ハワイ・バリ島・ベトナム…なぜビーチリゾートが好きなのか。その理由を考えた

私はビーチリゾートが好きだ。特にハワイが好きで、食事や街並みなどの目に見えるものから、風や香りなどの見えないものまで、全部含めていいなと思っている。

誰にでも好きな場所や好きな国、好きなカフェや好きな席があるのではないだろうか。

好きな場所はどこなのかを考えたことはあっても、「なぜ好きなのか」を考えたことは？

その好きな理由に対して「なぜそう思うのか」と問いを重ねたことは？

「なぜか好き」でまとめていたことを少し丁寧に考えてみたら、自分が求めていることが見えてきた。

ハワイの朝で気づく、好きな理由は「暖かい」こと

朝から登ったハワイのココヘッド
ビーチリゾートが大好き。その大きな理由は「暖かい」こと。

大きなタイトルをつけておきながら、私自身の答えはこんなに簡単なものだった。寒いと身動きが取れなくなる性格だが、暖かいだけでアクティブになる。

大好きなハワイでは、太陽とともに起きてほぼ毎日朝食のために出かける。日本では億劫な着替えや身支度も、ビーチリゾートにいるときはなぜか気分が踊り、短時間で外に出られる。

ハワイの朝食といえばアサイーボウル。ホノルルコーヒーは、大きくて朝からおなかいっぱいになる。
朝食のバリエーションが多く、朝早くから開いているお店が多いのは、ハワイの特徴のひとつ。

アサイーボウル、エッグベネディクト、パンケーキやスムージーなど、ヘルシーなものからしっかりめの食事まで、色鮮やかかつ種類豊富に揃っている。

国内旅行では、旅館やホテルの朝食が楽しみのひとつだが、ハワイに限っては朝食なしでも問題ない。毎日あれも食べなきゃ、ここも行かなきゃと大忙しになるからだ。

暖かくてアクティブになる。朝早くから活動できるから、一日の充実度が増す。そんなところが大好きだ。

ダナンやバリで感じた、スイッチをオフにする感覚

ダナンは朝から暑すぎるので、カフェでぼーっとして過ごした
ベトナム中部のビーチリゾートで有名なダナンで過ごしていた時のこと。頭のスイッチがオフになっている感覚があって、とても心地よかった。

ダナンの砂浜沿いに立つおしゃれなカフェバーで、扉のないオープンエアな店内には海からの暖かい風が入ってくる。

風を感じながら、白い砂浜と青い空と海の方を見ていると、ぼーっとした気分になり、ついさっきまで何を考えていたか忘れてしまう。（暑さにやられていたのかもしれないけれど、）細かいことは「まあいいか」と思えてくる。

日々の生活では、仕事や情報に追われる感覚になることもある。日本、とくに東京の街は情報が多い。

一方、訪れたカフェ「Lounge Beach bar & Restaurant」といったら、視線の先には砂と海と空。物理的にも視界に入る情報が少なく、何も考えていない時間 ＝ スイッチをオフにする感覚を味わうことができた。

スイッチをオフにしたいときは気が済むまでオフにして、その後はすっきりした気持ちのまま、自分のちょうどいいペースで過ごす。そんなビーチリゾートでの過ごし方が私のお気に入り。

バリ島のホテルでは、プールとベッドを往復して過ごす
バリ島のホテルでワーケーションをしていたときも、まずはオフに。

ゆっくり寝たり、気が済むまで読書をして、人のペースではなく自分のペースを取り戻す。暖かいビーチリゾートでスイッチをオフにした後の自分は、強い軸を持った感覚になれる。

こんな感覚と行動を繰り返しているから、良かった時の感覚を求めて、いつもビーチリゾートに行きたい気持ちなのかもしれない。

移住者に教えてもらう、四季の重要性

一面に溶岩石が広がるハワイ島。四季や視界の変化は重要なのかもしれない
日本からハワイに移住されたツアーガイドの方とお話ししていた時、「ハワイ移住ってすごくいいですね！」と、心の底から思っていた感想を伝えたことがある。

「まあ、いいこともあるけどさ……」という言葉の後に、思ってもみなかったことを教えてくれた。

考えたこともなかったけれど、言われてみると腑に落ちすぎて、その場ではすぐに言葉が出なかったことを覚えている。

季節や、そこに付随する花や食材などから私たちは日々、四季を感じていて、それをきっかけにメリハリをつけながら生きている。四季は、人間に「切り替える」ということを教えてくれている。

寒い冬には暖かいところへ。暑すぎる夏にもほどよく暖かいところへ移動したくなる私は、知らぬ間に四季や温度を使って切り替えようとしていたのかもしれない、と思った。

情報に溢れて落ち着かなくなってきたときほど、ひとつ区切りをつけたり、リセットやオフするためにビーチリゾートに行きたいと感じていたことに気がついた。

好きな場所の、好きな理由を考える

単純に「暖かいからビーチリゾートが好き」と思っていたけれど、もう少し踏み込んでみると、切り替えたい・止まりたい・軸を持ちたいなど、自分の気持ちと向き合うために、暖かい場所を選んでいたのかもしれないと気がついた。

この要領でいくと、もしかしたらフィンランドやスイスなど、時間がゆったり流れる北欧なんかも、行ったことがないだけではまるのかも、と思ったり。

その場所を好きな理由を言語化したり、好きな場所の共通点をあげて抽象化してみたり。そんな独特な楽しみ方をすると、新しい自分の気持ちに気がつけるかもしれないし、新しく好きになれる旅先が見つかることもあるかも。

少し回りくどいけど、ぜひ一度、こんな旅の楽しみ方も試してみてほしい。

All photos by Miyamoto Hazuki