編集部

こんにちは、旅を広める会社である株式会社TABIPPOが運営をしている「旅」の総合WEBメディアです。世界一周のひとり旅を経験した旅好きなメンバーが、世界中を旅する魅力を伝えたいという想いで設立しました。旅人たちが実際に旅した体験をベースに1つずつ記事を配信して、これからの時代の多様な旅を提案します。

サンパウロに向かうバスに乗り込んだのは、夜の 21 時。みんなが寝静まった 23 時頃、バスは突然、急ブレーキで高速の脇の茂みに突っ込んだ。妻と僕は起きたけど、娘は爆睡。周りもざわざわと、現状の理解に苦しんでいた。

「◎△※〜!」言葉が分かんないけど、なんかもめてる。
「パンッ!!!!」次の瞬間、銃声が響いた。

 

「キャー」という悲鳴、「なんだ!なんだ!」というざわめき。運転手が助けを呼ぶ声に、乗客数名が外に飛び出す。1分くらいの混乱の中、疲れ果てた顔の男が拘束された。

事の真相は、薬漬けの犯人が、借金返済のために人生をかけたバスジャック。バスの前に突然飛び出し、茂みにつっこんだバスに近づき、運転手の手を打ち抜いたらしい。1時間後には警察が来て、手錠をかけられ捕まった。

死を想像した瞬間は、僕にいろいろな思いを巡らせた。(家族を守らないと。生きて帰らないと。娘にこのことをネガティブな記憶として残してはいけない)現場を離れる時には、朝になっていた。

 

「元気に大きくなっていますよ!」

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photo by shutterstock

温かい人々との出逢い、死を想像する瞬間、そんな毎日を繰り返して、4月。青空(せいら)が生まれる予定日の3ヵ月前に帰国した。帰国後はすぐに検診と、旅の報告にドクターを検診。ブラジル以来の検診にドキドキ。

Dr.「大自然に触れてよく歩いたからか、元気に大きくなっていますよ!」
出産に必要なだけの体力とエネルギーを妻と娘は、世界一周で蓄えたのだ。

 

7月2日。青空(せいら)は安産での出産となった。ゆりなの方は、編入という形で幼稚園に通い始めた。意外にも、彼女はすぐに解け込んだ。当時のゆりなの旅の印象はこんな感じ。

・チェコの友達との交流が楽しかった!
今でも手紙を書いたり、プレゼントを送ったり。

・またディズニーランドに行きたい!
ディズニーは東京ではなくパリにあるものと思っている。

・おいしかった食べ物は、エクアドルのバナナ!
他には、スペインのパエリアやリマのチュロス。

・砂漠の「イカのサンドバギー」がやっぱりおもしろかった!

などなど、思っているより覚えているみたいだ。

 

「生きる力に溢れてますよね」

それから1年。小学校1年生になったゆりなは、個人懇談の時に担任の先生から言われた。「ゆりなちゃんって…、何か生きる力に溢れてますよね」嬉しかった。何も残せなかった僕の唯一のギフトが、きっとどっかで彼女の中に生きているんだって。

世界中でゆりなは、多くの旅人と時間を共有し、笑っていた。彼女がいることで和やかになる時もあったし、子どもの笑顔に皆が元気をもらえた時がたくさんあった。

 

自分がそんな存在であったことをその小さな体に、心のどこかに刻んでくれていれば、必ず、人を幸せにできる大人になってくれる。今は、素直にそう思っている。

海外ロケの番組で知ってる場所が出るたびに、反応する8歳児。「次は行きたいなぁー。マチュピチュ。雨で行けんかったし」なんてセリフに、親としてもちょっとびっくり。

 

この子たちは、どんな大人になるだろう?

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photo by Bady Qb

そして去年、もう一人の子どもが生まれた。世界を見た者、お腹の中で感じた者、まったく知らない者。こんな3人の子どもと生きることは、本当に楽しい。

(世界にはたくさんの子どもたちがいる。僕らの3人の子どもたちは、どんな大人になるのだろうか?)

本当に世界には、いろんな人がいた。
人をもてなすことが上手な人。
仕事なんかより、ハッピーな時間を大切にする人。
見ず知らずの旅人を家に招き、家族のように接してくれる人。
長時間のバス移動で4回もパンクしても、
それを楽しめる人。
隙あらば何か盗んでやろうと悪そうな顔をしている人。
生活に困りきって、とうとうバスジャックをしちゃった人。

 

できるだけ世界を広げて、刺激を感じて

できるだけ、世界を広げて、できるだけ、たくさんの刺激を感じてほしいと思う。そして、それぞれの人の良い部分を見習い、悪い部分に疑問を持って生きていってもらいたい。

9月から、我が家はスペインのバルセロナからのホームステイを受け入れることになった。世界一周の旅で感じた想いと感謝を、少しでも未来の若者たちに返していきたい。

このホームステイという選択がきっと、3人の子どもの未来に繋がる大切なギフトとなることを願って…。

 

世界一周に出たい!でも勇気が出せない。そんなあなたへ

いかがでしたか?

今回の世界一周ストーリーを掲載している書籍では、15名の感動ストーリーだけではなく、一緒に本を作成した世界一周者50名のお土産話やアンケート、世界の瞬間PHOTOなど世界一周経験者の想いが詰めこまれています。

「世界一周して人生が変わる?」

これは、あなたが本当に実感できるかどうか分からないかもしれません。ただ、少なからず私たち50名の人生は、世界一周がきっかけで変わりました。

この想いをあなたにも感じて欲しい。そしてこの本をきっかけに、旅に出てくれたらもっと嬉しいです。

 

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