日本には、「英語は読めるけれど、聞き取れない!」という人が沢山います。文法や単語の暗記・読解を主軸とした日本の英語教育を受けてきているので、いざコミュニケーションとなると、尻込みしてしまうのです。
英語を話せるようになるためにも、まずは、その前段階のリスニング力を伸ばして行くことは不可欠です。ごく一般的な日本の教育を受けてきた日本人は、今後どう学んで行けばいいのか。それは、シンプルに、日常の中に英語のリスニングを取り込んで、”慣れ”た状態を作ること。
そこで今回は「聞くこと」に特化して、筆者も実際に効果を感じた上達方法を、いくつかご紹介します!
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リスニングを勉強する際のアドバイス
リスニング勉強法のコツはザックリ書くと2つあります。1つ目は英語の音を正しく発音できるようになること。正しく発音できない音を聞くことはできません。特に「R」「V」など英語特有の音に注意しましょう。
2つ目は音読です。音読は毎日、まとまった文章を最低10回は読むこと。最初は辛く思うかもしれませんが、数ヶ月経つと、勉強の効果が実感できます。私はこのやり方で、ある程度、英語を聞き分けることができるようになりました。
おすすめのリスニング勉強法
リスニングの勉強法で特におすすめしたいのがディクテーション。ディクテーションをすると、英語の音はもちろん、英語のリズムを実感できます。
ディクテーションのコツは「少し簡単かな」と思う文章を選ぶこと。最初から難しい文章にすると、心が折れます。そして、ある程度時間を区切って勉強するのも大切ですね。
1. 好きなDVDを、英語字幕付きで見る
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私が一番楽しく続けられる方法として、大学の教授に紹介されたのが、この「DVDを英語字幕つきで見る」ということでした。
自分のレベルに合わせて、自分が楽しいと思える、知っている話を英語字幕付きで見てみましょう。聞き取る情報だけでなく、視覚からはいる映像が、理解を補ってくれますので、字幕を追いつつ、英語を英語字幕付きで聞くようにします。
最初は言っていることと読んでいることが一致しないことがあるかもしれませんが、とりあえずなんども行なっていると、急に聞き取れる単語が出てきたり、理解出来る時があるので、ぜひ諦めないで行なってみてください。
2. CD付きの洋書を買って、CDに読み聞かせをしてもらう
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飽きるまで同じ一冊でも良いので、ひたすら目と耳と両方同時に使って、読書します。リスニングのみならず、速読にも効果があり、ある程度リーディングが得意な日本人には、一番適した訓練の一つだと思います。
「読めば分かる文章が、聞き取りだと分からない」という現象は、ほとんど英語の音と単語が一致していないだけなので、ぜひ「スクリプトを見ながら」どんどん聞いてください。
普段の慣れるための学習は、試験ではありません。ニュースを聞けるようになることが目標でも、ストレスなく日常に取り入れるためには、最初はネイティブスピードで読まれた、子ども向けの短いものを沢山聞くことから始める方がいいかもしれません。
また、他にも、好きな英語の歌を、歌詞を見ながら聞いたり、一緒に歌ったりするのもいい方法です。
一緒に発音の練習ができるのも非常に大きいメリット。発音ができると会話がスムーズになったり、発音がききっかけで友達ができたりといいことづくしです。ぜひトライしてみてくださいね。
3. ディクテーションをする
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頭の中の単語を、実際の音として聞くことに少し慣れたら、ディクテーション(=書き取り練習)を加えていきます。上記と違うのは、聞こえてくる音だけを頼りに、自分でスクリプトを書き起こす点です。
「目から入る情報で補完できない」分、自分が聞き取れない文中での音のつながり方・消失の仕方をはっきりと意識することができます。
聞き取りに慣れてくると、文章の中では、単語は一つずつ発音されているいるわけではなく、単語と単語がつながったように聞こえたり、発音されていない音があることに気づいてきますが、自分でスクリプトを書き起こすことで、その特徴を体感することができます。
最初は、6語以上からなるセンテンスを完全に聞き取れるか/意味が分かって、おうむ返しができるか、を目安にすると良いでしょう。
4. フォニックスを学ぶ
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よく、英語は読みと綴りが一致しない言語と言われますが、ある程度の規則はあります。フォニックスとは、もともとネイティブの子ども達が英語の読み書きを習う際に、この文字と音の一致を認識させるために使われる、音素に注目した方法です。
ニュースなどを聞き取る英語を外国語として学ぶ成人は、音にさえ慣れてしまえばいいわけですから、そこだけ集中的に効率良く学ぶ良い方法の一つだと言えるでしょう。
聞き取りだけでなく、発音の上達にも絶大な効果があります。自分の発音できない音は聞き取れない、と言います。日本人の苦手な二重母音などを意識的に聞くようにし、単語の中ではどう聞こえるのかを一つ一つ、ていねいに学びます。
5. オーバーラッピング&シャドウイング
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こちらも、スピーキング上達とリンクした方法ですが、オーバーラッピング・シャドウイングの手法をつかって、リスニング力を伸ばすことができます。
フォニックスが音そのものや単語一つ一つにフォーカスしたものなのに対し、こちらでは、文章の中での音のつながり方を体現して行きます。実際に自分の口の筋肉を動かして、スクリプトや台詞を感情を入れて、真似してよみます。
オーバーラッピング:スクリプトを見ながら、ネイティブ音声に合わせて同時に読む
シャドウイング:ネイティブの音声をshadow(影)のように追い、聞こえてきた音声のみを頼りに、少し遅れて真似しながら読む。