うっさん 世界を旅するノマド農民研修生

みなさんこんにちは!2014年1月から旅を始め、世界各国に住んだり旅をしたりと海外放浪中の旅人5年目です。学生時代に行ったタイでの孤児院でのボランティア活動がきっかけで、旅好きになり現在に至ります。学生時代には東南アジアを中心にインド、ネパール、トルコなどを個人旅行。大学卒業後は貿易商社に3年間勤務。良い経験でしたが、自分のしたい事と仕事内容やリズムが合わずに退社し、これからは自分の心からやりたい事を楽しみながら生きることを決意。「人生は実験だ」との覚悟のもと、現在は夢の一つであった世界旅行を楽しんでいます。現在はヒッチハイクで移動し、民家にタダで泊めてもらい、主には世界各国のオーガニックファームやホテルで住み込みで働きながら世界を旅してまわっています。将来的にはその経験をベースに、母の育った日本の里山での自給自足生活とゲストハウス経営を目指しています。これまでの旅の経験をもとに面白く役に立つ情報を発信していきます。

大草原が広がるモンゴル。この国には今でもゲル(モンゴル式テント)に居住し、遊牧民生活を営んでいる人々が多く暮らしています。

モンゴルを旅する人ならば、誰でも憧れること。それは現地の方と一緒に暮らしてみるホームステイ体験をすることではないでしょうか。

私も、彼らと生活をともにすることに憧れていた旅人の一人。絶景の自然の中でモンゴル一家と2週間ほど一緒に過ごしてきました。

 

ふとした質問がきっかけで、思いがけなくホームステイ先を発見

photo by Tomoya Yamauchi

一番簡単にホームステイを体験できる方法は、旅行会社にツアーをアレンジしてもらうことかもしれません。しかしその方法だと、「飾られていないリアルな普段の暮らしを体験できるのか?」という疑問がどうしても頭を離れませんでした。

私が探し求めていたのは、ただ普段の彼らの暮らしにそっと混ぜてもらうこと。そこで旅行会社にアレンジしてもらうのでなく、自力でホームステイ先を探していました。

どこでそんな体験ができるかわからなかったけれど、とりあえず都会よりは田舎の方が見つけやすいだろうと考え、ウランバートルを早々に離れフブスブルク県のモロンに足を伸ばしました。

 

結果的にモロンに来たのは大正解でした。ゲストハウスのオーナーに「どこかホームステイさせてもらえる家族を知りませんか?」と聞いてみると、何とオーナーが知り合いに電話して滞在先を探してくれることに。

モロンから北東に位置するツァガヌール(Tsagaannuur)に住んでいる家族が数週間ホームステイさせてくれるそう。さっそく承諾し、ツァガヌールに向かって出発。

この時ツァガヌールに行くためには乗車率120%の車にぎゅうぎゅうで、夜中の間12時間以上かけて、日本では考えられないような悪路(もちろん舗装されていない)を走らなければ辿り着けないとは……知る由もありませんでしたが。

道路はなく、あるのは草原上にある車が通った跡だけ。それが丘を越え、川を越え、谷を越えずーっと続いている。時に車が泥沼にはまり抜け出せなくなったり、道がデコボコすぎて体が跳ねて車の天井や窓で頭をガンガンに打ったりしながら進んでいきます。

photo by Tomoya Yamauchi

睡眠不足でボロボロの状態でツァガヌールに着くと、ホスト家族がHondaのバイクで迎えに来てくれました。

「サインバイヌー?(元気ですか?)」

「サイン(元気です)サマノー(あなたは?)」

彼らは疲れているだろうということで、バイクで早速家に案内してくれました。英語は全くしゃべれないみたいだけど大丈夫。この時のために中国昆明の古本屋で偶然発見した、モンゴル語と英語の翻訳付き会話帳がかなり活躍しました。

 

大自然の中でモンゴルホームステイ生活

photo by Tomoya Yamauchi

ツァガヌール近くの地域ではモンゴルでは珍しく、木材が豊富にあるので木造建築の家に住んでいる家族もたくさんいます。私が二週間ほどホームステイさせてもらったのも木造建築のお宅でした。

家族構成はエカ(長男)、ティナ(長女)、エルカ(次男)、ミシェル(ティナの赤ちゃん)でした。牛と山羊ともちろん馬も家族の一員です。周囲にも二軒の家と、一軒のゲルがあってご近所さんで仲良く暮らしている様子。

部屋の中の作りはとてもシンプルでした。簡易なベッドが3つ、居住スペースは一部屋のみ。同じ部屋で寝食を共にします。自分たちで家を建てたというから、すごい!

photo by Tomoya Yamauchi

中央にある薪ストーブで部屋を暖め、調理もこのストーブの上で行います。大自然の中なので電線は通っておらず、小さなソーラパネルを蓄電器につなぎ、夜の明かりや携帯電話の充電などに使用しています。

両親はすでに亡くなっていて、ティナの夫はウランバートルに出稼ぎ、エカはツァガヌールの町で働いていてめったに帰ってきません。だからほぼ、エルカとティナとミシェルと一緒に過ごしていました。

シャワーはありませんが、近くの川で水浴びできます。私はせっかくだからと、絶景の中ですっぽんぽんになって叫びながら水浴びしていました。でもホスト家族は普通にお湯を沸かして、体を拭くように洗っていました。

photo by Tomoya Yamauchi

トイレは屋外に穴が掘られていて、その穴に橋のように二枚の木の板が通してあるのみ。周りには木の板で簡単に壁が作ってあります。ただ小便の方はそのトイレを使用せずに、みんな大自然の中でしていました。

女性であるティナも、家からほんの少し離れた場所で用を足していました。ロングコートのようなものを羽織って体を隠し、しゃがみこんで用を足します。かなりワイルドです。

 

ここの一日は朝早く始まります。まずティナが朝一番に杓子のようなもので、ミルクを空に向かってまくことから始まる。これは安全を祈願したりする意味があるらしい。

そして牛の乳しぼり。ニュージーランドで牧場で働いていた経験のある私は手伝おうとしましたが、彼女のスピードとのあまりもの違いに手伝うことはあきらめ、大人しく赤ちゃんの世話をしていました。

赤ちゃんが泣いていても、ここではしばらくの間はほったらかしです。床を転がりまわったり、自然の中を歩いたり自由放任主義。というか、まだ一歳にもならないのに肉をむさぼってます。モンゴルの赤ちゃんおそるべし。

photo by Tomoya Yamauchi

photo by Tomoya Yamauchi

乳しぼりが終わると、次はそのミルクでスーテー茶(モンゴル式ミルクティー)を作ります。まずカッチカチに固まった茶葉を砕く。そして茶を煮出し、そこにミルクと塩を入れてつくります。

とにかくた~っぷりとスーテー茶を作って、大きな魔法瓶に溜めておきます。そして朝も昼も夜もいつでもスーテー茶を飲みまくる。お客さんが来た時にも、おもてなしとして必ず振る舞います。

だからこのスーテー茶を切らすことは許されない。なくなったらまた作り、いつでもあるように準備されています。

ちなみにモンゴルでは、乳製品が豊富にあります。例えばウルムという食べ物。これはコクのあるこてっとしたクリームのようなものです。牛乳ををゆっくりと温め数時間煮込み、上部にできた膜のクリーム状の部分をすくい、自然に発酵させて作ります。

このクリームと砂糖を少しパンにつけて食べるのが最高で、朝食やお腹が空いたときのスナックとして定番でした。

もちろんチーズも手作り。ウルムを取り除いたミルクを布などで濾すと白いものが残ります。それを布で包んだものを板の間に挟み、上に石などの重しをのせて水分を抜いたら出来上がります。

photo by Tomoya Yamauchi

ちなみにパンもどでかい鍋で作ります。パンの生地を作って鍋に入れて寝かせて、鍋のふたを閉めてストーブの上に置いて焼きます。

photo by Tomoya Yamauchi

朝食を済ませたら、私の仕事がスタート。まず近くの川から水を運んでくるのですが、これがなかなか重労働で1日に数回往復しなければなりません。この水は飲み水にも使われるし、料理にも使われます。少しのゴミやほこりは気にしないように。

次の仕事は薪割り。部屋を温めるために、薪ストーブを使っているので大量の薪が必要。薪割りに関しても彼らはプロフェッショナルで、まるで野菜を包丁で切るかのような手さばきでやります。

うっさん 世界を旅するノマド農民研修生

みなさんこんにちは!2014年1月から旅を始め、世界各国に住んだり旅をしたりと海外放浪中の旅人5年目です。学生時代に行ったタイでの孤児院でのボランティア活動がきっかけで、旅好きになり現在に至ります。学生時代には東南アジアを中心にインド、ネパール、トルコなどを個人旅行。大学卒業後は貿易商社に3年間勤務。良い経験でしたが、自分のしたい事と仕事内容やリズムが合わずに退社し、これからは自分の心からやりたい事を楽しみながら生きることを決意。「人生は実験だ」との覚悟のもと、現在は夢の一つであった世界旅行を楽しんでいます。現在はヒッチハイクで移動し、民家にタダで泊めてもらい、主には世界各国のオーガニックファームやホテルで住み込みで働きながら世界を旅してまわっています。将来的にはその経験をベースに、母の育った日本の里山での自給自足生活とゲストハウス経営を目指しています。これまでの旅の経験をもとに面白く役に立つ情報を発信していきます。

RELATED

関連記事