば、本当のスロバキアを楽しめるのでしょうか。

 

マイクロワイナリーを訪れてみよう

Photo by Nitta Hiroshi

私がおすすめするスロバキアの楽しみ方、1つ目はマイクロワイナリーを訪れることです。日本では知られていませんが、スロバキアはワイン生産が盛んな国。特に白ワインはとてもおいしく、キリっとした味は風呂上がりにぴったりです。

スロバキアにおいてワイン生産が盛んな地域はブラチスラバ近郊からハンガリー国境にかけて。大規模なワイナリーもありますが、小さなワイン製造会社(マイクロワイナリー)が多いように感じます。

私はブラチスラバから列車で30分ほどにある小さな町、シェンクヴィツェ(Šenkvice)に友人がいます。シェンクヴィツェもワイン生産が盛んなところで、マイクロワイナリーが点在しています。

Photo by Nitta Hiroshi

そこで、友人と一緒に現地のマイクロワイナリーを訪れてみました。そこは工場というより、一般的な一軒家のような感じ。まさしく家族ぐるみでワインを製造しています。これはぶどうを絞る機械で、ワインの源液がバケツに入っていきました。

Photo by Nitta Hiroshi

機械の横にはたくさんのぶどうがあります。ぶどうは人力で収穫されたのでしょう。ワインづくりも基本的には人の手によるもの。ワインづくりにかける楽しさ、苦労を少しだけ感じられました。

Photo by Nitta Hiroshi

ワイン製造の見学はそこそこにして、さっそく試飲することに。マイクロワイナリーではありますが、きちんとした試飲室があります。試飲室ではプロモーションビデオが流れていました。

Photo by Nitta Hiroshi

どのワインも飲みやすかったですが、特においしかったのがロゼワイン「CABERNET」でした。なお、ワインボトルにはきちんと「Šenkvice(シェンクヴィツェ)」の文字が入っていました。

ここまで読むと「友人がいたからワイナリーを訪れることができたのでは……」と思うかもしれません。確かにそうですが、スロバキア人の性格を考えると、1人でふらりと立ち寄っても見せてくれると思います。

首都ブラチスラバ近郊でも、日本人観光客は珍しい存在。きちんと対応すれば、スロバキア人は優しく応対してくれると思います。また、ブラチスラバ発の近郊ワイナリーツアーも行っています。どうぞ、スロバキアでワインの魅力に触れてみましょう。

 

迫力満点のタトラ山脈を堪能

Photo by Nitta Hiroshi

25年前までスロバキアと連邦を組んでいたチェコの人々にスロバキアのことを聞くと「スロバキアの魅力は自然」と答えました。スロバキアは山がちな国で、山岳リゾートが多いことで知られています。

数ある山の中で最も有名なのがポーランド国境にそびえるタトラ山脈です。タトラ山脈はスロバキアの国旗にも描かれており、「スロバキアの富士山」といった感じ。スロバキアのシンボルと言っても過言ではありません。

Photo by Nitta Hiroshi

タトラ山脈の玄関口となるのが、スロバキア北部にあるポプラドです。ポプラドは鉄道の幹線にある町なので、ブラチスラバやチェコの首都、プラハからもダイレクトにアクセスできます。またポプラドには宿泊施設があり、スタッフもタトラ山脈についていろいろと教えてくれます。

Photo by Nitta Hiroshi

ポプラド駅からはタトラ電気鉄道に乗ります。電車はとても清潔で、時速50キロほどのスピードで山を登って行きます。まずは主要駅であるスタリースモコヴェッツ駅を目指します。

スタリースモコヴェッツ駅でタトランスカー・ロム二ツァ行きの電車に乗り換えます。なおタトラ電気鉄道の路線図はT字になっており、とてもわかりやすいです。

スタリースモコヴェッツ駅からロム二ツキー峰の山頂を目指します。時間に余裕があり、登山用の装備をされている旅人はスタリースモコヴェッツ駅からトレッキングにチャレンジするのもいいでしょう。

Photo by Nitta Hiroshi

私は時間がなかったので、ロム二ツキー峰行きのロープウェーに乗りました。なおスタリースモコヴェッツ駅からロープウェー乗り場までは徒歩15分ほどの距離です。

Photo by Nitta Hiroshi

本来ならばここから山頂行きのロープウェーに乗り換えです。ところが私が訪れた日は天候が悪く、山頂行きのロープウェーは運休していました。

Photo by Nitta Hiroshi

最初はスッキリしない天気でしたが、天候が回復し美しいパノラマが目の前に。天候の変化が見られて、とても興味深かったです。山頂行きロープウェー乗り場の近くには美しい池もありました。次に訪れるときは山頂に行きたいものです。

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新田 浩之 フリーライター

国鉄が民営化された1987年生まれ。神戸市出身です。高校の時に読んだある小説の影響で、中央ヨーロッパ、東ヨーロッパ、ロシアに強い関心を持つことに。大学、大学院ではユーゴスラビアのことを勉強していました。2016年3月からライターとして神戸で活動しています。 直近では2015年9月から3ヶ月間、友人を訪ねながら、ヨーロッパ14カ国をめぐる旅を決行。ただ、イギリス、フランス、イタリア、スペインなどの西欧諸国には行ったことがありません。

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