東京には、あらゆる文化が集まっています。そんな東京での文化を絡めた観光、すなわち「カルチャーツーリズム」といえば、これまでは神社やお寺、伝統芸能など歴史の深い文化を知る旅とされてきました。
たしかに、これらも日本の文化の代表ですが、私たちTABIPPO編集部では、今の東京らしい現代文化を取り入れた旅を、新しいカルチャーツーリズムとして提案したいと思います。それは、音楽・ファッション・アート・文学・映画・マンガ・グルメなど、わたしたちの心が今必要な“ときめき”に触れる旅…!!
今回は、そんな旅のテーマにぴったりな、ときめく文化が集まる聖地・下北沢を“ホットなカルチャーツアーの旅先”として紹介します。「下北沢へ行ったことあるよ!」という方でもきっと新たな発見があるはずです。
ガイドしてくれるのは元アンジュルムのメンバーで、現在は人気ガールズグループYouplusで活動する中西香菜さん!
アイドルの彼女が東京のカルチャーに触れる旅で、一体どんなときめきに出会うのでしょうか。下北沢でおすすめのカルチャー紹介と合わせて、ぜひご覧ください。
最新コーデを古着で。人気店でお気に入りの1着を見つけよう
下北沢を語る上で、必ず外せないのが古着屋さん。駅周辺を歩いていると、数多くの古着屋さんが目に入ります。今回は下北沢の中でも、ガーリーでロマンチックな服を多く扱う人気店「Little Trip to Heaven」に寄ることにしました。
「実は私、下北沢のガーリーな古着屋が好きでよく来るんです。このお店も可愛いですね!」と、心を躍らせながら、ヨーロッパ・アメリカからこだわり抜いて集められた服やヴィンテージアクセサリーを見て周る中西さん。
普段はブラウンやベージュ系統のファッションが多いそうですが、「新しいテイストの古着コーデにも挑戦してみたいな」と、おすすめコーデを店長さんに聞きながら、いつものファッションと雰囲気の違うブルーのワンピースにトライ。
コート ¥21,780、ワンピース ¥7,590、ブーツ ¥9,790、ネックレス ¥2,750(すべて税込)
「こういった落ち着いたブルーのお洋服はなかなか着ないから新鮮!大人っぽい印象でいいかも」と新たな自分を発見した様子。
組み合わせ次第で、昔のファッションアイテムがトレンドライクになったりと、自分の印象が一新するのは古着屋だからこその楽しみですね。
近年は再開発が進み、新設の建物が増えている下北沢。そこで行われるイベントやマーケットに、昔からある古着屋が出店することも珍しくありません。昔ながらの下北沢カルチャーと、新しいものを融合したニューカルチャーが広まってきています。
■店名:Little Trip To Heaven
■電話番号:050-3385-7975
■住所:東京都世田谷区北沢2丁目26-19 Hills2
レコード屋で音楽とアートに触れて、感性を磨く
古着のほかに下北沢を象徴するカルチャーといえば、音楽。古くからレコード屋さんやライブハウスが多いこの街では、老舗から新店までさまざまな音楽にまつわるお店があります。
今回お伺いした「RANA-MUSICA RECORD STORE」もそのうちの一つ。今年の7月にオープンした新しいレコード屋さんです。
「このジャケット可愛い!」と、気になったレコードを次々と手にとっていく中西さん。「レコードのアートワークって、どれもこんなにこだわって作られているんですね。ちょうどいいサイズだから、インテリアにしたら部屋がお洒落になりそう」とワクワクしながら、お気に入りの一枚を探します。
ちなみに、中西さんはカラフルなアートワークが気になっている様子でした
サブスクのサービスで音楽を聴くことが主流になってきたからこそ、たまにはアナログなレコードを聴いてみるのもいいかも。下北沢は、ロックはもちろん、クラブミュージックやジャズなど、新旧問わずオールジャンルの音楽が集まる街なので、お気に入りの1曲がきっと見つかります。
■店名:RANA-MUSICA RECORD STORE
■電話番号:03-6450-9931
■住所:東京都世田谷区代沢5丁目28-12 藤田ビル2A
ユニークなお店が立ち並ぶ商店街や路地裏歩きも楽しい
下北沢を歩きながら気になるスポットを探していたところ、「あそこに新しいビルが建ってる!」と歩く度に新たな発見が。
一人でゆっくりと寄りたくなる落ち着いた雰囲気のカフェや本屋、レコードショップもあれば、友達やパートナーと一緒に楽しみたい居酒屋通りなど、さまざまなお店が立ち並んでいます。
中西さんは気になる珈琲専門店を発見
アメリカンなポップさ、ヨーロッパのクラシカルなヴィンテージ感、日本の音楽シーンを代表するバンドハウス独特の雰囲気、ゲームやアニメ・マンガのアイテムが集まるクール・ジャパンなストリート、古き良き赤提灯の飲食街…。
角を曲がる度にさまざまなムードで、全く異なるカルチャーが飛び込んでくるのは、日本の中でも東京ならではですよね。
お店の外観や看板も目立つものが多く、つい写真を撮りたくなるスポットも多数ありました。どんな気分のときも、心を癒したり盛り上げたりしてくれるものがある面白い街です。
下北沢の新しい“まち”。あらゆる文化が混ざるBONUS TRACK
最後にご紹介するのは、2020年に新しくできた施設「BONUS TRACK」。飲食店や物販店、コワーキングスペース、シェアキッチンなどたくさんの施設が並ぶ新しいスペースです。
駅から少しだけ離れた住宅街の中にあるので、ファミリー層から若年層までが集まる下北沢のニュースポットとなっています。
大阪の超人気カレー屋が下北沢に上陸
BONUS TRACKにある飲食店のひとつ、「ADDA」の美味しい香りに惹かれて立ち寄ることに。大阪の超人気カレー屋「ボタ」と「デッカオ」がコラボして下北沢に上陸したお店です。
チキンカレーと本日のカレー、ナスのモージュ(和えもの)、ダル(豆のカレー)などがプレートにまとまった「ADDAプレート」が、この店の定番メニュー。
「超人気カレー屋のコラボだなんて絶対美味しいに決まってる!」と中西さんもワクワクが止まらない様子。
下北沢はカレーの激戦区と言われるほど、カレーのお店が集まっているので、色んなお店に足を運んで食べ比べても楽しそう。
取材時は店内で人気イラストレーターとコラボした展示も開催。カレーと女の子のイラストというちょっと珍しいカルチャーのかけ合わせが存在していました。
■店名:ADDA
■電話番号:070-3155-7178
■住所:東京都世田谷区代田2丁目36-14 BONUS TRACK SOHO 4
毎日イベントも開催するニュースタイルの本屋へ
カルチャーツアーを楽しむなら欠かせないのが、読書タイム! ここ下北沢には、本とともにドリンクも販売している人気店「本屋B&B」があります。
文学や評論・実用書以外にもアート・グルメ・トラベル・絵本… さまざまなジャンルの本がユニークな配置で置かれており、どの棚を見ても興味がそそられます。
「一日中このお店にいたい」と夢中で読み込む中西さん。最近自宅で新しいメニューの料理に挑戦するのにハマっているそうで、レシピ本コーナーを物色したり、絵本を見たり、世界中のおやつやお土産が集まった“ときめく一冊”を見つけていました。
スタッフさんたちが自ら店頭に並べる本をセレクトしているので、通常の本屋さんとは並びが違ったり、なかなか手に入らない本を見つけることもできます。
また、著者イベントも開催しているので、ただ本を買うだけで終わらない楽しみ方が可能です。
■店名:本屋B&B
■電話番号:03-6450-8272
■住所:東京都世田谷区代田2丁目36-15 BONUS TRACK 2F
新しいカルチャーに触れて、新しい自分に出会う
このほかBONUS TRACKには、まだまだ面白いテーマのお店が集まっています。
お粥とお酒が楽しめる「ANDONシモキタ」
店内にはユニークなこたつ席まで登場◎
日記とコーヒーを提供する「日記屋 月日」
魯肉飯専門スタンド「大浪漫商店」
ちょっとマニアックなカルチャーにフォーカスしたお店が軒を並べており、いつ訪れても心躍ること間違いなしです。
【特別インタビュー】
古着も映画も旅も大好き!中西香菜を構成するカルチャーたち
今回一緒にカルチャーツアーを巡ってくれた中西さんに下北沢への愛や、彼女に影響を与えたカルチャー、これから行きたい旅先などを伺いました。
ーー中西さんは下北沢がお好きとのことですが、いつからなんですか?
下北沢に最初に来たのは上京してから1年経った頃だったので、9年前くらいですね。姉と一緒に来たのですが、古着屋さんやカフェもたくさんあって、楽しすぎて一目惚れしました。それから頻繁に遊びに来る大好きな街になったんです。
ーーそんな大好きな下北沢を巡ってみていかがでしたか?
下北沢は大好きな街なので、今日の撮影はすごく楽しみにしてました!古着屋さんもよく行くお店だったし、お仕事というより休日を過ごしているようで、すごく楽しかったです。印象的だったのは、BONUS TRACK。下北沢はよく来ますが、BONUS TRACKをゆっくり周ったのは初めてでした。
下北沢は商店街をはじめとした昔ながらの良さもあると思うんですけど、こうして新しいものができることで、下北沢を好きな人が増えたら嬉しいです。昔からある文化と新しい文化が混ざり合う街って他にないんじゃないかなと思います。今日下北沢を周って、改めて楽しい街だなって感じました。
ーー下北沢はどんな方におすすめしたいですか?
下北沢は一点もののお洋服がたくさんあって気軽に買えるから、おしゃれしたい子や新しいファッションに挑戦してみたい方にぜひ来てほしいですね。下北沢って自分の好きなものが絶対どこかしらにあるから、気になったものを着てみたら「私ってこういうのが好きなんだ」と新しい自分に気づくきっかけになると思います。
ーー今の活動に繋がっている下北沢カルチャーは?
今アクセサリーショップを運営しているんですけど、そのきっかけになったのも下北沢なんです。下北沢ってハンドメイドのアクセサリー屋さんが多くて、私も作ってみたいと思ったんです。あとはInstagramに載せている写真も下北沢ばかりです(笑)。
ーーほかに好きな街や、これから行きたい街はありますか?
高円寺や吉祥寺も大好きです。高円寺の古着屋さんやカフェに行ったり、井の頭公園でリスを手に乗せたり(笑)。浅草も好きですし、ちょっと下町っぽいところが好きですね。これから行ってみたいのは、二子玉川。撮影で行ったときは滞在時間1時間とかだったので、ゆっくり周っておしゃれなカフェとかに行きたいです。
ーー今回のツアーで、東京観光のイメージに影響はありましたか?
そうですね。10年間東京に住んでいても、こうやってテーマを決めて周ると「未だ知らない東京」にまだまだ出会えて楽しかったです。毎度新鮮な気持ちがします。流行の最先端から伝統的なカルチャーまで、変わりゆくもの、変わらないものをどちらも味わえるのが東京観光の醍醐味だし、そこが素敵だなと改めて思いました。
ちなみに、私は14歳の頃から東京に上京したのですが、この土地のおかげで価値観がかなり変わったと思います。なので、10代~20代のみなさんへ東京観光をおすすめしたいですね。若いうちに色んなものを見て吸収するのがいいと思います。
ーー 今回は「カルチャーツアー」がテーマでしたが、音楽・映画・ドラマ・本・アニメなどさまざまなカルチャーの中で、中西さんの活動に影響を与えているものはなんですか?
どれも大好きなんですけど、なかでも映画が大好きです。13歳で親元を離れているので映画に育てられたような部分もあって。私に1番影響を与えた作品は『グラン・トリノ』ですね。人にはやさしくしようとか、こういうことしたらこう思われちゃうんだっていうような、生きるにあたって大事なことを教えてもらった作品です。
ーー最後に今後の目標を教えてください。
Youplusの活動をもっと色んな人に知ってもらえたら嬉しいなと思います。音楽のなかで今1番好きなのがYouplusの曲って言えるくらい素敵な曲ばかりなので、たくさんの人に聴いてもらいたいです。あとは今回初めて旅系のお仕事に携わらせてもらってすごく楽しかったので、またできたらいいなと思います!
「東京カルチャーツアー」で新たな発見を
古着やレコードなど、古くからあるカルチャーを残しつつ、どんどん新しいものも取り入れている下北沢。まだ下北沢に行ったことがない方はもちろん、下北沢には行ったことがあるという方も、足を運んでみると新たな発見があるはず。
下北沢にはよく遊びに来ているという中西さんも、「今日は本当に楽しかったし、下北沢の知らないところも知ることができてよかったです」と大満足してくれました。みなさんも旅のテーマを考える際には、今回の記事でご紹介した東京カルチャーツアーを、ぜひ参考にしてみてくださいね!