世界で二番目に小さい地中海沿岸の国、モナコ。自動車の世界3大レースの1つとして知られるフォーミュラ1(通称F1)のモナコグランプリの開催地というと、多くの方にイメージがわくのではないでしょうか。
ヘアピンカーブを歩くと、「こんな狭い場所を車が高速で通るのか」と驚くこと間違いなし。カジノやヨットクルーザーといったセレブな国というイメージも強いと思いますが、モナコの魅力はどんなところにあるのか、ご紹介したいと思います。
モナコで訪れた都市とルート、移動方法
南仏の都市カンヌより、日帰りのモナコ&ニースのバスツアーに参加しました。モナコには空港がないため、ニース空港から電車や車といった交通手段が一般的です。もしくはミラノからもアクセスできます。
世界で二番目に小さいモナコ、そのサイズは皇居の2倍程度しかありません。とはいえ山の斜面に建てられている街なので、すべて徒歩移動は難しく、主要な観光地は車や公共のバスで移動することになります。
私は大公宮殿のあるモナコヴィルと呼ばれるエリアと、カジノやF1のヘアピンカーブの名所で有名なモンテカルロを中心に見学しました。
モナコでのエピソード(人とのエピソード)
フランス人ツアーガイドに、モナコ人について詳しく教えてもらいました。純粋なモナコ生まれのモナコ人は国民のわずか2割。残る8割は海外からやってくる富裕層ばかりなのだとか。
モナコでは所得税がかからず、なおかつ銀行口座に何千万円という単位でお金を預けられることが住む条件のようなので、世界中からセレブが集まってくるのだと納得しました。街の不動産屋を見かけたのでちらっと覗いてみましたが、高い物件は約15億円というとてつもなくセレブなお値段…。
その一方で、家賃も物価も高いセレブ感の強いモナコですが、純モナコ人の暮らしぶりは意外にもとても質素なのだそうです。
モナコでのエピソード(場所のエピソード)
モナコを訪れて驚いたのが、本格的な日本庭園があることです。
モナコと言えば、1982年に悲劇の自動車事故で急死された故グレース王妃(元アメリカ人女優グレース・ケリー)が有名です。王妃は日本愛好家であり、かねてから「モナコに日本庭園が欲しい」と言う希望を持っていました。そこで亡きグレース王妃を偲び、レーニエ三世公は日本庭園を造ることを計画したのです。
異国の地で日本庭園を見るのはなんだか不思議な気分ですが、きれいな街中と同様、よく手入れされていて本当に日本にいるような錯覚を覚えるほど美しい庭園です。
知っておくべきキーワードは「グレース・ケリー」
モナコ国民だけでなく、世界中の人に愛された故グレース・ケリー王妃。街中のいたる所にモナコの歴史を記したものがあるのですが、それを見ると彼女の存在がいかに大きなものであったかを知ることができます。
ハリウッドの人気女優であったグレースが、モナコ公妃となったのは1956年のこと。エルメスを代表する「ケリーバッグ」というバッグは、元々は別の名前がついていました。グレース妃が妊娠中にパパラッチを避けてとっさにお腹をこのバッグで隠したことからこの名前が付いたというところからも、彼女の人気ぶりが伺えます。
グレース妃の住んでいた大公宮殿では毎日昼に衛兵の交代式が公開されており、夏期には宮殿内を見学することもできます。また宮殿前の広場は高台の上にあり、モナコ湾の素晴らしい景色を一望できるのでオススメの観光スポットです。
モナコ旅行を楽しむためのアドバイス
モナコに来たらカジノ見学をぜひお勧めします。モンテカルロにあるグランカジノは、パリのオペラ座の設計者シャルル・ガルニエによって創られたもの。カジノとしてのオープンは午後からですが、午前中は内部の見学ができます。
タンクトップ、ショートパンツ、サンダルなどは入口でNGとなる可能性があるので、見学をしたい場合はドレスコードを意識しましょう。
1年を通して温暖な気候で、晴れの日は年間で300日ほどとも言われます。夏場は日差しも強く、暑くなりますが、おしゃれをして歩きたくなる街です。
モナコの治安
世界中これ以上いいところはないと言えるほど、治安は良いです。
街中には多くの警官、警備員が立っており、その数は国民2人に対して警察官1人と言われるほど。逆に、暑いからといって上半身裸で歩いたりすると警官に止められますので、マナーにはご注意を。