ライター
新田 浩之 フリーライター

国鉄が民営化された1987年生まれ。神戸市出身です。高校の時に読んだある小説の影響で、中央ヨーロッパ、東ヨーロッパ、ロシアに強い関心を持つことに。大学、大学院ではユーゴスラビアのことを勉強していました。2016年3月からライターとして神戸で活動しています。 直近では2015年9月から3ヶ月間、友人を訪ねながら、ヨーロッパ14カ国をめぐる旅を決行。ただ、イギリス、フランス、イタリア、スペインなどの西欧諸国には行ったことがありません。

ウクライナの首都キエフから南へ列車で10時間、リヴィウからは12時間でオデッサに着きます。

オデッサは昔から、交通の要衝。特に隣国のモルドバからウクライナに入った場合、オデッサはとても重要な街なのです。なぜ、重要なのでしょうか。今回も自分の体験記を基づきながら、オデッサの魅力をお伝えします。

*編集部追記
2016年5月に公開した記事に新たに5選加筆しました。
2016年5月時点での情報なので、実際に訪れた方で古い情報を見つけた方はmedia@tabippo.netまでご連絡ください。

 

オデッサを訪れた感想

Photo by 新田浩之

オデッサには2015年11月に訪れました。オデッサの第一印象は開放的であること。オデッサは貿易港なので、そのような雰囲気を感じたのでしょう。また、オデッサのおばちゃんはよく喋ります。私はオデッサ駅近くのホステルに泊まりましたが、そのホステルのおばちゃんオーナーが話好きな方で本当に楽しかったです。

 

オデッサ観光のアドバイス

Photo by 新田浩之

まず、オデッサの階段近くにいる鷹を持った集団がいたら絶対に近付いてはいけません。強引に撮影が行われ、高額なお金を支払う羽目になります。私もやられかけましたが、ロシア語と英語で言い返して難を逃れました。また、夜は街頭が暗いので十分にご注意ください。

 

オデッサのベストスポット

Photo by 新田浩之

やはり、映画でも登場した「オデッサの階段」でしょう。オデッサの階段は実に不思議な階段です。下から見上げると、ものすごく高く見えますが、実際に登ってみると言うほどではありません。実際にオデッサの階段を訪れて、確認してみてください。

 

オデッサの概要とポイント

オデッサは15世紀、トルコ人によって作られた街。18世紀の露土戦争の結果、オデッサはロシア領に。以降、貿易港として大いに栄えました。オデッサがウクライナになったのは、20世紀のソビエト連邦時代から。そのためオデッサでは、ウクライナ語よりロシア語のほうが聞こえてきます。

オデッサは今でもウクライナ有数の貿易港として栄えています。またオデッサは隣国、モルドバへの玄関口ともなっており、モルドバ行きの列車とバスが出ています。

 
オデッサは、モルドバから来る旅人にとっては重要なスポット。オデッサ駅前の両替所では、モルドバ・レイからウクライナの通貨グリブナに両替できるんです。モルドバ・レイはなかなか外貨に両替できないので、オデッサ駅前の両替所で必ず両替してください。

*編集部追記(2017/08/25)
以下、観光スポットの一覧となっています。

 

オデッサの目玉といえば階段!「オデッサの階段」

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Photo by Saskia Heijltjes

オデッサといえば階段です。オデッサの階段は有名な映画「戦艦ポチョムキン」の舞台となったところ。なお、映画「戦艦ポチョムキン」は1905年に起きたロシア兵の反乱をベースにしています。

「戦艦ポチョムキン」は映画史に残る大作中の大作。特に、赤ちゃんを乗せた乳母車が階段からゆっくりと落ちるシーンは今でも絶賛されています。

 

このオデッサの階段は、実に不思議な階段なのです。上から見ると、それほど段差がないように思えます。一方、下から見上げるとものすごく高く感じるのです。これは人の遠近法を利用した設計のおかげ。普通の階段では味わえない感覚なので、興味深いです。

オデッサの階段を訪れる際は、事前にYOUTUBEで「戦艦ポチョムキン」をチェックしてみてください。

■詳細情報
・名称:オデッサの階段(ポチョムキンの階段 The Potemkin Stairs)
・住所:Prymors’kyi district, Odessa, Odessa Oblast, ウクライナ
・アクセス:駅から徒歩20分
・オススメの時期:冬以外

 

格安でバレエ、観劇が楽しめる「オペラ・バレエ劇場」

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Photo by inga

ウクライナのみならず、ロシアでもオペラや観劇はものすごく盛ん。その影響で、破格の価格で本格的なオペラや劇が楽しめます。

オデッサにあるオペラ・バレエ劇場は内装も豪華。入った瞬間に赤と金の内装に目がクラクラすることでしょう。ちなみに、オペラ・バレエ劇場は19世紀にウィーンの建築家によって建てられたもの。もしかすると、ウィーンの影響もあるかもしれませんね。

 
オペラ・劇の切符は正面玄関にある「カッサ」(切符売場)で購入できます。私は当日に700円でオペラを観ることができました。せっかくの機会ですので、本格的なウクライナの芸術文化を味わいませんか。

■詳細情報
・名称:オデッサオペラ・バレエ劇場(Odessa National Opera and Ballet Theater)
・住所:Chaikovs’koho Ln, 1, Odessa, ウクライナ
・アクセス:駅から南へ徒歩20分
・営業時間:カッサ 11:00~19:30(ただし15:00~15:30は休業、上演1時間前まで切符購入可)
・定休日:月曜日
・電話番号:+380 48 780 1509
・オススメの時期:いつでも
・公式サイトURL:http://opera.odessa.ua/en

 

ロシアの文化を感じさせるオデッサの一面「プーシキン文学記念館」

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Photo by 新田浩之

ロシアの詩人といえばプーシキンでしょう。プーシキンは19世紀に活躍した詩人で「エヴゲーニイ・オネーギン」など情熱的な詩を書いたことで有名です。ロシア人、ウクライナ人でしたら皆が知っている文化人です。

なぜ、ロシアの偉大な詩人がウクライナのオデッサに関連があるのでしょうか。19世紀、オデッサはロシア帝国の街でした。プーシキンは王政に反対する詩を書いたため、首都サンクトペテルブルクから追放処分を受けるハメに。結果的に、オデッサへと流れ着いたのです。

 
プーシキン文学記念館では、プーシキンが書いた直筆の原稿がそのまま展示されています。やはり、国民的な詩人が書いた文章かと思うと感慨深いですね。また、プーシキンの部屋も再現。小さな博物館のわりに印象に残りました。

■詳細情報
・名称:プーシキン文学館(Literary & Memorial Museum of A.S.Pushkin)
・住所:Pushkins’ka St, 13, Odessa, Odessa Oblast, ウクライナ
・アクセス:駅から徒歩15分
・営業時間:10:00~17:00
・定休日:月曜、火曜
・電話番号:+380 48 722 7448
・所要時間:1時間
・オススメの時期:いつでも
・公式サイトURL:http://museum-literature.odessa.ua

 

黒海を一望できるのんびりとした公園「シェフチェンコ公園」

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Photo by 新田浩之

オデッサで黒海を一望したいなら、シェフチェンコ公園をオススメします。確かにオデッサの階段からも黒海を見渡せますが、シェウチェンコ公園よりは眺望が劣ります。本当にのんびりとした雰囲気で、ゆっくりとくつろぐには最適です。

 

少し公園の中を歩くと、数多くの石碑に出くわすはず。これは、第二次世界大戦を記念した石碑です。オデッサも第二次世界大戦では甚大な被害を受けました。戦後、ソ連政府から戦争時の努力が認められ「英雄都市」の称号を受けたのです。

このような石碑が大切に保存されることから、オデッサは今でもロシアとの結びつきが強いと考えてもいいのでしょう。

■詳細情報
・名称:シェフチェンコ公園(Shevchenko Park)
・住所:1/4 Marazliyevskaya Street, 65014 Odessa, ウクライナ
・アクセス:駅から西へ徒歩20分
・所要時間:1時間
・オススメの時期:冬以外

 

エジプトのミイラが見られるオデッサ考古学博物館


オデッサ考古学博物館には古代エジプト、古代ギリシャ、古代ローマのコレクションがあります。特に古代ギリシャのコレクションには注目したいところです。オデッサにさまざまな文化が流入したことがよくわかる博物館です。

■詳細情報
・名称:オデッサ考古学博物館(Odessa Archaeological Museum)
・住所:Lanzheronivs’ka St, 4, Odesa, Odessa Oblast
・アクセス:オデッサ駅から徒歩約20分
・営業時間:10:00~17:00
・定休日:月曜日
・電話番号:+380 48 725 6322
・オススメの時期:いつでも
・公式サイトURL:http://www.odessatourism.org/en/do/museums/arheologicheskij_muzej

 

ウクライナ絵画が学べる国立オデッサ美術館


ウクライナ絵画に興味のある方は国立オデッサ美術館を訪れましょう。この美術館には16世紀~18世紀に描かれたイコンやウクライナ絵画、ロシア絵画、モダンアートが展示されています。入口はソフィエフスカ通りにあります。

■詳細情報
・名称:国立オデッサ美術館(Odessa Fine Arts Museum)
・住所: Sofiivs’ka Street, 5А, Odesa, Odessa Oblast
・アクセス:オデッサ駅からバス242系統に乗り、バス停「Ol’hiivs’ka St」下車すぐ
・営業時間:10:30~18:00
・定休日:火曜日
・電話番号:+380 48 723 7287
・公式サイトURL:http://www.odessatourism.org/en/do/museums/art-museum

 

東から西からの絵画が見られる西洋東洋美術博物館

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先ほどの国立オデッサ美術館が国内の絵画を収集しているのに対し、西洋東洋美術博物館はインターナショナルな美術館です。館内は西洋美術と東洋美術にわかれています。数多くの絵画が展示されており、見ごたえ十分です。

■詳細情報
・名称:西洋東洋美術博物館(A Museum of Western and Eastern art)
・住所: Pushkins’ka St, 9, Odesa, Odessa Oblast
・アクセス:オデッサ駅から徒歩約15分
・営業時間:10:00~17:00
・定休日:水曜日
・電話番号:+380 48 722 4815
・所要時間:2時間
・オススメの時期:いつでも
・公式サイトURL:http://www.oweamuseum.odessa.ua/museum_en.htm

 

最もにぎわっているビーチ「アルカーディア」


オデッサは黒海に面しているので、いくつものビーチがあります。そのなかで最も有名なビーチがアルカーディアです。ウクライナの人々と一緒に海水浴を楽しむと、いい思い出になりますよ。

■詳細情報
・名称:アルカーディア(Arcadia)
・住所:Ukraine, Odessa
・アクセス:オデッサから5系統のトラムに乗り終点下車
・オススメの時期:夏

 

悲惨な第二次世界大戦がわかるパルチザンの栄光博物館


パルチザンの栄光博物館は地下道が展示スペースになっています。第二次世界大戦時、パルチザンは地下道を利用して、ナチスドイツに抵抗しました。夏でもひんやりとしており、展示物からは抵抗の激しさがわかります。

■詳細情報
・名称:パルチザンの栄光博物館(Museum of Partisan Glory)
・住所:Odessa region, Nerubaiskoe village
・アクセス:市街地から北西13kmの場所にあるため、チャーターが必要です
・営業時間:9:00~16:00
・定休日:月曜日
・電話番号:+38 067-292-30-55
・オススメの時期:いつでも
・公式サイトURL:http://www.odessatourism.org/en/do/museums/muzej_partizanskoj_slavy_katakomby

 

ぜひ話してみたいオデッサのおばちゃん

最後に紹介するのはオデッサのおばちゃん。私がオデッサで泊まったホステルは、おばちゃんがオーナでした。そのおばちゃんが本当によく喋るのです。

とにかく、ロシア語と英語でいろんなことを質問し、そして喋ってくるのです。「まるで、大阪のおばちゃんだなあ」と思ってしまいました。

 
このことをキエフに住むウクライナ人の友人に聞くと、ウクライナでもオデッサのおばちゃんはよく喋ることで有名とのこと。ぜひ、オデッサに着いたらおばちゃんに声をかけてみてはどうでしょうか。もしかすると、すばらしい交流があるかもしれませんよ。

 

ライター
新田 浩之 フリーライター

国鉄が民営化された1987年生まれ。神戸市出身です。高校の時に読んだある小説の影響で、中央ヨーロッパ、東ヨーロッパ、ロシアに強い関心を持つことに。大学、大学院ではユーゴスラビアのことを勉強していました。2016年3月からライターとして神戸で活動しています。 直近では2015年9月から3ヶ月間、友人を訪ねながら、ヨーロッパ14カ国をめぐる旅を決行。ただ、イギリス、フランス、イタリア、スペインなどの西欧諸国には行ったことがありません。

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