ライター

1995年秋田県生まれ・千葉県育ち。日本47都道府県、世界40ヵ国を訪問。新卒で不動産会社に就職し、新卒採用と営業を経験。退職後はワーキングホリデービザでデンマークに1年2ヶ月、ベルリンに6ヶ月滞在し、現在はヘルシンキ在住。"旅するスパイスカレー屋"を世界中で不定期開催しています。

こんにちは、TABIPPO CARAVANメンバーの、しばです!

TABIPPO代表取締役の清水直哉さん(通称:しみなおさん)へのインタビュー記事第二弾!今回は、TBAIPPOのクライアントワークについてお話を伺いました。

「どんなクライアントと仕事をしているのか?」「クライアントワークをするなかで直面した課題と解決策とは?」「『風の人』としてTABIPPOが果たす役割とは?」など、普段は語られない裏話をたっぷりお届けします。

清水直哉
1988年3月群馬生まれ。世界一周のひとり旅など、世界40ヶ国に渡航。新卒で入社したネット広告代理店であるオプトでマネージャーや新規事業立ち上げを経験した後、2014年に26歳で独立。株式会社TABIPPOを創業して以来、メディア/イベント/出版/スクールなどの自社事業を多角展開しながら、”あたらしい旅をつくる”会社として、国内外の地域・観光のプロデュースに携わる。サッカーと漫画、料理とお酒が好き。

創業当初は海外8割!TABIPPOの仕事の変遷

 ー思い出に残っているクライアントワークを教えてください

いやぁ、いっぱいありすぎて選べないんですよねぇ。でもTABIPPOの歴史とともに振り返ってみると、創業当時からしばらくは、海外とのお仕事をメインでやっていましたね。クライアントは海外8割、国内2割くらいでした。

それがコロナをきっかけに国内の仕事が増えて、今は海外と国内がちょうど半分ずつくらいです。

TABIPPOを最近知ってくれた方は「国内の地域の仕事をしている会社だよね」と言ってくれるんですが、昔から知ってくれている方からは「あの海外のイメージが強いTABIPPOが国内の仕事やりだしたぞ」という感じで、びっくりされることが多いです。

清水

 ーではまず、海外とのお仕事について聞かせてください

とくに長く関わらせてもらっているのが、タイ国政府観光庁とハワイ州観光局ですね。10年以上のお付き合いになるので、担当者に会うと「しみなおさんも当時20代半ばだったのに、お互い歳を取りましたねぇ」という思い出話になるくらいです。

清水

 ー海外とのお仕事はどういったきっかけで始まるんでしょうか

知り合いからの紹介が多いですね。ハワイ州観光局とのお仕事も、「こういった課題解決ならTABIPPOが最適だと思う」と知人から紹介してもらいました。

清水

若者から選ばれるタイ旅行、最初の一歩をどう作ったか?

 ータイ国政府観光庁との具体的なお仕事を教えてください

タイは世界中の観光地のなかでも、多くの人が訪れる国です。ただ、とくに学生を中心とした若い世代に「まずは一度訪れてもらうこと」が重要だと考えています。

業界ではファーストタイマーと呼ばれるこの層に、タイの魅力を知ってもらうことが、将来的なリピーターの増加にもつながります。

一度訪れると何度も行きたくなる国で、僕自身もこれまで15回ほど訪れています。

清水

 ーどんな取り組みを行ったのでしょうか

最初のステップとして、僕たちが主催する「BackpackFESTA」というイベントで、タイ国政府観光庁に協賛してもらいました。バンコクやカオサンロードのような定番スポットはよく知られていますが、それだけではないタイの奥深い魅力を学生たちに直接伝えることが目的でした。

清水

 ーまずはイベントで魅力を伝えることからスタートしたんですね

次の大きな展開は、実際に学生たちをタイに連れて行くことでした。2018年3月に、今まで日本で開催していたBackpackFESTAをタイでも企画しました。最初は約100人の学生をタイに連れて行きましたが、その後規模が拡大し、コロナ前には約400人が参加する恒例のイベントへと成長しました。

清水

 ー実際に人を連れて行くとは影響力がすごいですね

そして2024年、新たな挑戦として、初めて開催地をバンコクからチェンマイへと移すことになりました。背景には、オーバーツーリズムやサステナブルツーリズムの流れがあります。

チェンマイはデジタルノマドの聖地としても注目されており、若い大学生だけでなく、世界中のデジタルノマドが集まる場所です。そこで、新しい旅のスタイルを発信できればと考え、大学生とデジタルノマドが交わるイベントとして企画しました。

清水

ありがたいことに、毎年航空会社や現地企業にも協賛していただき、さまざまなアクティビティを組み合わせながら企画を展開しています。

タイには「コミュニティベースドツーリズム」という概念があり、現地のコミュニティと密に関わる旅のスタイルが根付いています。僕たちも、こうしたツアーをプログラムのなかに組み込み、タイならではの旅の魅力を広めています。

清水

ハワイが抱える誤解と、本当の魅力を伝えるためのマラマな取り組み

 ーハワイ州観光局との取り組みについても聞かせてください

面白いことに、世界一周をするような旅慣れた人たちのなかには、ハワイを少し軽視する傾向があるんですよね。最初にハワイ州観光局の方と打ち合わせをしたとき、「正直なところ、ハワイをどう思っていますか?」と聞かれ、僕は「ハワイって若い人が行く場所じゃないですよね」と答えたんです。

すると、ハワイ州観光局のトップであるミツエさんから「それなら、まずは一度ハワイに来て体験してみてください」と言われて。実際に訪れてみたら、すっかりハマってしまい、気づけば10回以上通うようになりました(笑)

清水

 ー実際に行ってみると分かる良さがありますよね

ハワイには「本当に素晴らしい場所なのに、とくに若い世代に誤解されている」という課題がありました。多くの人が持つハワイのイメージは、「ワイキキビーチ、サーフィン、パンケーキ、ショッピング、芸能人のバカンス地、日本語が通じる安心な場所」といったもの。

でも、ハワイ好きの人なら知っていると思いますが、それはほんの一部に過ぎません。ハワイには、豊かな文化や壮大な自然、それを守ろうとする地元の人々の精神性が息づいています。 さらに、「風がいい」「空気がいい」といった、言葉では表しきれない魅力もあるんです。

清水

 ー世界中でも有数のパワースポットとも言われていますね

また、ハワイといえばオアフ島のイメージが強いですが、じつは離島にも素晴らしい魅力が詰まっています。 ジャングルのような景観が広がる場所や、ハワイ島で見られる世界屈指の美しい星空など、知られていない魅力がたくさんある。こうした本当のハワイの姿を、とくに若い世代に伝えていくことが必要だと感じました。

この課題に対して、僕たちはまず、現地でのモニターツアーを開催し、ハワイの魅力を正しく伝播してくれるアンバサダーに来てもらいました。ハワイを単なる観光地としてではなく、もっと深く体験する場所として広めるためです。

清水

写真引用元:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000134.000010950.html

 ―正直、ハワイはすでに認知度が高いので、マーケティングの課題があるとは思いませんでした

たしかに、ハワイはもともとリピーターが多い場所ですが、その分、新しい若い世代のファーストタイマーが減っているという危機感があります。とくにコロナ禍以降、日本から訪れる人が減少しているため、今後どのように若者にアプローチしていくかが重要になっています。

もうひとつの課題は、「ハワイは誰にでも来てほしいわけではない」という点です。ハワイの自然や文化の豊かさを守りながら、持続可能な形で観光を発展させていくことが求められています。

そのため、「マラマハワイ(思いやりの心でハワイを旅しよう)」というブランディングの方向性があり、僕たちTABIPPOもそのメッセージを広める取り組みを行っています。

清水

◆関連特集:美しきハワイを未来に語り継ぐ あたらしい旅、マラマなハワイ旅

ライター

1995年秋田県生まれ・千葉県育ち。日本47都道府県、世界40ヵ国を訪問。新卒で不動産会社に就職し、新卒採用と営業を経験。退職後はワーキングホリデービザでデンマークに1年2ヶ月、ベルリンに6ヶ月滞在し、現在はヘルシンキ在住。"旅するスパイスカレー屋"を世界中で不定期開催しています。

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