実際に住んでみてわかったこと
ぼく自身もこのようなネット経由の情報などでジョージアを知り移住した身ですが、事前に知っていたことに二面性があったり、住んでみて初めてわかったことなどが多々ありましたのでここに記します。
単身の外食は高くつく
ぼくは単身の生活者なのですが、外食に出ると料理一品の量がとても多くて困ります。ジョージア料理を代表するヒンカリは最低注文数があることにより、全くおひとりさま向きではありません。
残せばいいだけなのですが、残飯 is 悪の国で育ったため後ろめたさが毎度すさまじいです。
頑張って完食したら食べ過ぎで体調が悪くなるので、食事本来の目的である「生存活動」がマイナスに働いてなんのために食べているかわからなくなります。物価が安いといえど、1人で食べきれないボリュームで一品が提供されるので、2,3人分のお会計になり、それほど安さはありません。
環境要因で半ば強制的に自炊生活を強いられるので、そうなると逆に驚くほど食費が安価になります。ぼくの場合1日の食費が300円以下です。
日本の調味料を発見するとヒーローになれる
ジョージアは食材が豊かであるにも関わらず、キッコーマンの醤油くらいしか日本ブランドの調味料がありません。見たことのないパッケージの味噌なんかはありますが、基本的に中華系の調味料で似たものを探す感じになります。
なんせパッケージがあちらこちらの国の言語で書かれていたり、同じ名前のスーパーでも店舗によって品揃えが異なるので、クリティカルな調味料を発見してTwitterに投稿すると日本人コミュニティでヒーローになれます。
関東と大差なく、暮らしやすい気候
ジョージアは日本の関東あたりと気候がそっくりです。よく雪山の写真がジョージアの観光パッケージとして用いられるので雪国のような印象を抱かれてることが多いように感じますが、それは要するに長野県や秋田県のような景観です。
日本人が住む割合として多い首都トビリシの年間気温は東京とほぼ同じくらいです。
外仕事でもなければ屋外に長時間いることもほとんど無く、家から駅まで徒歩15分ほどならタクシーで100円だったりするので外気に触れない生活もできます。
夏は黒海に接する西部の都市バトゥミでリゾートを満喫し、冬は北部の高地グダウリでウィンタースポーツを楽しむなど、四季のアクティビティも堪能できるので飽きがありません。
肌感覚では東京より治安がいい
グローバルファイナンスランキングによる国の安全性ランキングでは、ジョージアは49位の成績です。ちなみに日本は43位であり、自然災害によって大きく順位を落としているものとみられます。
ジョージアにはアブハジア自治共和国と南オセチア自治州の2つ少数民族地域があり、記事作成現在は日本外務省から危険度レベル3の渡航中止勧告が出ています。
日本と安全性を対比すると自然災害リスクは少ないですが、軍事衝突リスクは高まります。日常的にジョージアの街の様子はいたって平穏で、警察の巡回もあり、民間の銃所持が要審査で認められているなか発泡率は日本と変わらない水準だとも聞きます。
フランス人の友人は「パリの道路は戦争」と供述し、韓国のタクシーはジェットコースターなど、世界の道路はカオスですが、ジョージアの場合、普段は温厚な人が車のハンドルを握ると豹変するので、車はかなり恐怖です。
日本で話題の煽り運転は当たり前なので、日常的すぎて煽り運転が煽り運転ではなくなっています。
街の治安は肌感覚として圧倒的に東京より良好であり、ぼくの家の鍵はいつも開けっ放しで自転車の鍵も閉めません。※良い子はマネしないでください。
ジョージアではアジア人が伝説のポケモン
ジョージアにはなぜか世界中のどこに行ってもあるチャイナタウンが無く、それほどにアジア人が少ないです。一番多いのはタイ人な印象で、コミュニティも形成されています。
日本の田舎にブロンドヘアーの人がいると、まるで宇宙人を見たかのような目線になるように、ジョージア人からするアジア人もそのようなリアクションになることがあります。
道を歩いていても、スーパーで買い物をしていても、突然知らない人のどこから来たか聞かれることは日常茶飯事です。特に理由はなく単純な興味で聞かれているので、過剰に警戒する必要はありません。
案外日本のことに詳しい人も多く、ぼくたち以上に歴史や政治に関心が高かったりするので、深く話し込むと敗北します。
また、これは全世界に共通するのですが、ジョージアもまた宗教の話になることも多いです。日本のようなユーラシアの離島の宗教感は世界的に未知であり、興味を持っていただける機会が多い中、NGワードとしては無宗教と回答することです。
細かいデティールまで伝わらないと、直接な意味としては相手の信仰をも否定してしまうので、特に信仰がない場合は「多神教」の方がまだ回答としてベターです。
それでも興味は持尽きず、さらに掘り下げられてしまうので、特に語れる信仰の無い身としては宗教の話はなるべく回避しています。
週末やお祝いはホームパーティーが主流
ジョージアの夜は日本のような居酒屋文化や、スペインのようなバー文化はあまりなく、レストランまたはホームパーテーが主流です。もっとも大事なイベントはイースターであり、街から人が消えるほど全員が家族と自宅で夜を過ごします。
誕生日もまたとても重要性が高く、必ずと言っていいほどパーティーをします。自己主催が一般的であるようで、自宅に友人を招いたり、自宅でなければレンタルスペースで催すことが多いのだとか。
週末でも友人宅を訪問することは日常的であり、人の家に行くときは必ず何かを持って行く風習があります。基本的にはお酒を持って行くことが主流であり、在住の日本人の間でもジョージアの風習に習っています。
ジムや通信などの支払いの全てがシンプル
契約形態がシンプルで生活が楽です。例えばジムの契約でしたら1ヶ月約2000円〜6000円の通い放題が一般的であり、どのコースでなにができるなど、年間の縛りや細分化した契約形態は一般的ではありません。
通信回線も月間通信量を選択するだけで10分ほどで契約でき、家の賃貸は面倒な書類や謎の礼金もなく、今日探して初月家賃と最終月の家賃だけ支払えば明日から住めますし、だいたい家具家電も付いてます。
銀行の個人口座も30分で開設でき、法人設立も1日で済みます。
公共料金の支払いは全てオンラインで完結し、インターネットバンキングが主流なので口座を開設したらもう銀行に行く用事はほとんどありません。なにかとスムーズなので、余計なことに神経を使わずに生活することができます。
そんなジョージアにも懸念点があります
ジョージアは急速に発展している国なので、不安定な部分も多いです。記事作成現在は92ヶ国に対してノービザ1年滞在を許可していますが、制度というものは変わるものなので、いつまで続くかはわかりません。
通貨や物価の変動も大きく、法定通貨であるジョージアラリは米ドル対比で前年比約9%安です。果物の価格相場は前年比約30%高であり、パンは約10%高、物価もまた短いスパンで変動しています。
表面的な理由であげたものの多くは良くも悪くも来年も同じ条件であるとは限らないので、不変的である本質的な魅力でジョージアを好きになるでもなければ、長期を見越した生活は不安要素があるでしょう。
また、アブハジア自治共和国や南オセチアの動向やロシアとの対外関係にいよって軍事的なトラブルが起きる可能性も大いにあるので、常に注目しておかなければならない懸念点です。
最後に
観光に始まり、生活からビジネス、税制など魅力たっぷりのジョージア。日本からの直行便はありませんが、近年かなり経路が増えてきているので経由地を楽しむこともできます。
航空券を安く抑えるのコツとしては、トビリシ空港のみならずクタイシ空港でも検索し、ラトビアやイタリアからLCCで入国することです。思いきって移住はハードルが高いですし、人によっては食べ物が全く口に合わないことだってあります。
まずは短期旅行や長期滞在から始めてみてはいかがでしょうか?
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