「死刑 はあるべきか」。
ディスカッションの議題です。そんなこと、日本語でも話したことはないし、考えたことすらないのに、ノンネイティブの私には、毎回の授業がとても ハードでした。
授業に参加したら、留学生なんてことはまったく考慮されません。スピードもはやいし、スラングや慣用表現もどんどん出てくる。一人の話が分からなくなってしまうと、その後のすべての話にまったくついていけない。
でも、それは自分の問題で、他の学生に迷惑をかけてしまうことが本当に申し訳ありませんでした。授業が終わった後、落ち込んでいない日なんて、ほとんどありませんでした。
「来ていること」には意味がない
授業中ふと思ったのは、(あれ、寝ている人がほとんどいない…)ということでした。日本の大学で見る光景なんてどこにもありません。
何より驚いたことは、出席をまったくとらないこと。それは、授業に「来ている」ことには意味がなく、「参加している」ことに意味があるという考えからなのでしょう。
日本のように、ただ携帯を触っていれば単位がもらえるわけではありませんでした。
フランス人とカナダ人と私
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カナダに来た最初の頃は、「英語ができるフリ」をしていました。今思えば、それは留学生同士だったからできたこと。
でも、ここはカナダ。ネイティブに混ざって授業を受ければ、「英語ができない」という現実を嫌というほど突きつけられました。
(自分を飾っている余裕なんてない)。
ただただ必死に英語に向き合いました。集中して勉強できる環境をつくるために、ボロボロの寮から引っ越して、大きな広い家でフランス人、カナダ人とシェアハウスを始めました。
自分に向き合う時間も増え、自分の弱い面や汚い面も知りました。自分が頑張れたと思う日は一日が早く過ぎ、怠けた時はとてつもなく長く感じました。
怠けたくなること。逃げたくなること。
挑戦しなくちゃいけないこと。やり通さなくてはいけないこと。
日本にいたらどうにかしてやり過ごせたであろうことも、7ヵ月間という限られた時間、カナダという特別な場所、留学にかけたお金を考えれば、向き合わないわけにはいきませんでした。
「I know you’ve worked hard. Thank you for joining my class」。
最後の授業で大好きな教授にそう言っていただけた時は、本当に嬉しかったです。初めて、自分を認めてあげられた気がしました。
辛さ7割、楽しさ3割だった留学。でもそれは、ただ遊びにいったわけではなく、自分が選んだ留学という時間を自分なりに一生懸命過ごした結果だったから。
不自由のない街で生きるだけなら、本当に人生は終わってしまう
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留学に行ったからって、別に自分の生活がガラっと変わるわけではありませんでしたが、見える景色はやっぱり違います。
日本の授業がとても楽に思えたし、就活も大変だったけれど乗り切れました。
今まで何気なく見過ごしていたものにも興味を持つようになったし、いろんなことに挑戦したいと思うようになりました。それはきっと異国での毎日の苦労と日本での何不自由ない生活にギャップを感じたから。
(これだけ不自由がない街にいるからこそ、何もしなければ、本当に何もしないまま人生は終わってしまう)。
だって、何もしなくても、別に困ることはないのだから。
私は、新しい人生を生きたい
やってみればなんとかなる、というなんともあっけない事実。
でも、それを知らないと知っているのとでは、これからの人生の選び方は全然違う。
モントリオールでパスポートをなくした時も、2ヵ月かけて自力で取り戻した。絶対に終わらないと思っていた課題も98点をもらえた。やったことのない日本語の授業をやった時も「楽しかった」と言ってもらえた。
日本にいたら、誰かに泣きついて頼って一緒に解決してもらっていたことを、全部自分で解決するようになった。
なんだか、子どもみたいですけどね。
(これから先も、楽しいことは盛りだくさん。でもきっと、辛いことも盛りだくさん。それでも私は、新しい人生を生きたい)。
一回しかない人生を、妥協ばかりの毎日にしないように生きていきたいと思います。
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