滋賀県|イブネ
滋賀県東近江市に横たわる鈴鹿山脈。鈴鹿を代表する10座のうち、「鈴鹿の奥座敷」として知られるのが標高1,160mの「イブネ」です。
地上からは想像もつかないほど圧倒的な苔モフ絨毯が山頂一帯を覆い、別名「鈴鹿の雲ノ平」とも呼ばれる夢のような空間が広がります。さらに、イブネの山頂は平地で展望が開け、御在所岳や鎌ヶ岳など鈴鹿を代表する名峰たちも一望できます。
往復約17㎞の山行は骨が折れますが、難易度的には初心者~中級レベル。道すがら史跡もあったりイヌシデの巨木などもあって、見どころ満載です。
・名称:イブネ
・住所:滋賀県東近江市甲津畑町
・地図:
・アクセス:(甲津畑登山口の場合)名神高速自動車道「八日市IC」より国道421号経由、車で約30分
兵庫県|しわがらの滝
兵庫県と鳥取県との県境、小又川渓谷にある、滝愛好家の間でじわじわ人気の滝が「しわがらの滝」です。
一見外から滝は見えず、渓流突き当りの洞窟内に身を隠しています。洞窟に足を踏み入れた瞬間、轟く滝の音とともに落差10mほどの滝が姿を現します。崖一面を覆う苔とシダ植物、天井穴から差し込む陽光、暗い洞窟に響き渡る滝の音と天然ミスト……五感で味わう最高の癒しが体験できます。
コースは徒歩30分程度と難易度は初心者レベルですが、山道の下り坂が続き、渓谷の渡渉と洞窟内は足元が濡れやすいため長靴かトレッキングシューズを推奨します。
・名称:しわがらの滝
・住所:新温泉町美方郡新温泉町海上
・地図:
・アクセス:北近畿豊岡自動車道「日高神鍋高原IC」より国道482号と国道9号経由、車で約1時間10分
・電話番号:0796-82-5625(新温泉町役場商工観光課)
・兵庫県公式サイトURL:https://www.hyogo-tourism.jp/spot/0842
鳥取県|木谷沢渓流
広大なブナ林に囲まれた高原地帯の鳥取県奥大山(おくだいせん)。奥大山を象徴する「ブナ」と「湧き水」が育んだ美しい自然が「木谷沢渓流」です。
奥大山の湧き水は、あの「サントリーの天然水」に起用されるほど折り紙付きの森の天然水。わたしたちにとってもっとも身近なミネラルウォーターのひとつです。
苔むす森に響き渡る川のせせらぎと小鳥のさえずり、やわらかな木漏れ日とヒンヤリした空気、心地よい木の香りに包まれ、五感で味わう森林浴が楽しめます。
・名称:木谷沢渓流
・住所:鳥取県日野郡江府町御机837-13
・地図:
・アクセス:米子自動車道「江府(こうふ)IC」から県道315号経由、車で約20分
・電話番号:0859-75-6007(江府町観光協会)
・江府町公式サイトURL:https://www.town-kofu.jp/2/spot/r681/r154/
徳島県|山犬嶽
徳島県上勝町にある「樫原の棚田」の背後にそびえるのが、標高997.6mの「山犬嶽(やまいぬだけ)」です。
山頂には雲早神社、中腹には東光寺、そしてミニ四国八十八カ所霊場が祀られ、山全体が聖域とされています。落葉原生林の山にはさまざまな巨石が横たわり、また大地はおびただしい水苔で覆われています。苔むした祠や石仏があちこちに点在し、清浄な空気と静けさで身が清められていくようです。
ひたすら上り坂が続く登山道のため少々きついですが、その労に替えても訪れる価値があります。
・名称:山犬嶽
・住所:徳島県勝浦郡上勝町生実萱木屋
・地図:
・アクセス:徳島自動車道「徳島IC」より県道16号経由、車で約1時間
・電話番号:0885-46-0111(上勝町産業課)
・上勝町公式サイトURL:http://www.kamikatsu.jp/docs/2011070400018/
愛媛県|笹倉湿原
西日本最高峰・石槌山(1,982m)を中心とした四国西部に横たわる石鎚山系。その南東部の、愛媛県と高知県の県境にそびえる筒上山に存在するのが「笹倉(さぞう)湿原」です。
草木生い茂る山の中を歩いていると、突然そこだけスポットライトが当てられたような光り輝く苔の湿原があらわれます。ウマスギゴケによる苔モフ絨毯は「神の庭」と形容され、別格の神々しさ。
しかし、近年周りにはびこる笹薮に影響され、湿原が縮小傾向にあるとささやかれています。気になる方は、訪問をお早めに。
・名称:笹倉湿原
・住所:愛媛県上浮穴郡久万高原町若山 金山谷
・地図:
・アクセス:松山自動車道「いよ小松IC」より国道11号、国道494号および県道12号経由、車で約1時間45分
熊本県|菊池渓谷
Photo by Mayumi
阿蘇外輪山の北西山麓、標高500~800mの間に位置する「菊池渓谷」。
「日本森林浴の森百選」「日本名水百選」「日本の滝百選」「水源の森百選」「くまもと緑の百景」「熊本の自然百選」「新くまもと百景」と数々の百選に選ばれるほど、熊本を代表する景勝地です。
冷たい清流と森の木陰で冷やされた渓谷は、1年を通じて平均気温11~15℃と電気不要のエコで頼れる天然クーラー。猛暑の夏にはぴったりの涼感スポットです。
四季折々の表情と森の生態系、空気、風、音、においにふれて、菊池渓谷もまた五感で癒されるスポットです。
・名称:菊池渓谷
・住所:熊本県菊池市原
・地図:
・アクセス:熊本市内から県道329号経由、車で約1時間半。九州縦貫自動車道「植木IC」から県道387号経由で約50分
・電話番号:0968-25-7223(菊池市商工観光課)
・菊池渓谷公式サイトURL:https://kikuchikeikoku.com/
鹿児島県|白谷雲水峡
苔の絶景ではもはや定番ともいえる世界遺産・屋久島。
中でももっとも人気のスポットが、言わずと知れた、『もののけ姫』のモデルといわれる「白谷雲水峡」。大地を覆い尽くす圧倒的な苔、白谷川の清流に樹齢1,000年を超える「屋久杉」の巨木たち。耳をすませば「こだま」の声が聞こえそうな、そんな気持ちにさせてくれるほど清らかで尊い空間です。
アクセスの良さから白谷雲水峡が人気ですが、苔むす森は意外と島のあちこちに点在し、同じ手軽さでいえばヤクスギランドなどもおすすめです。
・名称:白谷雲水峡
・住所:鹿児島県熊毛郡屋久島町楠川
・地図:
・アクセス:宮之浦港から県道594号経由、車で約20分。バスの場合は、宮之浦港からまつばんだバス「白谷雲水峡」行き乗車、終点まで所要時間約30分
・電話:0997-42-3508(屋久島レクリエーションの森保護管理協議会)
・「屋久の旅」公式サイト:https://y-rekumori.com/
癒しと涼感が味わえる、雨の日こそ苔スポットへ
苔を愛でる、苔を見ると癒される、苔むす森が素晴らしい、そう感じる心は、日本人特有の美意識とされています。
ただの苔になぜそこまで愛着が持てるのか。それは日本の風土と深くかかわりながら、「儚いもの」「古びていくもの」「あるがままのもの」に美を見出し、風情や情緒、侘び寂びを感じる感受性が培われていったからだと考えています。儚いようでいてたくましい、みずみずしく清く生きる苔の姿に無意識に何かを感じているのかもしれません。
もちろん苔スポットは空気が清浄でマイナスイオンも豊か、緑の色は目に優しく、安らぎとリラックス効果抜群など、物理的・心理的効果もはたらいているでしょう。
何はともあれ、苔がもっとも生き生きと輝くのは雨のシーズン。日本人にとって心安らぐ苔を愛でに、今度苔スポットを訪れてみませんか?
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All Photos by Mayumi