「旅するジーンズと16歳の夏」という映画をご存知ですか?
主演に「ゴシップ・ガール」でおなじみのブレイク・ライブリーを起用し、舞台はアメリカ・メリーランド州。お母さんのお腹の中にいた時から生活を共にしている4人の女の子が夏休みを初めて離れ離れで過ごすことになります。
その別れの前日、たまたま入った古着屋さんでそれぞれ体型も違う4人にぴったりフィットする不思議な1本のジーンズに出会います。
4人はそのジーンズを友情の証として、みんなで順番にそれぞれの土地で着回す約束をしました。
そして4人の夏が1本の不思議なジーンズと共に始まり、個々でさまざまな経験をしかけがえのない何かを見つける、というストーリーです。
なんでこんな話をしたかと言うと、今日は洋服と旅の話。
私は以前スタイリストのアシスタントをしていました。その中でも古着が大好き!きっかけはお母さんのクローゼットでした。30年以上経っても今もなおスタイリッシュで私の洋服と合わせても可愛い。質も状態も変わらず、そのままです。
私も将来、そんな品物に囲まれて生活したい、かねてからずっと思っていることです。どこにいても、なにをしてても、どんなスタイルにも合う、そんな洋服を持っていたい。
そしてジーンズソムリエもおすすめをする「デニムブランド」の特集をすることに決めました。
穴や汚れも「自分の味」になる
今でこそ色々な場所で価格帯もさまざまなデニムが販売されています。でもデニムの歴史って聞いたことありますか?
その歴史は今から約140年ほど前にさかのぼります。1870年代のアメリカで労働者のために耐久性があるズボンが必要になり、仕立屋のジェイコブ・デイビスと織物商人のリーバイ・ストラウスによって作られた物でした。
そう、それが今の「リーバイス」の原型です。
労働者の為のものだったと聞いて、どれだけ物がしっかりしてるか想像がつきますよね?旅のお供に持ってこいなんです!穴や汚れ、擦れはやがて「自分だけの味」になります。
自分だけのパートナーを見つけませんか?
すべてのデニムの原点 Levi’s(リーバイス)
みなさまご存知、すべてのデニムの原点「Levi’s」。アメリカ、サンフランシスコ発祥のデニムブランド。
中でもブランドの代名詞、「501」は全世界で一番履かれているデニムと言われています。その他にもさまざまなシルエットやテーマを持ったシリーズがあり、試着をして自分のラインに合った1本を探すのもいいかも。
また、「コミューターシリーズ」は強力なストレッチ素材に撥水加工やリフレクターなど、デザインも機能も履き心地も耐久性も優れてるという4拍子!さらにGoogleと共同開発で次世代ジーンズを来年発表予定です。
その技術に太鼓判 G-STAR RAW(ジースターロゥ)
1989年、オランダ・アムステルダム発祥のデニムブランド。G-STAR RAWの代名詞である「ELWOOD(エルウッド)」は誕生から20周年を迎えました。
このブランドの特徴はなんといってもその作り方と加工技術!通常ジーンズは生地を型紙に当てて裁断を行うのですが、G-STAR RAWは世界で初めてジーンズに「立体裁断」を起用。実際に人の足に当てて無理なく立体的な動きがしやすい形にして裁断を行う技法です。
また、加工技術もレキシコンというデニムに光沢を出すために特殊なインディゴ染め、樹脂でコーティングしてデニムを高温で焼くというものもあります。
立体感、動きやすさ重視の方にはこちらがおすすめ!
デニムは第二の素肌 Nudie Jeans(ヌ―ディージーンズ)
Nudie Jeansは2001年、スウェーデンにて立ちあげられた新進気鋭のデニムブランド。このブランドは「Lee(リー)」で働いていた3人によって作られたブランドで、なんと言っても履き心地の良さがこのブランドの魅力。
それはこのブランドの「デニムは第2の素肌」という考えに基づいており、素材もイタリアか日本国内で作られた素材のみを使用するという徹底っぷり。
その履き心地の良さから登場してから5年足らずの間に全世界で100万本ものジーパンを販売したという伝説も持っています。
このブランドのおすすめは「Thin Finn(シンフィン)」というモデルは、Nudie Jeansの中で最も人気があるスキニーシルエットのモデルです。
常に勇敢に、挑戦し続ける DIESEL(ディーゼル)
DIESELは1978年に設立したイタリアのデニムブランドです。デニムの他にもウェアやファッション小物、アクセサリーも販売しているので知ってる人も多いのでは?
日本でも熱狂的なファンの多いブランドで、このブランドのコンセプトはずばり「勇敢であること。ディーゼル燃料のように世の中を活気づけたい。」不可能に見えることにも常に挑戦し続け、人をあっといわせるようなものを創り出すこと。そのワイルドさが人を惹きつけてやまない理由じゃないでしょうか。
また、従来のデニムにない伸縮性とはき心地にこだわった「JOG」というモデルを発信、3月16日(水)には「DIESEL 青山」として日本初となる最新の内装コンセプトをもとにデザインされたストアが誕生します。
世界最高峰の日本技術 KURO(クロ)
KUROは2010年に立ち上げられた日本のデニムブランド。
「KURO」とは日本語の「黒」を意味し、縫製や染色、加工などデニム作りにおいて最高峰と謳われる日本のクラフトマンシップにおいて、スタイリッシュで品質にも徹底的にこだわった商品を展開しています。
独創的なデザインと比較的手頃な値段で初年度から世界各国のショールームや世界中のバイヤーから高評価を受けている、今注目されているブランドなんです!
シルエットももちろん素晴らしいですが、やはり日本技術、注目すべきは縫製。糸の太さを随所で変え、ステッチが立体的に見える技術や、加工映えする打ち込みの多い生地が魅力です。
どんな傷も安心の10年保証 桃太郎JEANS
桃太郎JEANSは岡山県倉敷市で展開されている純国産ジーンズメーカーです。
なんとオーダージーンズは手織り機で作っています。定番ジーンズも昔ながらの旧式力織機で作られており、「今では誰もやらない超ローテク作業であっても手間暇を惜しまず、世界に誇れる最高のジーンズ、流行りすたりではない、本物のジーンズを作る」という信念の元、製品づくりにこだわり続けています。
その魅力は生地の丁寧さはもちろん、世界でも認められている色落ち感、履き心地、そして嬉しい10年保証です!これで例え旅中に履けないほどの傷がついたとしても安心ですね。
また、海外で売上が倍増した企業として、安倍総理が経済成長戦略のスピーチの中で紹介したブランドとして話題にもなりました。
女性の為のジーンズを Denim Closet from KURASHIKI
国産ジーンズの発祥の地、岡山県・倉敷にレディースジーンズブランド「Denim Closet」があります。
ブランドコンセプトは「仕事、家庭、趣味と忙しくも充実した日々を送る女性のためのパートナージーンズ」女性の体型に合わせた立体的な裁断で着用時のストレスを解消、はき心地の良さを徹底的に追求しました。
例えば腰の右後ろの部分についている皮のラベルが付いていないこと。これも履きやすさ、動きやすさを優先してブランドラベルなどはつけてないそう。その代わりに、ポケットの裏地やボタンでさりげなくブランドらしさを出すというなんとも女性好みのアピールの仕方。
各地の百貨店での短期出店も度々行っており、オンラインショップもあります。とても丁寧にコーディネートやサイズ表、商品のディティールなどが載っているのでよかったら見てみてください!
<DenimCloset from KURASHIKI 公式サイト>
シルエットと履き心地を追求したレディースライン SOMETHING
有名デニムブランド「EDWIN」のレディースラインとして誕生したのが「SOMETHING(サムシング)」
意外と知らない人も多いのですが、EDWIN(エドウィン)は日本製ジーンズブランドでその中でもSOMETHINGは履き心地抜群で股下の深さ、ヒップ周り、ウエストなど日本人女性の脚のラインにフィットするジーンズを作っているブランドなんです。
スーパーストレッチ・デニムパンツは、太もも部分が細くなっているので脚をスッキリと長く見せてくれます。その他、ボーイフレンドジーンズやテーパードパンツ、白パンツなどの展開も多いので、ぜひ一度見てみる価値ありです!
まとめ
きっと旅中って平坦な道ばかりじゃないと思います。岩がゴツゴツある場所だったり、川だったり雨だったり。もちろん汗もたくさんかきますよね。でもその色褪せ具合、汚れ、穴などは自分にしか作れなかった自分の「カラー」でもあります。
自分だけのヴィンテージですね。そう思うときっと愛おしく見えてくるはず。大量生産の時代だからこそ、ひとつの物と長い時間を共にする、そんな考えも忘れたくないものです。