編集部

こんにちは、旅を広める会社である株式会社TABIPPOが運営をしている「旅」の総合WEBメディアです。世界一周のひとり旅を経験した旅好きなメンバーが、世界中を旅する魅力を伝えたいという想いで設立しました。旅人たちが実際に旅した体験をベースに1つずつ記事を配信して、これからの時代の多様な旅を提案します。

 

4日間、歩き続けてマチュピチュへ

そして、メキシコからアメリカ大陸を南へ南へ下っていく。世界遺産の街、クスコへ到着。ここは、天空都市マチュピチュへ向かう人々が集まる街。マチュピチュまでは電車で向かうこともできるけど、3泊4日で歩いて向かうトレッキングツアーに参加してみる。

オランダ人のマックスや、ドイツ人トーマス、7 人くらいでチームを組んで、マチュピチュを目指した。1日8時間、山道を歩き続ける過酷なトレッキングツアー。

 

10月のペルーは、日本の初夏のような暑さ。蚊の大群に襲われたり、疲れた体を冷たい川で冷やして。
足はパンパン、辛かった。でも、夢中になって遥かのマチュピチュを目指していた。

 

夢中になったことなんて、いつ以来だ?

(なんで海外来てまでこんな苦しいことをやってるんだ ?)ふと冷静になって考えてみたりもしたけど、こんな風に夢中になってチームで何かを達成する感覚は久しぶりで、とにかく気持ちが良かった。

(何かに夢中になったのなんて、いつ以来だろう?)4日間、歩き続けて見た天空都市は、また格別だった。

 

踏み出すだけで、景色は変わる

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マチュピチュを後にし、お次はチリのイースター島へ。きれいな朝日を見た。それは、間違いなく人生で一番美しい朝だった。

まだ真っ暗闇な中バイクを走らせ、島のちょうど反対側にあるアフ・トンガリキを目指す。そこにあるのは 1 列に並ぶ 15 体のモアイ像。そして、その背後から昇る大きな朝日。モアイの間から、突き刺すようなオレンジの光が僕を捉える。

(僕が日本で過ごしてきた、退屈でなんでもない朝は、こんなにも美しいものだったのか。自分が一歩踏み出すだけで、朝の景色さえ、変わるんだ)

 

今でも朝焼けを見るたびに、絶海の孤島の朝を思ったりする。マチュピチュを見るために4日間歩き続けたり、朝日を拝むために真っ暗闇の中をバイクで走ったり…。やりたいことをやるために、できない理由なんて考えない。

(本気で生きるって、きっと、こういうことなんだ)

 

数時間目を閉じれば、そこは別世界

南米を2ヵ月間、思う存分楽しんで、季節は 12 月、飛行機に乗り、一気に旅はヨーロッパへ。

(目を閉じればそこは先進国か。シャワーが冷たいなんて心配は無いのかな…)窓から動き出す外の景色を眺めながら、寂しさと安心感が入り混じったものを感じていた。

 

世界一周中、飛行機に何十回も乗り降りする。その度に、ほんの数時間目を閉じれば、まったく別世界が僕の目の前に広がっている。

(日本で僕がただ過ごす数時間も、同じ数時間なはずなのに)スペインはマドリード。目を覚ますと、季節は夏から冬になっていた。

(昨日まで半袖で歩いていたのに、街はクリスマス。今日はイルミネーションで光る街を歩いている)なんだか上手く頭がついてこなかった。それからは、全速力で駆け巡り、ヨーロッパからアフリカへと周り、中東イスラエルへ。三大宗教の聖地エルサレムを訪れるためだった。

 

迷路のように入り組んだ嘆きの壁に続く道を歩く。手前の路地から、男性二人とまだ幼い男の子が現れた。全身黒の服、ハットを被り、三つ編みの長い髪をのぞかせる。

(な、なんなんだこの人たち !?)それが、ユダヤ教徒だった。

 

この人たちはなんで泣いているんだろう?

彼らの後を追うようにして、「嘆きの壁」にたどり着く。同じような格好をした大勢の人々。ある人は聖書を片手にぶつぶつと何かを唱え、ある人は壁に手をあてて涙を流している。その横で僕は、ただその光景を見つめるだけだった。

(この人たちはなんで泣いているんだろう?)ユダヤ教徒の歴史も何も知らなかった僕だけど、「聖なる場所」ということだけはすぐに感じることができた。壁に触れるなんて、恐れ多くてできなかった。

 

「自分事」の幅を広げて少しずつ、人間の幅を広げていく

素直に、彼らをそして宗教を、もっと理解したいと思った。まったく興味のなかったことも、目の前にすれば、自分事のように感じることができる。こうやって、少しずつ自分事の幅は広がっていく。それが、人間の幅を広げるってことなんだと思う。

中東を抜け、インド→ネパール→タイと、アジアの熱気の中を歩いて、僕の 200 日の世界一周の旅は終わった。

 

当たり前のように過ぎる大学生活じゃ、昨日何をしたのかなんてほとんど覚えていないけど、全力で生き抜いた世界一周の日々は、「200 日間、どこで何をしたか覚えている」そんな旅になった。

お湯のシャワーがありがたいこと。ビビって夜道を歩くこと。物乞いにお金をあげるか迷うこと。
「日本食うめーっ!」と叫ぶこと。
(言葉が通じないってなんて悲しいんだろう)って思えたこと。
(言葉なんて関係ない!気持ちが大切!)とも思えたこと。

 

サハラ砂漠で星空を眺めること。大量のユダヤ人の髪の毛をガラス越しに眺めること。世界中に友達ができること。20 歳の若者が、海外に行こうかどうか「迷えること」自体がどんだけ幸せなんだと知ること。半年かけて歩いた、人生の寄り道。

(この旅に意味はあったんだろうか?)
その答えは、僕の兄が教えてくれた。

 

当時、僕の兄は心の病を抱え、家から出られない日々を送っていた。世界一周に旅立つ1ヵ月前に、僕はその事実を知った。

兄と僕はろくにお互いのことを話す仲ではなかった。正直、戸惑った。僕が世界一周なんてことにチャレンジしたら、兄はもっと自分を追い込んでしまうんじゃないか。

だからと言って、できることなんて見つからない。結局、ろくな会話もしないまま僕は世界一周へと旅立った。

 

「自分のための旅」が「誰かのための旅」へ

日本を出発して数ヵ月後、兄から一通のメールが届いた。「お前の姿を見ていたら、刺激もらったよ!俺も少しずつだけど頑張るわ!ありがとう!」

驚いた。僕が旅に出た理由は、「自分がやりたかったから」それだけだった。だけど、自分のためにした旅は、いつのまにか兄のための、誰かのための旅にもなっていた。

(やりたいと思ったことを本気でやれば、誰かの心を動かしていく、きっかけにだってなれるのか!)

 

1年前の僕じゃ、想像もできなかった未来

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1年前の僕じゃ想像もしなかった未来が僕の前には広がっていた。

今、僕は世界一周仲間と一緒に TABIPPO という団体で、旅に出る一歩や、きっかけを創り出している。僕が見つけた、初めて夢中になれたもの。それは、世界一周そのものだった。

もっとたくさんの人に世界一周に出てほしい。人生を変える選択肢の一つとして、世界一周を選んでほしい。そう思った僕は、大学を卒業して就職もしないで、この団体の運営に力を注いでいる。そして、この冬には遂に、会社として起業する予定だ。

 

はじめの一歩は、小さくてもかまわない

やりたいことも何もなくて、周りの目ばっかり気にして、本気になれるものも見つからない、そこそこの大学生はどこまで変われたんだろうか?

「世界一周して、人生変わった?」正直どっちでも良いけど、僕は変わった。思うのは、人生が変わるか、変わらないかなんて自分次第だってこと。

 

「これができたら人生変えられるんじゃないか?」僕にとっては高いハードルを越えたから、僕は変わった。「世界一周なんて誰にでもできる!」ハードルを越えたから、言えるだけなのかもしれない。
それでも、何でも、とにかく。

(はじめの一歩は、どれだけ小さくてもいい)
(あの2週間の旅がなければ、何も始まっていなかったんだ!)

そう気づかせてくれたのが、世界一周だった。そして、今になってみると、僕が踏み出した小さな一歩は、とてつもなく大きな一歩だったことを知る。

 

「やってみたい」「ワクワクする」「これをした後に見える世界や自分の人生が想像できない」今、そう思っているなら、間違いなく人生は変わる。良い方向に。

 

あっという間の人生なんて、まっぴらだ!

帰国した日、旅立つ時にあれもこれもと不安の分だけ18 キロ詰めたバックパックは、7 キロほどになっていた。荷物が軽くなった分、心も軽くなっていた。

迎えてくれた友人が僕に言った言葉が衝撃的だった。「早かったな! 200 日間あっという間だな!」

 

僕にはその言葉が信じられなかった。日本はとても久しぶりに感じていたし、世界を全力で生きて、旅して過ごした 200 日間はとても長く感じていたのだ。

(そうか…。新しい世界に飛び込み続けないと、人生なんて、あっという間に終わってしまうのか)
(あっという間の人生なんてまっぴらだ!)

 

世界一周に出たい!でも勇気が出せない。そんなあなたへ

いかがでしたか?

今回の世界一周ストーリーを掲載している書籍では、15名の感動ストーリーだけではなく、一緒に本を作成した世界一周者50名のお土産話やアンケート、世界の瞬間PHOTOなど世界一周経験者の想いが詰めこまれています。

「世界一周して人生が変わる?」

これは、あなたが本当に実感できるかどうか分からないかもしれません。ただ、少なからず私たち50名の人生は、世界一周がきっかけで変わりました。

この想いをあなたにも感じて欲しい。そしてこの本をきっかけに、旅に出てくれたらもっと嬉しいです。

 

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