そこで意気投合し、2人で日本に向けたメッセージを集めようということになりました。最初は募金活動をしようと考えていたけれど、それはすでに多くの留学生がやっていたので、僕らは世界を旅をしてきているからこそできることをやろうということでこの活動を始めました。
詳しくはこちらをご覧ください。
http://ameblo.jp/prayforjapan
その後、ドイツに渡ってから盲腸になって入院してしまい、ドイツにも1ヶ月くらいいましたね。
そのときの心境は?
震災直後だったので精神的に落ち込んでいたのかもしれないです。世界一周を成し遂げたいけれども日本に帰らなければいけないのかと思ってしまったり。
また、イギリスに滞在していてしばらく旅をしていなかったので、これから旅を再開する気になれなくて、それがストレスになったのかもしれないです。
盲腸で入院してしまっても旅は断念しなかったのですか?
費用は保険で下りたので大丈夫だったのですが、医者や日本にいる人たちには旅するのはやめろと言われました。帰りたくないけど帰るしかないのか、という時に奇跡的なことが起こったんです。
入院中にたまたまインターネットをしていたらたまたま入院した街に住んでいてその地のブログを書いている人と出会ったのです。
そこで、連絡を取り合って退院したらとりあえず会おうということになり、そのまま旅が出来るようになるまでの間その方の家に居候させてもらうことになったんです。
手術をしたので退院後にすぐ動ける訳ではないし、とても有り難い出会いだったので、しばらく休ませてもらいました。その方たちのおかげで、旅を続けられるくらい体調も回復しました。
また、その街から電車ですぐのところにサッカー日本代表 内田篤人が所属する シャルケ のホームスタジアムがあるということで練習を見に行ったりすることも出来ました。
出発前に思い描いていたやりたいことも経験できて良かったですね。
他にもやりたかったことが一杯ありましたが、前向きに捉えると、あえてあまりたくさん達成しなかったことがまた行くきっかけになると思うから、やり残しておいて良いのだと思います。
他に節約するノウハウは?
やはり現地の人の家に泊まることですかね。現地に着いたらまず荷物を置きたいから宿を探しまわると人が寄ってきて、「うちに来なよ」って言ってくれたり宿を紹介してくれるんです。
ただ日本人相手だと3~4倍くらい宿泊代が盛られるのは当たり前なので交渉は必須ですよ。あとは旅人をつかまえて複数で宿に入ることで宿泊代を節約しましたね。
出来ない理由を挙げるのではなくて、出来る理由を探す
あなたにとって旅とは?
カッコつけてる訳ではなくて、「人生の縮図」だなって思います。世界一周を人生と例えると、良いこともあれば悪いこともある。人生の一生分を体験できたなと帰国してから思いました。
最後に、旅に行きたい人へ一言。
ヨーロッパへサッカーを観に行きたかったけど、出来ていない自分が情けないと思って後悔していて、でも後悔できたからこそ一歩踏み出そうと思ったんです。10年後、20年後に後悔してもそれは遅いと思います。
だから、今やりたいと思うことがあって、しかし行けない理由があったとしても、一旦それを忘れて、行ける理由を探してほしいと思います。行けない理由なんて言い訳にしかならないと思うんです。
▼篠原輝一(しのはら・けんいち)
学生時代に210日間の世界一周後、TABIPPO2013ガイドブックの向こう側で代表を務める。その後、ITベンチャーのリッチメディアで約1年間勤務。2015年1月からTABIPPOのメンバーとして従事。