「漁港の駅 TOTOCO小田原」の取り組み
Photo by Mayumi
ところ変わって、ここは小田原。小田原市民約19万人の食卓を支えるのは小田原の台所・小田原漁港です。
年間約3,000トンの水揚げ量を誇る小田原漁港もまた、同じ課題に直面する漁港のひとつ。日によっては、一日の水揚げ量のうち約数十キロが未利用魚や低利用魚だそうです。
世界的なフードロス削減に貢献し、かつ漁師さんの活動を支援すべく、ここでも新たな取り組みがはじまっています。
Photo by Mayumi
小田原漁港に隣接し、漁港・魚市場から直送される新鮮な海の幸が自慢の「漁港の駅 TOTOCO小田原」。年間約130万人以上が訪れる大人気の「魚のテーマパーク」では2023年7月7日より、未利用・低利用魚を有効活用した新メニュー「なめろう頂上丼(税込1,000円)」が提供されています。
今回は、すでに連日売り切れ御免で注目を集める「なめろう頂上丼」を実食してきました。
規格外とは思えない!思わずうなる、絶品「なめろう頂上丼」
Photo by Mayumi
小田原漁港で水揚げされる未利用魚・低利用魚のうち、最大5種類ほどを組み合わせ、香味野菜や薬味とともに粘り気が出るまで細かく叩いた「なめろう」スタイルで提供される「なめろう頂上丼」。
高さ約20㎝とうず高く盛られたなめろうに、海の宝石・いくらを贅沢にトッピング。その豪快なビジュアルもさることながら、薬味には小田原の老舗・加藤兵太郎商店の「いいちみそ」(白みそ)を使用、食感のアクセントに小田原産「下中たまねぎ」ときゅうりを加えるなど、地産地消にもこだわった逸品となっています。
ちなみに、小田原漁港では一例として、シイラ、タカノハダイ、小ムツ、ワニゴチ、タマガシラ、小アジ、ウルメイワシ、その他一般に高級魚とされるホウボウやオオモンハタ、ソコイトヨリなども傷がついているなどの理由で未利用魚・低利用魚として扱われることが多いそうです。
未利用魚・低利用魚は日によって水揚げ量や種類も異なり、常に安定的に供給されるものではないため、「なめろう頂上丼」は、現在一日あたりの提供量が限られています。
Photo by Mayumi
ここでは、「なめろう頂上丼」を味わい尽くす3つの食べ技ステップが推奨されています。
まずは、スタンダードにわさびと「さしみ専用醤油」、次に胡麻の風味が豊かな自慢の「濃厚 旨胡麻だれ」でお口直し、そして最後に一口分ほど残したなめろうとごはんに熱々のコラーゲン入り特製濃厚魚介出汁を注いで「だし茶漬け」にしていただくというもの。
さらに、セットでついてくる海苔で手巻きにもできるなど、何通りもの味わい方が楽しめるのも魅力です。
Photo by Mayumi
未利用魚・低利用魚を使ったなめろうは、確かに食感として、小骨のコリコリや独特の弾力が感じられることも多少ありましたが、総じて、まさかこれが普段捨てられていた魚とは思えない極上の味でした。
最後の〆のだし茶漬けまで、文句のつけようのない逸品。これで1,000円はかなりお得です。
「なめろう頂上丼」がいただけるのは「とと丸食堂」
Photo by Mayumi
「なめろう頂上丼」を提供するのは、「漁港の駅 TOTOCO小田原」の2階にある「とと丸食堂」。
小田原漁港・魚市場直送の強みを生かし、鮮度抜群でネタも豊富な小田原ならではの海鮮グルメが味わえる食堂です。何より異彩を放っているのが、そのネタの大きさとデカ盛り丼の数々。海鮮好きを奮い立たせますね。
Photo by Mayumi
筆者が訪れたのは、ある平日のお昼過ぎ。時間は13時前後でした。平日なのにこの行列……!注文まで30分ほど並びました。
Photo by Mayumi
店内は比較的広々としていますが、お昼時は基本的に満席状態。係の人が順番に誘導してくれますが、テラス席への移動も可能です。心地よい潮風を感じながら極上の海鮮丼に舌鼓を打つ、じつに贅沢なひとときです。
小田原名物は蒲鉾だけじゃない!品数豊富な物産コーナー
Photo by Mayumi
「漁港の駅 TOTOCO小田原」の1階は小田原が誇る「地場物産販売コーナー」。さすがは“漁港の駅”、その一角には、小田原市漁協による市場直送の旬の鮮魚や活魚、地魚の干物やお寿司・お惣菜など、水産加工品の品数が豊富です。
Photo by Mayumi
海産物のコーナーには、未利用魚・低利用魚を活用した「港の飯どろぼう 地魚なめろう」が商品化されています。
ご飯のおかずやお酒のアテになると好評だとか。ぜひ探してみてくださいね。
Photo by Mayumi
小田原はお魚だけではなく、スイーツも頑張っています。
こちらは、小田原駅で一番人気の「小田原漁港プリン」。季節ごとにテーマが異なり、2023年夏のテーマ「花火」にふさわしい、華やかでかわいらしいプリンが夏季限定で登場しています。
“小田原といえば蒲鉾”というイメージを覆す、圧倒的な品揃えです。ぜひ、「これは!」と思う小田原の逸品を探してみてください。
フードロス削減に貢献!普段の食事に規格外食品を
同じお金を出すならきれいな見た目がいい、扱いやすい方ほうがいい、などとつい正規品に手を伸ばしがちですが、未利用魚・低利用魚をはじめ、いわゆる世の中の“規格外”の食品というのは、見た目の不格好さを気にしなかったり、調理にひと手間かけたりするだけでおいしくいただけることがほとんど。味や質、食の安全性には何ら問題ありません。
ぜひ普段の生活でも、外食をするとき、あるいはスーパーなどでお買い物をするときに、ちょっと“規格外”を意識して、おいしく楽しく気持ちよく、フードロス削減やサステナブルに貢献してみませんか?
・名称:漁港の駅 TOTOCO小田原
・住所:神奈川県小田原市早川1番地の28 小田原漁港交流促進施設
・地図:
・アクセス:JR東海道本線「早川駅」から徒歩約10分、西湘バイパス早川ICから2分/小田原厚木道路小田原西ICから約4分
・営業時間:(1階)9:00~17:00、(2階)10:00~17:00(L.O.16:00)、(3階)10:59~17:00(L.O.16:00) ※季節によって変更になる可能性あり
・電話番号:0465-20-6336
・公式サイトURL:https://www.totoco-odawara.com/