ライター
帆志 麻彩 旅と暮らしの文筆家

小学5年生のときにオランダでみた運河の光が忘れられず、旅が人生の大きな軸となりました。これまで、旅メディアの編集、企業広告コピーや雑誌取材記事、ガイドブック制作などを担当し、2019年からは〈サステイナブル〉をテーマに活動。その他、詩の創作や旅の貼り絵など、好きなことをしながらゆるりふわりと過ごしています。好きな言葉はモンテーニュの「自分は自分のものである」で、憧れの人はターシャ・テューダー。著書に『本能のデザイン』(実業之日本社)。

自然や文化を感じられる場所に出かける

photo by hoshi maaya
現地についたらどこに行こうかな〜と考えるとき、みなさんはどのように行き先選んでいますか?「インスタで見つけたここに行ってみたい!」「このお店でショッピングしたい!」それも楽しい選択肢ですが、スケジュールの中に1日だけでも『その土地の自然や文化を感じられる場所』を訪れてみてください。

もっと言うと、歴史ある建造物や国立公園など「収益の一部がその建物の修復や、自然保護に役立てられている場所」を選んでみてほしいのです。国よっても様々ですが、こういった場所を積極的に訪れることで、その場所を守るお手伝いができます。

蚤の市などでお土産を探してみる

photo by hoshi maaya
旅先では、その土地の市場に行くこともおすすめです。大量生産大量消費が当たり前のようになっている現代ですが、「買う→いらなくなったら捨てる」という発想を変えて、市場などで売られている物の中からお気に入りを持ち帰って大切に使う。いらなくなったらフリマやリサイクルに出す。そうして物を捨てずに循環させるという意識を持つことがとても大切です。

また、お土産屋さんに行ってよく確認すると「made in 別の国」のものが多かったりもするので、お土産選びをするときはなるべくその土地で作られたものを探して買うようにしましょう。

両親がフィンランドを訪れた際に「これね、現地のおばあちゃんの手作りなの」と言って、市場でみつけたトートバッグをお土産に買ってきてくれました。その小さな町のおばあちゃんが手作りしている姿を想像すると、不思議と温もりが感じられて、使うたびにほっこりと幸せな気持ちにしてくれます。

大量生産された商品を買うより、物語と一緒に持ち帰ることができるお土産の方がきっと心に残り続けるはず。現地の人も、選ぶ私たちも、渡す相手も幸せになれるお土産を選びましょう。

旅先の歴史や文化、現地の人たちへ敬意を払う

photo by hoshi maaya
最後は旅の基本中の基本、「マナー」についてです。旅をするときには、その場所で生活している人たちがいることを忘れないようにしなければいけません。観光客が訪れることで潤いが生まれることは確かですが、それでも「マナーが悪いからもうこないでほしい…」と思われるような結果になってしまったら悲しいですよね。

以前、観光スポットをまわるたびにゴミが溢れかえっているような光景を目にしたことがあります。別の場所でも、観光地の目の前の民家(庭)に勝手に入って自撮りをしている人たちがいたり、旅人のマナー違反のせいで泣く泣く切り落とされてしまった木があったり…。もっと思いやりの気持ちを持って行動すればそんなことにはならないのに…となんだかやるせない気持ちになってしまいます。

人に対してだけではなく、歴史や文化、自然に対しても敬意を払うことはとても重要です。どんなときでもお互いのことを思いやり相手に優しく接すること、それが私たち旅人にできる『旅で世界を、もっと素敵に。』の一歩だと思うのです。

大切なのは小さな一歩

photo by hoshi maaya
「サステイナブルな旅」の選択はお金がかかる、という意見を目にしたことがあります。確かに、エコフレンドリーな宿泊施設は安くないかもしれないし、ローカルな工芸品などのお土産は他と比べて高いかもしれません。

ですが、もしかしたらそう言っている人の中には「旅先でおしゃれしたいから新しい服を何着か新調しよう」とたくさん買い物をしているかもしれない。それも旅の楽しみのひとつですが、どうせなら現地の古着屋さんや市場で買ってみるとか、考え方次第でサステイナブルな選択肢に変える方法はたくさんあると思います。

『サステイナブル=持続可能性』という言葉だけを見て難しく考えることはありません。大切なのは表面上の言葉ではなく「一人一人が良いと思う選択を積み重ねていく」こと。あなたにとって「良いと思う選択」はなんですか?

ライター
帆志 麻彩 旅と暮らしの文筆家

小学5年生のときにオランダでみた運河の光が忘れられず、旅が人生の大きな軸となりました。これまで、旅メディアの編集、企業広告コピーや雑誌取材記事、ガイドブック制作などを担当し、2019年からは〈サステイナブル〉をテーマに活動。その他、詩の創作や旅の貼り絵など、好きなことをしながらゆるりふわりと過ごしています。好きな言葉はモンテーニュの「自分は自分のものである」で、憧れの人はターシャ・テューダー。著書に『本能のデザイン』(実業之日本社)。

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