ライター
Jyaiko カタール在住/約100ヵ国渡航

横浜生まれ中東育ち。現在はカタール在住。今まで住んだことのある国はエジプト、アメリカ、カタール。人生の約半分は海外暮らし。高所恐怖症で飛行機も苦手なのに、旅がしたくてなぜか客室乗務員として空の上で働いている。現在行ったことのある国は約100ヵ国。興味あることは国際協力とモアイとラーメン。

「世界一退屈な町」とかつて呼ばれていた場所はご存知ですか?それはカタールの首都ドーハです。かつてドーハは娯楽施設や観光資源もなく、夏は焦げ付くように暑くて外に出られない。お酒も飲めないし外国人にとってはとてもつまらない町でした。

しかし、今は様々な娯楽施設、レストラン、ホテル、美術館等も増え、観光地も整備されてたくさんの人たちが訪れるようになりました。そして、2022年に中東ではじめて開催されるワールドカップに備えて、スタジアム、道路、地下鉄など町中がどんどん改良され、ものすごいスピードで更なる発展を遂げています。

カタールに住んで6年目になる私が「世界一退屈な町」という名を返上出来るよう、観光スポットをご紹介します!

 

カタールで砂漠を満喫するおすすめ観光スポット

観光スポットがない!と言われがちのカタール。まずは、おすすめの観光スポットをご紹介します。

 

SealineとInland Sea

photo by Shoko_Jyaiko

中東といえば砂漠ですよね。ここカタールにも美しい砂漠があり、Sealineと呼ばれるこの場所には、週末になると多くの地元の人たちで賑わいます。

 

カタールの砂漠の特徴は、海と砂漠が隣接していること!また、ドーハの町から砂漠まで車で約45分ととても近いので、どの中東諸国よりも気軽に行くことができておすすめです。

砂漠の入り口付近では、ラクダに乗って写真を撮ったりバギーのレンタルショップもあります。自分で運転してを砂漠を駆け走るというアクティビティも人気。また、砂漠で一晩過ごすことができるキャンプ場や、バーベキューに最適な砂浜もあります。

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180度見渡す限りの美しい砂漠の中を、四駆車で突っ走ってしばらくすると、Inland Seaという湾が見えてきます。対岸にはサウジアラビアの陸地が見えます。

今まで砂だらけだった場所にいきなり水が現れ、遠くて近いような外国が見えるという不思議な場所。「日本を離れて遠くまでよく来たな……」という気持ちにさせてくれます。

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ちなみに砂漠には四駆車でしか行くことができないので、前もってツアーなどを予約しておくと安心です。空港やドーハの市内でピックアップしてもらい、約4時間の行程でツアーを提供している現地の旅行会社がたくさんあります。

 

Al Zubarah

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カタールの唯一のユネスコ世界遺産であるAl Zubarah。カタール半島の北側に位置しており、ドーハからは車で約2時間で行くことができます。

砂漠に突如現れるこの遺跡は、かつて真珠産業で栄えていた港町の要塞で、18世紀に建てられました。湾岸諸国のはじまりといわれている場所で、歴史を語る重要な遺跡として2013年に世界遺産に登録されました。

中には昔の真珠産業に関する資料や展示もあり、このAl Zubarahがいかに重要な要塞だったかを知ることができます。

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ドーハからこのAl Zubarahまでの道路は、砂漠の中とは言え全て舗装されているため、普通車でアクセスすることができます。

 

West meets East / East meets West Art

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砂漠とアートの融合に興味のある人におすすめなのが、カタール郊外にある砂漠の中に作られたアートの世界West meets East / East meets West Art。カタール半島の西海岸に位置するZakreetという砂漠エリアに、突如高い金属板が現れます。この建造物はアメリカ出身の有名な彫刻家、リチャード・セラの作品。

実際に近くで見てみると、こんな巨大な金属板をどのようにして砂漠のど真ん中に固定したのかとても不思議で興味深い場所です。

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ドーハから車で約1時間半で到着することができますが、途中から舗装された道がなくなるため四駆の車、もしくはツアーで訪れるのがオススメです。

 

冬限定のラクダレース

photo by Shoko_Jyaiko スタートした瞬間のラクダ達!

中東ならではの面白い経験がしたければ、ラクダレースの見学がおすすめ。ドーハから約40Km離れたAl Shahaniyaというエリアでは、11月から2月の冬季限定でラクダレースが開催されます。

ラクダレースの面白いところは、車に乗ってレースをしているラクダを追いかけながら観戦すること、ロボットのジョッキーがラクダの上に乗っており、そのロボットがムチでラクダを叩いてレースを進めるということ!

photo by Shoko_Jyaiko 今までの人生の中で一番多くのラクダを見た貴重な経験でした。

今まで見たことのないくらいの、ものすごい数のラクダの大群と、砂漠を一生懸命走るラクダの姿はとても印象的で一見の価値ありです!

 

カタールに来たら必ず行きたい定番スポット!

カタールならではの異国空間を体験できる定番スポットをご紹介します。

 

Souq Waqif

ドーハ観光で絶対に外せないのがSouq Waqif。スークは「市場」という意味で、お土産、日用品、食料品から、金、さらにはペットや鷹のお店まであります。迷路のような道にお店が連なっており、歩いているだけでアラブの世界を体感することができます。

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Souq Waqifの特徴は、中東を始め各国の料理を食べることができるレストランが連なっており、近隣諸国のお土産も買うことができること。Souq Waqifの中にあるオススメのレストランは、この記事の後半で紹介します。

 

Souq Waqifでのオススメの過ごし方は、ぶらぶらとお土産屋さんを見て周り、お腹が減ったらアラビック料理を食べ、食後は水タバコ(シーシャ)を吸いながらKarak Chai (カルダモンなどのスパイスがきいた中東特有の甘いミルクティー)を飲むというのがまさにアラブを感じることができる粋な過ごし方でしょう。

続いて、Souq Waqifでぜひチェックしていただきたい場所や物を紹介します。

 

ゴールドスーク

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名前の通り金の市場!日本より安く金が買えるかも。自分の名前をアラビア語で書いたネックレスをオーダーメイドすることもできます。

 

スパイスやドライフルーツなどのお店

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日本では見たことのないような数々のスパイスや、ドライフルーツ、ナッツなどが目白押し!おすすめは乾燥したイチジク(dry fig)と中東特産のナツメヤシ(デーツ)です。これらは好きな量だけ計り売りしてくれるので、お土産にも最適。

 

Art Center

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ここはアーティスト達が絵を描いたり売ったりしている場所。何と言っても見所はこの建物の中の美しい装飾です。中は冷房が効いているので、暑い外を歩いて一休みしたい時に立ち寄るのにも最適ですね。

 

鷹の病院

photo by Shoko_Jyaiko 鷹専用の病院!

カタールでは昔から鷹狩りというスポーツがあり、今は鷹を持っていることがステータスでもあるんです。スークではFalcon souqとよばれるエリアがあり、ここには鷹を売っているお店や、鷹専用の立派な病院もあります。

photo by Shoko_Jyaiko 本物の鷹を間近で見ることができます!

 

アラビア馬の飼育エリア

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アラビア馬は世界の馬の中でも、最も美しい品種とも言われています。スーク内では、時間によってはアラビア種の馬に乗った警察を見ることができます。また、Falcon souqのすぐそばにこの馬の飼育エリアがあるので、運が良ければそこでも馬を間近に見学することも可能です。

photo by Shoko_Jyaiko スーク内をパトロール中の警察。

Cornish(コーニッシュ)

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ドーハで一番広々していて眺めの良いスポットと言えば、コーニッシュ。コーニッシュとは海沿いに設けられた遊歩道のことで、ドーハのコーニッシュはMuseum of Islamic ArtからWest bayというエリアまで約5キロに続く道を指します。ここでは多くの人がジョギングをしたりピクニックをしています。

また、カタールで古くから使われていたダウ船という木造の船に乗って、ドーハの高層ビルを眺めながら気軽にクルーズをすることもできます。

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コーニッシュには眺めの良いアラビック料理屋さんAl Mourjanと、Costa Coffeeという24時間オープンしているカフェがあるので、散歩のついでに立ち寄ってみると良いでしょう。

 

MIA Park

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ドーハにある数々の公園の中でも抜群の景色とロケーションを誇るのがこのMIAパークです。MIAとはこの記事で後ほど紹介するMuseum of Islamic Artの略称で、この美術館の横に隣接しているのがこの公園です。

photo by Shoko_Jyaiko MIA Cafeで最高の景色を見ながらお茶をしよう!

ずらっと並んだ椰子の木の道を歩いて公園の先端に行くと、MIA Cafeというオープンテラス式のカフェがあり、ここからコーヒーを飲みながら眺めるドーハの景色は昼間も夜もとても美しく、一見の価値があります。散歩しているだけでも心地よい、ドーハのオアシスのような公園です。

 

Katara Cultural Village

photo by Shoko_Jyaiko Kataraにあるモスクの内部。

Katara Cultural Villageは空港から24kmほど離れた場所にある、文化村のような場所です。ここではモスクやビーチ、劇場の他に各国の料理が楽しめるレストランやカフェがあります。

海辺に面して広々したスペースは歩いてるだけでも気持ち良いのが特徴。期間限定で絵の展示会や音楽のコンサートなども行われるので、ホームページをチェックしてみましょう。

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美しいモスクもあり、男性なら中に入ることができます。このような黄金のモスクもあり、歩いているだけでも異文化を感じることができる楽しい場所です!

photo by Shoko_Jyaiko ビーチ脇にはジェットスキーを体験できる場所もあります。

歩くのに疲れたらゴルフカートに乗せてもらいましょう。敷地内でしたら無料で好きなところまで連れて行ってくれます。

 

Pearl(パール)

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天然ガスや石油などの資源が豊富なカタールは、世界で一番お金持ちの国とも言われています。そんな豊かな国カタールを象徴するのがPearl。

ここは人工的に埋め立てられた土地に、高級住宅と様々なオシャレなレストランやカフェ、映画館などが建てられていて、小さな町を作っています。また、一台いくらするのかわからないくらい高級なヨットの停泊場もあり、それらを眺めて散歩するだけでセレブな気分を味わうことができます。

photo by Shoko_Jyaiko ここはイタリアではなくカタールです!

Pearlはとても広く、様々なエリアに分かれています。中にはイタリアのベネチアをイメージしたエリアもあり、ここを歩いているとドーハではない、違う場所に来たかのような気分になります。

 

Wakra Souq

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ドーハから車で約30分程で到着する隣町、ワクラにあるスークです。ここはSouq Waqifより最近建てられたスークで、現在次々と新しいお店がオープンしています。

Wakra Souqの特徴は、Souq Waqifより人が少なくて広々していること、海を眺められる砂浜沿いにオシャレなカフェやレストランなどがあるということ。また、迷路のようになったアラビアンナイト風の道を歩いているだけでも、異世界に来た気分を十分味わうことができます。

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Wakra Souqはこれからどんどんと進化して、ドーハの穴場となることでしょう。

 

Fanar

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Souq Waqifの反対側に位置するこの特徴的な姿をした建物は、モスクも兼ねたイスラムやアラブ文化を広めるためのカルチャーセンターとなっています。公式名称はAbdulla Bin Zaid Al Mahmoud Islamic Cultural Centerと言いますが、通称Fanarとして広く知られています。

ここではアラビア語講座やイスラム教講座だけではなく、外国人向けにモスクツアーや、カタールの文化紹介、モーニングアラビックコーヒーなど日によって様々なアクティビティが開催されています。そのほとんどは無料ということも嬉しいポイント。

これらアクティビティの詳細は公式ホームページから登録をすると見ることができますので、ぜひチェックしてみてください。

 

カタールでオススメの2大ミュージアム

カタールに来たら訪れたい「Museum of Islamic Art(MIA)」と「National Museum of Qatar
」の2大ミュージアムをご紹介します。

 

Museum of Islamic Art(MIA)

photo by Shoko_Jyaiko

パリのルーブル美術館のガラスのピラミッドをデザインしたことで知られる、20世紀を代表する建築家イオ・ミン・ペイによって設計された、美しい外観と内装を誇るMuseum of Islamic Art(MIA)。

入り口から内部の細部に至るまで、シンプルでありながらもアラビア風の美しい内装を見るだけでも、このミュージアムは来る価値があります。展示品は中近東諸国の様々な骨董品やじゅうたん、宝石、コーランなど、歴史と文化を感じさせるコレクションが綺麗に展示されています。

photo by Shoko_Jyaiko 美術館と思えないような美しさ。

そこまで広い館内ではないので、美術館ってあまり興味ないな……という方でも飽きずに楽しめるおすすめの場所。

また館内にあるカフェも眺めが抜群で、絶対に立ち寄ってみたい場所の1つです。

 

National Museum of Qatar

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2019年3月にオープンしたばかりのNational Museum of Qatarは、最新のミュージアム。カタールが誇る最新鋭のテクノロジーを駆使して、全ての来場者を満足させるような工夫がいっぱい詰まった新しいタイプの博物館です。ちなみに、この特徴的な美しい建物の形は砂漠のバラをイメージしたものです。

MIAがカタールの近隣諸国のお宝コレクションを展示しているのと比較して、こちらのミュージアムはカタール独自の歴史や文化を紹介しています。こんなにカタールの歴史を詳しく知ることができる博物館は、ここしかないでしょう。

プロジェクターで映像が大きな壁に映されている場内は、博物館ではなく映画館にいるかのような気持ちになります。

photo by Shoko_Jyaiko

また、小さい子どもが学びながら楽しむことができるキッズエリアや、図書館、カフェなども完備されています。

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Jyaiko カタール在住/約100ヵ国渡航

横浜生まれ中東育ち。現在はカタール在住。今まで住んだことのある国はエジプト、アメリカ、カタール。人生の約半分は海外暮らし。高所恐怖症で飛行機も苦手なのに、旅がしたくてなぜか客室乗務員として空の上で働いている。現在行ったことのある国は約100ヵ国。興味あることは国際協力とモアイとラーメン。

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