クラクフはポーランドで最も有名な観光地となっていますが、どうしても近くにあるアウシュビッツ強制収容所のほうが目立ちます。確かにちょっとした予備知識がないと、クラクフの魅力を感じられないかもしれません。
この記事ではポーランドの歴史を紹介しながら、クラクフをガイド。中には超絶マニアックなスポットもあるのでお楽しみに。
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ポーランドの歴史を少しだけ勉強しよう!
クラクフを見る前に、ポーランドの歴史を振り返ってみましょう。ポーランド人は西スラヴ語派に所属するスラヴ民族です。そのため隣国のドイツ人とは人種的に大きく異なり、チェコ人やスロバキア人と似ています。
ポーランド人が最初に国をつくったのは10世紀の頃。都は西部のポズナンに置かれました。その後、王様がキリスト教カトリックに改宗し、同国ではカトリックをアイデンティティーの一つとしています。
14世紀、分裂状態であったポーランドを再び統一し、都をクラクフに置きました。中世はポーランドの最盛期。バルト3国のひとつリトアニアとダッグを組み、東ヨーロッパの広い範囲を領土としました。つまりポーランドは強国、大国だったのです!
17世紀初め、現在の首都であるワルシャワが正式な都となりました。ところが1795年にプロイセン、オーストリア、ロシアによって国が3分割! ポーランドは地図から消えてしまいました。
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第一次世界大戦が終わり、ポーランドは独立しましたが、それもつかの間。第二次世界大戦ではナチス・ドイツが侵攻し、ポーランド人は事実上「奴隷」のような扱いを受けました。また国内にいたユダヤ人が殺されたことはあまりにも有名です。
第二次世界大戦が終わると、ポーランドはソ連を中心とした共産主義国家ブロックに入りました。今日のように自由にものが言えるようになったのは1989年以降のことです。
お城やトレードセンター、教会など目白押しのクラクフ
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それではクラクフをガイドしていきましょう。鉄道駅から少し歩くとクラクフ旧市街に入ります。クラクフは奇跡的に第二次世界大戦でも焼失しなかった都市。
そのため、古きよきポーランドが手軽に感じられる貴重な存在です。
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ヨーロッパでも最大の規模を誇る中央広場に着きました。広場の真ん中には織物会館があります。織物会館は14世紀に建てられた貿易センター。中国のからの布もシルクロードを経てやって来ました。
現在はお土産屋が入っており、観光客で賑わっています。
さて先述したとおり、キリスト教カトリックがポーランドのアイデンティティーとなっています。広場には13世紀に建てられた聖マリア教会があります。ヨーロッパではミサがあっても、教会に行くのはお年寄りだけというシーンがよく見られます。
一方、ポーランドでは子どもや若い人もミサにあずかります。
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こちらがクラクフのシンボルであるヴァヴェル城です。城には旧王宮とヴァヴェル大聖堂があります。残念ながら旧王宮は撮影厳禁! 中には豪華なタペストリーがたくさんあります。
ところで、ヴァヴェル城は相当大きいので、ヴィスワ川の対岸にある博物館「マンガ」から撮影することをおすすめします。
・名称:ヴァヴェル城(Zamek Królewski na Wawelu)
・住所:Wawel 5, 31-001 Krakow
・地図:
・アクセス:中央広場から徒歩15分
・電話番号:+48 12 422 51 55
・所要時間:2時間以上
・オススメの時期:冬以外
・公式サイトURL:https://wawel.krakow.pl
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城の建築様式はルネサンス方式。この特徴の一つとして、直線的で規則性のあるデザインが挙げられます。半円のデザインが繰り返し使われていることがわかりますね。
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参考までに隣国チェコにあるリトミシュル城の中庭を挙げておきます。こちらもルネサンス方式です。ヴァヴェル城とそっくりですね!