接客はしない、お客様はいない美容室を。美容師の仕事の本質はその人のプロデュース。
ブロッコリーのコンセプトは「お客様はいない。接客はしない」。
お客さんと美容師という距離のない、お互いに自然体でいられる空間。髪を切りにきてくれた人には、自宅に友人を招いたときのように出迎え、相手のことを本当に考えた温かいおもてなしをする。マニュアル化された接客ではできない自分たちの思う最高級のおもてなしだ。
俺らの仕事、美容師の仕事の本質は、その人のプロデュース業だと思っている。きれいなボブを切れたり、かっこいいツーブロックを切れたり、素敵なベリーショートにできたり…技術があるのは当たり前。
輪郭とか、髪質とか、顔のつくりとか、体型とか、服装とか。そういうのに似合わせてあげるのも、勉強したらだれでもできるようになる。だからそれもできて当たり前。もっと重要なのは、その髪型を「その人の人生」に似合わせること。どうしたらその人の人生まで変えられるくらいの髪型を提供できるのか。
働いてる姿を想像する。酔っぱらって髪が乱れた瞬間を想像する。一瞬の仕草、性格…ライフスタイルを想像して切る。そうすれば自然と、その人の人生が豊かになるお手伝いできたり、その人の人生に似合った髪型が提供できると思う。
「この人が働いているときこんな顔をしていて、そこでの立場はこうだから、こう見えてほしいな」とか、「飲んでいるときはこんな感じで、酔っ払ったらこうだから、この部分こうしておいてあげたら可愛いだろうな」とか、「この子の彼はこんな人やから、ちょっとここに彼の好きな要素入れとこかな」とか、「この子は完璧すぎて近寄りがたいと思われそうやからここに”すき”つくっておこう」とか。
「せっかく人生捧げて美容師って職業選んでんねんから、だれの人生にも響かへんなんて嫌やん。この子の人生変えたんねん」って思って髪を切っている美容師がいてもいいと思う。そんな美容師に、俺はなりたい。
「手が動かなくなるまで、一生髪を切っていたい」。そう思わせてくれたのは、旅に出たからだと思う。
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今回ご紹介した藤川英樹さんは、美容師として世界各国でたくさんの人の髪を切ってきました。そこでは日本の美容室では気づけなかった、貴重な体験をしたそうです。そこから藤川さんの美容師という職に対する思いが大きく変わりました。
旅では思いもよらないほど素晴らしい体験をすることもあります。その体験を旅が終わっても活かしていきたいですね。
藤川英樹さんのエピソードの続きが気になる方はこちらをチェックしてみてください。