アフリカ大陸の南にあるエスワティニというとても小さい国では、処女の女の子たちが国中から集まって上半身裸で踊る祭り「リードダンス」が毎年開催されることで有名です。そして、国王がそのお祭りに出ている女の子の中から、お妃様を選ぶという噂まであるんです……。
「王様のために女の子たちが裸で踊るなんて、すごいお祭りだ！」と思った私は、ダンスを現地で見たくなり、行ってきました。
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元スワジランド、エスワティニについて
エスワティニは、南アフリカの東にあるとても小さい国です。もともとはスワジランドという国名でしたが、2018年4月に名称がエスワティニに変わりました。
エスワティニは南アフリカとモザンビークに接しており、首都はムババーネです。現在の国王はムスワティ3世。国民にとても尊敬され、いたるところに国王の写真が掲げてあります。国王と同様に、国王のお母様も尊敬されているので、このように国王の写真の横には必ずお母様の写真も掲げてあります。
photo by satochan
エスワティニには大統領もいますが、国王の決定権が強い絶対王政。エスワティニは国としてとても貧しく、エイズの発症率も人口の40%と高く、経済状況もよくありません。それなのに国王はお妃様がすでに15人もいて、それぞれ宮殿を持っているという贅沢ぶり。援助をしている側の欧米社会からは、よく批判されています。
尊敬されたり批判されたりといろいろありますが、リードダンスはそんな国王を一般人や観光客を見ることができる貴重なイベントです。
リードダンスは7日間も続くイベント
リードダンスは7日間のお祭りです。毎日踊っているわけではなく、さまざまなイベントをこなし、実際に踊るのは6日目と7日目のみ。
まず、1日目に全国から女の子たちが、ロバンバという村にある王家の敷地である会場に到着します。イベントの間、女の子たちは王家の敷地の周りでキャンプをしながらイベントに参加をします。
2日目〜4日目のイベントを経て、5日目に重要なイベント、リードと呼ばれる長い葦を川に取りに行き、会場に戻ります。
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6日目には、王宮内にある国王のお母様の宮殿に向かい、5日目に取ってきたリードを捧げます。こちらはリードを捧げる前の女の子たち。待機中ですが、外国人を見ると無邪気に「ハロー！」と叫んできてとても可愛らしい。
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リードを捧げ終わったら、王宮内にあるスタジアムに向かい、村ごとにダンスをします。7日目もダンスをし、お祭りは終了となります。
スタジアムで行われるダンス
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会場はスタジアムになっているので、外国人観光客も席に座って見学ができます。まずは女の子たちが入場し、スタンバイ。かなりの人数がいるので、入場するだけで2時間ぐらいはかかります。そして、しばらくしたら国王の登場です。
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伝統的な民族衣装をまとって、たくさんのお付きの男性たちに囲まれて入場してきた、真ん中の人物が国王。一人だけ豪華な杖を手に上げてるのですぐにわかります。
訪れた年は国王が50歳になる年、さらにエスワティニ建国50周年ということで、お祭りはさらに記念ムードで盛り上がっていました。
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ダンスはここからスタートに。各村からの女の子たちが並んでフォーメーションダンスをしたり、カジュアルに踊ったりし、国王の前でとびっきりのダンスを披露します。
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国王の席の前では元気に踊り、国王にいっぱいアピールをします。しかし、通り過ぎるとちょっと気が抜けるのか、ダンスが雑になり、スタジアム席に家族を見つけては手を振ったりしていました。
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一人、とびっきり雰囲気の違う子がいました。この方は今の国王の娘、つまりプリンセスです。最後にはバク転を行い、翌日のニュースになっていました。どおりで他の子たちと輝きが違うなと思いましたが、家柄や育ちみたいなのもあるのでしょう。
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全員が踊り終わったあと、女の子たちは整列します。
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すると、国王が席から出てきて、整列した女の子たちの前をぐるっと一周します。全員に対し、踊ったことへのご褒美と賛辞みたいなものだそう。
ここでみんなキャーキャー騒ぎ、一番の盛り上がりをみせます。尊敬する国王が自分たちの前に来て褒めてくれるのだから、女の子たちはとてもうれしそう。7日間に及ぶイベントはこれで終了です。
