台湾東部にある宜蘭(イーラン)と首都の台北を2泊3日で旅してきました。今回の台湾旅行は背景となるストーリーがあるので、ちょっと長いけど聞いてください。
始まりは7年前
僕たちは旅をすることしかできないけれど、本当に何もできないのだろうか。そう感じたのは、西日本豪雨の時でした。当時はユーラシア横断中で、確かロシアあたり。Twitterに流れる被害の様子とFacebookの投稿されたボランティアに向かう友人たちを眺めていました。
そういえば、東日本大震災も同じ想いをしてました。震災前日の2011年3月10日はTABIPPOを立ち上げて初めてとなる1000人超えのイベントに学生生活すべてをかけて臨んでいました。イベントが成功し、達成感に浸り、朝まで飲んで帰って、地震で目を覚ましました。
卒業を控えた大学4年生だった僕は、震災の様子を眺めることしかできず。そのまま就職で東京から大阪へ。社会人生活の慌しさに流されるまま、気づいたら震災から1年を迎えていました。何かしなきゃいけないけど、何もできない。
旅が役に立つ、かもしれない
西日本豪雨の影響で、観光客が減って困ってる「倉敷の備前地区」へ。復興支援も兼ねて訪れました。
去年の同時期と比べてお客さんが40%減少とのこと。有名なお店もほとんど並ばずに入れましたよー!夏の旅行先にいかがですか。 pic.twitter.com/UaIJ38oHLw
— ルイス前田 / TABIPPO共同創業者 (@NY_ruisu) 2018年8月5日
そんな気持ちのリベンジで、西日本豪雨の被災地(厳密には大きな被害はなかった)岡山県の倉敷に行ってきました。きっかけは、絶景案内人の「詩歩」さんのツイートから
岡山県倉敷の美観地区が、観光客が激減して困ってるというニュースをみて、急遽大阪からやって来ました。
美観地区は、豪雨被害エリアから遠いので、平常通り元気に営業中!!
今がベストシーズンの美味しすぎる白桃を食べに来て🍑✨ pic.twitter.com/heNnNtvAyy
— 詩歩✈︎世界の絶景🇬🇧 (@shiho_zekkei) 2018年7月22日
旅って娯楽なので、何となく被災地へ旅行をすることを引け目に感じて、これまでは自粛していました。実は東日本大震災の被災地にもまだ行ったことがない。
けれど、旅することで、被災地にお金を落とす=応援になるという良い影響がある。そして、現地の人たちが喜んでくれる。それなら、旅行者にも「被災地を旅していいんだ」「旅するのも支援」という認識を広げて、自粛のギャップを埋めることができるのでは?と考えました。
関連記事:【西日本豪雨】倉敷・美観地区は観光OKです―“自粛”の観光客に「訪れるのも支援」と訴え
現地で歓迎してもらってちょっと手応え。国内旅行だけではなく、海外旅行も役に立てるかな?と夏頃から考え始め、9月に企画を固めて、10月に台湾へ旅行しました。
台湾地震の花蓮(カレン)へ
photo by isa tomomi
台湾旅行に一緒に行ってくれたのは、三軒茶屋のシェアハウス #えいとびたー で一緒に住んでいる伊佐知美さんと、古性のちさん。そして、一緒にイベント「旅人が私らしく生きるためのライティング作戦会議」を開催した旅行代理店の「旅工房」さんがサポートについてくれました。
旅行先に台湾を選んだ理由は、2018年2月に台湾東部の花蓮(カレン)で起きた地震のことを覚えていたから。東日本大震災の時に、台湾からたくさんの義援金や応援が届きました。台湾地震の際は「今度は私たちが台湾の人たちを支える番だ」といった東北からの呼びかけが話題になりました。
自分も何度か訪れて大好きだった台湾をちょっとでも応援できるといいなぁと、ドキドキしながら企画を進めました。
出発前日に、花蓮で大規模な脱線事故が起きた
「そろそろ台湾だねー」なんてのんきに出国を楽しみにしていた最中、台湾の首都である台北から東部の花蓮に向かう大動脈となる鉄道で18人が亡くなり、168人が負傷する脱線事故が起こりました。
関連記事:台湾脱線事故で事故調 速度超過が原因と断定 – 産経ニュース
まさに僕たちが乗る予定だった電車です。事故発生は、時間も午後5時頃。1日ズレたら事故にあっていたかもしれないという驚きと、事故翌日に現場にほど近い場所を旅行するのって、どうだろう?何よりも、台湾の人たちにとってどうするが一番良いだろう?と話し合いました。
花蓮のギリギリまで行こう
photo by nochi kosho
僕たちの結論は、脱線事故のあった電車に乗らずに行けるギリギリまで行こう、でした。台湾東部はガイドブックにもほとんど載っていないエリアで、急な予定の変更だったので、旅工房の台湾コンシェルジュ邱さんに相談しながら(邱さん、現地情報ありがとうございました!)花蓮の手前にある「宜蘭」という街に行くことに決めました。
ようやく、旅が始まります。ここまで読んでいただいてありがとうございます!長かった。
台北を中心に #小籠包101個チャレンジ
photo by isa tomomi
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行き先が決まったら、あとは楽しむだけです。楽しい台湾、前向きな台湾、みんなが行きたくなる台湾をお届けするのが企画のポイントなのだから、(いつも楽しいけれど)いつもよりもさらに楽しもう!とテンションが上がる機内。
「伊佐さん、台湾でしたいことは?」っと聞くと「ルイスくん、わたし小籠包食べたい!」と元気に答える伊佐さん。「じゃあ、たくさん食べよう」と答えるのち。「台北101が有名だから、小籠包101個食べよう!」と悪ノリする、ルイス。
全部で小籠包&餃子屋さんに4軒行って、ぴったり101個完食してきました。完食までの様子は、伊佐さんの台湾レポートに時系列でまとまってます。
» 101枚の写真で振り返る、2泊3日の台湾旅。#僕たちは旅をすることしかできないけれど
photo by ruimaeda
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一番美味しかったのは、1軒目の台北にある「杭州小籠湯包」で食べた「カニミソ小籠包」です。101個食べて分かったことですが、小籠包の人気店!と呼ばれているお店は、すべて小籠包の皮が薄かったです。皮が厚くなっても美味しいは美味しいのですが、餃子感が増してきます。
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ちなみに、「杭州小籠湯包」と同じくらい人気で、常にガイドブックに掲載されている「蘇杭點心店」までは徒歩5分ほどです。小籠包をハシゴするような人たちが僕たちの他にいるのかは分かりませんが、101個チャレンジするなら少しでもお腹を減らすために歩くことをオススメします(誰向けのアドバイスなんだろう)。
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2日目の宜蘭でも街中の超ローカルな小籠包を食べて、
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photo by nochi kosho
3日目も空港に行く前に街の餃子屋さんに寄って、101個達成しました!もはや小籠包とは何だったのか分かりませんが、あんかけ水餃子うまかったなぁ。
なぜガイドブックに無い?かわいい「宜蘭(イーラン)」
photo by isa tomomi
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花蓮(カレン)からすぐ北にある宜蘭(イーラン)に行くことにしたのはいいものの、ガイドブックには宜蘭の情報がほぼゼロだったので、Instagramで検索しながら行き先を決めました。
中国語、台湾語は少し字体の違いこそあれ、読めたり書けたりすることが多いのが助かります。街中に英語が結構ある東南アジアと比べて、台湾では西欧の旅行者を見かけることが少ないのは、言語的な理由があるのかも。
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宜蘭への行き方は台北からバスか電車です。電車の場合は大きく迂回したルートを進みますが、バスだと高速道路を使って1時間ほどで直通です。台北駅の綺麗なバスターミナルでチケットを買って、乗り場に進むだけなので、簡単。本数も1時間に3本ありました。
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バスで行っても宜蘭のメイン駅そばで降車することになります。駅から西側に宜蘭の街が広がっていて、徒歩圏内で観光できます。
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カフェ『小亀有』がかわいい!絶対行きたい!とのち。
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ルイスくん見て!めっちゃかわいい!と伊佐。
photo by isa tomomi
じっと待つルイス。(二人があまりに嬉しそうに写真撮ってるので、ちょっと面白くなってきてる)
店内は日本語で書かれたポスターが貼られ、京都から取り寄せた抹茶で作った甘くない台湾スイーツを食べられます。宜蘭は下町感あふれる街並みとローカルなお店を楽しめる場所でした。
photo by isa tomomi
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さあ、宜蘭から帰ろうか?と思っていたら、「帰り道に温泉があるかも!」とのち。せっかくなので、温泉街の礁渓(ショウケイ)に寄ってみることにしました。
温泉と足湯が満喫できる「礁渓(ショウケイ)」
photo by ruimaeda
photo by tomomi isa
駅に降りた瞬間から「熱海みたい!ねえねえ、ルイスくん!熱海みたい!」と伊佐さん。確かに、ちょっと似てました。調べてみると、礁渓温泉は台湾では数少ない平野部にある温泉で、高速道路の開通から人気の観光地になったのだとか。
確かに、台北にも「北投温泉」がありますが、少し山に入ったところにありました。台北市内なので、バスでアクセスできるのですが、大規模な温泉街の開発はできなかったのかもしれません。
礁渓には温泉付きのホテルや旅館が立ち並んでいて、貸切温泉のみのサービスもありました。水着を持っていなくて、男女一緒に入れなかったので利用しませんでしたが、中はどういう感じだったのだろう。
photo by isa tomomi
さらっと温泉気分を味わうなら、礁渓駅から徒歩15分ほどのところにある「免費泡脚池」へ。漢字を読めばそのままですが、無料で足湯を楽しむことができます。
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足湯のそばに簡単なカフェがあるので、そこでタオルと飲み物を買って、足湯につかりながらゆっくりとお茶をするのが礁渓スタイルでした。
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しっかりお風呂に入りたい人向けに、露天風呂もすぐ近くにあります。水着を着て入るのですか?と聞いたら、裸で入るよ!って教えてくれたので、本格的です。時間あったら入りたかった。
宜蘭と礁渓でたっぷり遊んで、台北に引き返します。朝出発して、早ければ夕方くらいには帰ることができる距離です。
僕たちにできることはきっとある
photo by ruimaeda
台湾は素敵なところで、いつも楽しませてもらってるから、台湾が困ってることがあれば何か助けになりたい。しかも、僕だけの行動ではなくて、周りの人に影響がある形を目指したいなと思って、今回の台湾旅行を企画しました。
結局、目的地だった花蓮には行けなかったけれど「次は、きっと花蓮に行こう」と、これからの話をした時に、みんなの中にしっくりきた何かがあったことを感じました。「今回で台湾に行くのが最後じゃない。旅行をすることが手助けになるんだとしたら、また行けばいいじゃない。」そんな感じだったんじゃないかな。
#僕たちは旅をすることしかできないけれど という企画のハッシュタグには続きがあります。僕たちは旅をすることしかできないけれど、僕たちにできることはきっとある。そう思っています。まだ明確な何かは見つかっていないけれど、自分なりの方法で模索していくしかないです、たぶん。
ご紹介しきれなかった台湾旅行の様子はTwitterのハッシュタグ #僕たちは旅をすることしかできないけれど と、同行した伊佐さんとのちのnoteでもご覧いただけます。
伊佐知美の台湾旅記事
» 101枚の写真で振り返る、2泊3日の台湾旅。#僕たちは旅をすることしかできないけれど
古性のちの台湾旅記事
» 初めて踏み出す旅の一歩は台湾が良い。かもしれない
旅工房の台湾記事まとめリンク
» 3人の旅人たちが旅工房に教えてくれたこと|#僕たちは旅をすることしかできないけれど
最後まで読んでいただいてありがとうございました!次回の #僕たちは旅をすることしかできれないけれど は未定ですが、何かご一緒できるアイデアや企画があればお声がけいただければ嬉しいです。それでは!