南米ペルーのバス停、時刻は21時前。
これから私は夜行バスに乗ってボリビアのラパスへ向かうところ。初めてのバスでの国境超えを控え、いつもは基本的にボーっとしている私も気合が入っています。
バス会社が何社もある大きめのバス停で、値段を聞いては、価格交渉を繰り返して無事にチケットを購入。一仕事終えたのでベンチに腰掛けてスクリーンのテレビ放送を眺めていました。
そこに1人の女性が私に声をかけてきたのですが…
スペイン語しか話せない女性VSスペイン語が全く分からない私
隣の椅子に座っていた1人の女性が私の顔を覗き込むかのように見つめてきました。
ここはペルー、いくら日本人ぽくないと言われる顔立ちの私でも異国感が出ていたのでしょうか。視線を感じた私は、彼女をちらっと覗き返してみました。
すると、「Hola!△■×○…?!!」と全く理解のできない言葉で、彼女が勢い良く話しかけてきました。
何かを問うているのは分かるものの、彼女が何を言っているのか全くもって聞き取ることが出来ません。とりあえず私も反応しなければと思い
I am Japanese.(私は日本人です。)
と一言。
気まずい空気感に救世主登場
一瞬の間が生まれたのも束の間。
「あんた何言うとんねん?」と、まるで大阪のおばちゃんのような勢い溢れる返しで再び口を開き、一方的に喋りを続けてきます。
こりゃ、どうしようもないな。と開き直った矢先に、向こうから少女と少年がトコトコやって来て、彼女の懐に入りました。
彼女は、その少女と少年のお母さんの模様。その少女もまた何か話しかけてくれているものの、それまたスペイン語なので理解できない私。
けれども、キラキラした瞳で私を見つめる少女とよちよち歩く少年が仲良く遊ぶ様子をみて、思わずほほえましい気持ちでいっぱいに。
すると、ベンチの反対側に座っていた1人の男性が、私たちの輪に入ってきました。
彼女たちが伝えようとしていたこと
「さっきからずっと、後ろで君たちのやり取りを聞いていたんだけどね。いつ声をかけようか迷っていたんだ!」と男性が英語で私に伝えてきます。
彼はペルー人。勿論スペイン語もペラペラです。
彼女が私に浴びせるように問うていたことを、彼が英語で私に伝え、それを私が英語で彼に伝えたことをスペイン語で彼女へと。
そんなやり取りが行われて、彼女もホッとしたという身振りを加えて私との距離をつめてきます。
それを聞いた少女もニコリと笑って、私の元へ近寄って挨拶をしてくれました。
さっき出逢った私たち、でももう母と娘。
私の足元ではしゃぐ少女と少年とともにじゃれあっていると、彼女は更に私に声をかけてきました。
バスの中は寒いから防寒するものは持っているのか?ボリビアの次はどこへ行くのか?1人でどの位旅をしているの?などなど…