編集部
Asuna エディター

元小学校教諭。大学在学中に「海外ひとり旅」にハマる。現在はTABIPPOの編集部に所属。ほかにも取材・美容・食・コラムライターとして活動しつつ、個人でFamily photographerとして、お宮参り・七五三・前撮りなどを撮影している。週末は夫と旅三昧の日々で、長野〜福島県は庭。東北が大好きで、地方に行きつけの店を作るのが趣味。

及川農園で種類豊富なブルーベリーを食べ放題


つぎに訪れたのは、フルーツトマトやブルーベリーなどを育てる「及川農園」。ここではブルーベリー狩りを体験しました。お世話になったのは、2代目の及川泰介さん。


狩り放題・食べ放題でいただいたブルーベリーは、「ノースランド」「ブルークロップ」「ウエイマウス」と種類も豊富。粒の大きさや、味わいはもちろん、苗木の特徴もそれぞれ異なっていました。


おいしいブルーベリーに小さなお子さんも満遍の笑み!
おいしいブルーベリーを選ぶコツは「1つの木のなかで1番大きい粒を食べること」。

選んだ木のもっとも大きい粒が甘ければ、その木でその大きさの粒はすべて甘いのだそう。酸味と甘味のバランスがちょうど良い、とってもおいしいブルーベリーでした。

下川町を一望!展望台からの絶景を堪能


及川農園を出ると、時刻はもう夕方。連れて行っていただいたのは、下川町を一望できる展望台でした。見渡す限り広がる緑のある風景。精油を抽出したトドマツをはじめとした木々が、整えられて育てられているのがわかります。


遠くの方にはまた若木の森をみることもでき、これが「森づくり」を中心とした持続可能な環境なのだな、と感慨深かったです。下川町の冬は10月〜11月にはじまります。紅葉の美しい秋はあっという間なんですね。

一瞬で過ぎ去る秋が終わると、長い冬が訪れます。しんしんと降り積もる雪をトドマツやアカマツが纏って、雪化粧した下川の景色もまた美しいのだとか。また季節を変えて、冬に下川町に来れたら良いなと感じました。

乾杯音頭は「タノシモ〜!」タノシモカフェで地域交流会


その日の夜は、下川町の町民交流会「タノシモカフェ」に参加。

移住してきた方にとっては気軽に友達を作る場として、地元の方にとっては新しい仲間づくりの場として。そして移住を検討している方や、下川に興味がある方も、町で暮らす方々の雰囲気を知ることができる場として、1ヶ月に1度開催されているのだそう。

1人1品持ち寄りのシステムで、さまざまな家庭の味をみんなでいただく会。時間によって主催者の方が席替えを声かけてくださるので、年齢・性別問わずみんなで楽しむことができます。どの方にお話を伺っても、心地よい距離感で過ごしやすい町だと聞いて、改めて下川町の”懐の深さ”に心温まりました。



わたし自身、自分自身が住んでいる地域の人と交流は、ほぼありません。誰が引っ越してきて、誰が引っ越して行ってしまったなんて、知り合いでない限りわかりません。なにか困ったことがあったときに、誰に助けを求めたら良いのか……そんなことを考えたこともありませんでした。

干渉しすぎずに、必要な時には助け合える環境が好きだと思う人たちが下川町に残っていくからこそ、下川がそんなカラーになっていく……と地域の方がお話しされていました。

「人と関わることが、生きて行く手段のひとつ」

田舎ならではの距離感を、こんなに前向きに表す言葉がほかにあるのでしょうか。誰かの新しい挑戦や日々を見守りながら応援し、何かあったら手を差し伸べる下川町だからこそ、”好き”を極めるみなさんが集まってくるのでしょう。

川の”なか”を歩く!?リバーウォークの先には絶景も!


3日目は、朝からリバーウォークへ。もともと出身は茨城県なのに、幼い頃からの夢”北海道でネイチャーガイドをする”を叶えるべく北海道に移住した、べぇやんさんこと園部 峻久さんに案内していただきます。


地元の川をふらりと散歩するのが趣味で、なかでも下川町付近の川に心惹かれて下川町への移住を決めたのだそう。


今回わたしたちが参加したのは「名寄川水系」の散策ツアー。足元から胸元まですっぽり防水になるチェスト・ハイウェーダーをレンタルし、完全防備で川へ向かいます。太い柱をくぐり、途中の自然を観察し、最後に辿り着いたのは……


なんと滝のある絶景!

勢いのある流れを見て、思わず滝行をする参加者も(笑)
道路からちらっと見える”なんてことない川”でも、歩き進んでいくことでこんな絶景が待っていることがあるんですね。

「好きなものを深めて突き詰めていったら、景色が開けることもあるからね」

べぇやんさんは川についてのお話の中でそう語っていましたが、これも”人生”に通ずるのでは?とひとり感慨にふけってしまいました。


好きなものを極めたその先の景色が開けているとは限らない。でも、進んでみないとわからない。そんな冒険心をいつまでも忘れずにいたいですね。

世界2周経験者のオーナーがつくる、本格「北インドカレー」


最終日のランチに訪れたのは、本格「北インドカレー」をいただくことのできる「レストラン モレーナ」。オーナーは世界2周経験のある、旅人・粟岩英彦さんです。

なぜ日本人が”本格北インドカレー”を作れるのか、それには粟岩さんの世界周遊経験が大きく関係しています。粟岩さんが旅をしているとき、インドで出会った人に特技であるフラメンコギターを教えてあげる代わりに、インドカレーの作り方を教わったのだそう。


イメージよりもサラッとした北インドカレーは、ひき肉がたっぷり。玉ねぎの甘さも加わってあっという間に完食してしまいました。

粟岩さんが執筆された著書「昭和放浪記」と「平成放浪記」
店内に置かれた粟岩さんの旅日記(自由に読むことができます)

粟岩さんは、旅をするときに”西と東を満遍なくめぐる”ことを大切にしているのだそう。

そうすることで、出来事や物事を多面的かつ包括的に広い視野で捉えることができるようになるのだとか。


「その視野をもつことができるから、旅って良い」
「挑戦は何度だってしていいんだよ。”とりあえず飛び込む”って勇気が大切」

世界の見方は、世の中への目の向け方。さまざまな経験や、挑戦する勇気そのものが自分の人生における”糧”となりうることをお話を通して感じました。

未来ってなに?自分の好きってなに?


1日目の夜、五味温泉のお風呂で、同じ参加者であるふたりと「未来ってなんだろうね」なんて話をしていました。そこでまとまったのは、「未来とは?」と聞かれて浮かぶのは”その人が今「足りない」と描いているイメージ”なのではないかということ。

そのとき話していた私を含めた3人は、20代前半・20代中盤・20代後半で年齢もばらばら。

それぞれがイメージする未来は異なるフェーズにいることがわかりました。もちろんこれには年齢だけでなく、その人の人柄も大きく関係してくるとは思います。


しかし、そのなかでも「自分の好き」のベクトルが”自分のみの将来の姿”なのか、”自分自身の働き方や仕事”なのか、はたまた”自分をふくめた家族全体の姿”なのか……など、どこに向かっているのか。

それは、自分とゆっくり向き合う時間があってこそ、考えることができるテーマなのだと感じました。


壮大なテーマのようで、小さな1歩を積み重ねた集合体「未来」。

「好き」を極めた人に会う・関わる下川でのツアーは、わたし自身に「未来」というテーマを考える”余白の時間”を、そして背中を押してくれる”スパイスのある出会い”を与えてくれたように思います。


北海道・下川町。自分の「好き」を見直したい人に、極めたい人に、そして「好き」を極める人と出会いたい人に、ぴったりの町でした。

番外編|今回お世話になったお宿はこちら

五味温泉


1日目に宿泊したのは、天然炭酸泉温泉が気持ち良い「五味温泉」。地域の人からも愛される温泉で、日帰り入浴場としても大人気。部屋は、洋室・和室両方のタイプがあります。


木の温もりを感じる温かい雰囲気で、ゆっくり休むことができました。

結いの森


2日目に宿泊したのは、下川町宿泊研修交流施設でもある「結いの森」。町の中心部に位置しており、しもかわ観光協会の建物からは徒歩1分。朝食の時間には、食堂でおいしい朝ごはんをいただきました。

All photos by Asuna Igari

編集部
Asuna エディター

元小学校教諭。大学在学中に「海外ひとり旅」にハマる。現在はTABIPPOの編集部に所属。ほかにも取材・美容・食・コラムライターとして活動しつつ、個人でFamily photographerとして、お宮参り・七五三・前撮りなどを撮影している。週末は夫と旅三昧の日々で、長野〜福島県は庭。東北が大好きで、地方に行きつけの店を作るのが趣味。

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