アトラス山脈の絶景を大満喫！モロッコ・ラバでベルベル人の集落を巡る旅へ

絶景タジンランチとミントティーでリフレッシュ

このホテルの目玉である屋上テラスには、いつでも自由に出入りでき、食事やミントティーを楽しめます。標高1700メートルから眺めるアトラス山脈の景色は”さすが”のひと言。私たち家族一番のお気に入りの場所となり、滞在中何度通ったことか。

屋上に上がると、スタッフの方がにこやかにミントティーを持ってきてくれたり、日よけ用にベルベル帽子をかぶせてくれたりと、まさに至れり尽くせり。

ランチ（1人あたり15ユーロで、前菜・メイン・パン・デザート付きのコース料理）はこちらの食事エリアで提供されます。メインはタジン料理かクスクスから選びます。食材のロスをなくすため、チョイスはこれだけ。

また、リゾートホテルでありがちな、外国人シェフを雇うことはせず、地元の料理人を育成・雇用するシステムを取っているそう。地域還元・サステイナブルの思想が素晴らしいなと、いたるところで感じました。

こちらは鶏肉のクスクス。地元産の野菜が驚くほど甘く濃厚な味で、間違いなくモロッコ滞在でナンバーワンのクスクスでした。

アトラス山脈の絶景と開放感の中でいただくランチは、それだけで極上の体験となりました。宿泊客以外でもランチを食べられるので、日帰りでもこのテラスとランチを目当てに行く価値ありです。

ラバに乗って、絶景ハイキング

こちらのホテルを拠点に、ガイドつきアトラス山脈ハイキングや本格的な登山も行われています。事前に申し込みもできますし、到着後フロントデスクで申し込むこともできます。

私たちは小さい子ども連れでもできる、ラバに乗ってのハイキングを体験しました。

ホテル周辺をまわるだけの簡単なものを想像していたのですが、2～3時間かけて広大な渓谷を一周させてくれました。

かなり急な坂や、崖っぷちもあり、道中には滝も。美しい景色のオンパレードです！

一緒に歩いて案内してくれたベルベル人のお父さんの体力にも感嘆です。娘たちが大丈夫かいつも気にかけてくれたり、休憩をしてくれたりと、いつもニコニコ笑顔のお父さんたちとの時間も素敵な思い出になりました。

途中にはいくつかのベルベル人集落を通過します。アトラス山脈に自然と馴染む、石造りの家々を遠くから眺めるのも、集落の中を通りすぎるのも、また素敵な体験でした。

集落にはお土産屋さんや小さなレストランなども。気になるお店があれば、途中で声をかけておろしてもらいましょう。同じお土産を買うなら、マラケシュではなくぜひアトラス山脈で購入してみてはいかがでしょうか。利益がそのままベルベル人家族に渡り、地域社会への還元になります。

ラバハイキングの料金は案内してくれたお父さんたちに直接支払います。金額は日本円で1人1,500円ほどと、この時間と内容で驚きの価格。

ちなみにベルベル人の方はとても優しく、いろいろな場面で手助けや気持ちのいいおもてなしをしてくれますが、他の観光地のようにチップを請求されたことは一度もありませんでした。ニコッと笑って、さっと立ち去っていきます。深刻な貧困問題があるにもかかわらずです。

気持ちのいいサービスや助けをしてくれた際には、ぜひこちらからチップを渡すことを心がけたいものです。

ベルベルインテリアに囲まれて、最上ディナー

夜はリビングルームで夕食が提供されます。一人20ユーロでベルベル風コース料理が楽しめます。

夜は照明が落とされ、暖炉の火と居心地のいいソファで、まるでベルベル人家庭を訪れたかのようなリラックス感。

たっぷりのスープや自家製パンは、少なくなるとおかわりを聞きに来てくれます。食事中も終始こまやかな気配りをしてくれ、あたたかいおもてなしで心もポカポカ。この地方独特の陶器の食器類も素敵でした。

自家製パンはベルベル人のおばあちゃんが昔ながらの石窯で焼いているそう。ふわふわしっとりのパンと自家製バターの相性が抜群で、食べる手が止まらないほど。このバター、自分史上一番おいしいバターでした。

メインで選んだ鶏肉のタジンは、モロッコ名産のオリーブがたっぷり。一緒にレモンも煮込まれていて、お肉がとっても柔らかくジューシーでした。

たいてい旅行中は、外食が続いて胃腸が疲れることが多いのですが、モロッコ旅行中には一度もそれを感じませんでした。野菜がたっぷりとれるタジン料理は、身体にも優しいのです。

アトラス山脈で唯一無二の体験を

「マラケシュから、日本人観光客はみんなサハラ砂漠へ行ってしまう。アトラス山脈にも来てほしいのに」

これは、アトラス山脈のベルベル人の方々と話している中で何度も聞いた言葉。モロッコ旅行に行く際には、ぜひ目的地にアトラス山脈を組み込んでみてはいかがでしょうか。心震える絶景と唯一無二の体験、あたたかいおもてなしがあなたを待っていますよ。

All photos by Yu Villegas