ライター
ともちん 希望を届ける旅ライター

生粋の神戸っ子。大学でのオーストラリア留学、社会人イギリス留学やヨーロッパ一人旅を経験し、「丁寧な暮らし」と「日本文化の魅力」を再発見。 目標は、「自分らしい住空間づくり」と「旅の越境体験」を通してたくさんの人に希望を届けること。旅、神社仏閣巡り、トレッキング、舞台鑑賞が好き。

「旅と人生をつなぐ、大人の学校・POOLO」は、旅と人生をつなぐ大人の学びをコンセプトとしたオンラインスクールです。

POOLO LIFE 公式サイト

POOLO LIFEは、旅と人生をつないで深めたい人が集う8ヶ月の学びの場。

POOLO LIFE 公式LINE

真ん中に置くのは、好奇心を起点とした自分だけの「探究テーマ」です。旅と対話を重ねながら、自らの問いを自分らしい形で探究する。答えを急がず、仲間と共に創るコミュニティです。

今回は、POOLO LIFE10期の卒業生・ずみさんにインタビューしました。


子ども時代にお世話になった先生に憧れ、医学の道へ進んだずみさん。

研修医2年目のとき、進路を決めるなかで方向性に迷い、改めて目標を明確にしたいと考えていました。

感情よりも頭を優先する日々のなかで、医療の現場に積み重なる「当たり前」に違和感を覚えていたずみさんは、多様な価値観に触れるためPOOLO LIFEに参加しました。

合理性や効率を求められる環境ゆえ、心が動かなくなっていた彼が“童心”に返り「心が動いた」8ヶ月。コミュニティで何を受け取り、どんな未来を描いたのか語っていただきました。

直感に従って飛び込んだ「医療の外の世界」。本やSNSでは分からない感動とともに、人生を楽しみたい

――ずみさんがPOOLO LIFEに参加した理由は何でしたか?

大きな理由は、今後の目標を明確にしたかったからです。

僕は小学生の頃から野球をしていて、何度か骨折を経験しました。そのたびにお世話になった整形外科の先生が、「こんな大人になりたい」と思えるような素敵な方で。

この先生との出会いが、僕が医師を目指すきっかけになりました。


そして医学部を卒業し、研修医になり進路を考える時期に。ずっと憧れていた整形外科を志望し「ここで進路が決まるだろう」と考えていた矢先、実際に手術を経験してみると、「僕にとって本当にやりたいことではない」と感じたんです。

これまで目指していた道がいったん白紙になってしまい、改めて自分はどんな挑戦がしたいのか。医師としてどの道に進みたいのか――自分と向き合い、「正解」ではなく自分らしい進路を決めたいと思っていました。

――医師としてどの専門分野に進むのか。いわばターニングポイントだったのですね。

そうですね。進路を見つめ直していた時期でもありましたし、同時に医療の世界以外にも目を向けて、もっと視野を広げたいと思っていました。

それに、医学部での6年間を経て、研修医としてさまざまな診療科を経験するなかで、当時は仕事とプライベートの境界線があいまいになっているように感じていて。


勉強や仕事では常に合理性や効率を求められる環境にいたので、その思考がプライベートにも染みついていました。他人が感動する景色を見ても心が動かず、目の前の出来事を純粋に楽しめなくなっていたんです。

僕は大学の最後の2年間で、旅や登山、キャンプといった新しい趣味に次々と挑戦しました。それらを経験するなかで、本やSNSだけでは分からない「感動」があると実感したんですよね。


そんななかPOOLOを知り、10期の募集が始まったタイミングでPOOLO LIFEのコンセプトに触れました。そして直感で「入ろう」と思ったんです。

人生を楽しんでいくためにも、同じ旅好きの仲間との出会いのなかで新しい挑戦のきっかけを見つけたい。そんな期待を胸に参加しました。

「童心」がよみがえったチーム旅。安心できる環境づくりへの想いが強まった


――実際に参加してみていかがでしたか?

とにかく楽しかったです!

まず印象に残っているのは、開始直後に行った仲間との登山ですね。

同じ長野在住のひとりと一緒に、長野と群馬の境にある黒斑山(くろふやま)に登りました。頂上で焼きそばを作って食べたり、いろんな話をしたり。とても楽しい時間でした。


一緒に登った同期は、当時「たくさんの挑戦をして幅を広げる一年にする」という目標を掲げていました。その挑戦の一つである初めての登山を応援できて、僕自身もうれしかったですね。その後の8ヶ月間を楽しむ大きな原動力になりました。

そして、チームで旅を企画する第2タームでの活動も忘れられないです。

僕たち「Dチーム」が最初に決めたことは、「週1回以上は顔を合わせる」ことでした。一人ひとりについて深く知る「深掘り会」を開いたり、オフラインでもチームミーティングを開催したんですよ。

これまでにない安心感があったという「Dチーム」の仲間と
そんな仲間と企画した旅のテーマは、「お互いを知り、自分にとっての“心地よさ”を見つける」こと。そのためにまず大事にしていたのは、それぞれが素の自分でいられることでした。

この旅では、全員が行ったことのない山形県で、歴史ある宿場町を再現したイベントに行ったり、どっさり積もった雪にダイブしたり。それぞれが思い思いに新しい体験を楽しんでいました。

旅のスタートは山形県の月山(がっさん)から
また、2日間にわたって実施した「Dタイム」では、旅で見つけた「仲間の輝いていた瞬間」を言葉にして伝え合う時間を持ちました。

それぞれの視点を通して自分を見つめ直すことができ、「自分らしさ」について考える良い機会になりましたね。

仲間に言葉を贈り合った「Dタイム」
――その充実した旅を通してどんな気づきがありましたか?

「自分は、本当はもっと子どもっぽかったんだ」ということです。

家族のように心を許せる仲間と、仕事とは関係のない遊びを純粋に楽しめたからこそ、忘れかけていた「童心」がよみがえってきたような感覚がありましたね。

自分の素を出すことには、怖さも伴います。けれどもこのチームでは、“自然体”でいられた。それだけに、僕自身が以前から抱いていた「安心できる環境を作りたい」という想いがより強くなりました。


――「安心できる環境」を作りたい。

はい。「そう見えない」と言われることもありますが、僕はとても緊張しやすい性格で。もっと相手に安心してもらいたいのに、初対面ではどこか身構えてしまうんです。

本当はもっとリラックスして自分のパフォーマンスを発揮したいし、医療の現場でも「患者さんが安心できる環境を作りたい」という想いがずっとありました。

だからこそ、仲間であれ患者さんであれ、お互いが安心してコミュニケーションできる環境をつくっていきたい。その気持ちが一層強くなったチーム活動でしたね。

“自己中心的利他”の考え方で過ごし、「医師ではない自分」に立ち戻れた8ヶ月


――POOLO LIFEではそれぞれが「探究テーマ」を設定しますが、ずみさんはどんなテーマにしましたか?

「自分に軸を置いて、公私ともにGIVEにあふれた“誰よりも人間らしい医師”になるには?」です。

僕にとって「自分に軸を置く」というのは、自分の興味や好奇心に素直に従うこと。そして「人間らしい医師」とは、患者さん一人ひとりに寄り添える存在だと思っています。

ただ治療をこなすのではなく、目の前の患者さんに寄り添う――これは、野球少年だったかつての僕が憧れた、整形外科の先生の姿勢そのものです。

野球の試合日程などを加味して柔軟にリハビリのメニューを作ってくれたり、回復した後にも投球フォームを見てアドバイスをくれたり。その先生は、ただ「治療して終わり」ではなく、こちらの事情や治ったその先のことも考えて僕の目線に立ってくれる方でした。


一方で、研修医として患者さんと向き合うようになってからは、この「寄り添うこと」の難しさも実感するようになりました。

自分なりに患者さんのためを思って行動したところで、相手がそれを望んでいなければおせっかいになってしまう。その結果、自分自身が消耗してしまうことも少なくありませんでした。

自分を後回しにしたままでは、いくら相手のためを思った行動であっても、いつか限界が来る。だからこそ、まずは自分の心を置き去りにしないこと。それが結果的に、患者さんや身近な人たちのためにもなるんですよね。

自己犠牲ではなく、“自己中心的利他”の考え方で過ごすことで、持続可能な寄り添いが実現するのではないか。それで初めて、自分らしさを保ちながら患者さんと向き合える「人間らしい医師」になれるのではないか、と思っています。


――このテーマと向き合った結果、どんな変化がありましたか?

「医師ではない自分」に立ち戻れたことだと思います。

10期には、誰かの挑戦を全力で応援し合う土台があって、どのイベントも童心に返って楽しんだり、心が動く瞬間がたくさんありました。

そんな仕事とはまったく異なるPOOLO LIFEの活動のなかで、自分が何に喜びや興味を感じるのかを、より意識するようになりました。

自分は何がしたいのか、何に心を動かされるのか。そんな問いを持ちながら日々の研修に向き合って、経験する一つひとつの手技に対しても、「これを一生かけてやりたいと思えるかどうか」を意識していたんです。


そうやって自分の心の動きを意識していくうちに、仕事の現場でも変化を感じる場面がありました。

以前、休日明けに患者さんの傷口を見て、ふとドキッとしたことがあったんです。それまでにはなかった感覚で、自分でも少し驚きました。「医師ではない自分」の感性が戻った瞬間だったように思います。

そんなふうに「医療者側」と「患者側」を行き来するなかで、患者さんへの共感がより深まり、目の前の病気を一つの“症例”ではなく、その人にとっての“切実な出来事”として捉えるようになりました。

この探究を通じて、損得や「こうあるべき」という考え方ではなく、患者さんの視点をしっかり持てる医師になりたいと改めて思うようになりましたね。

「自分に軸を置いた」からこそ決まった進路。“人間らしい医師”を目指して

――8ヶ月を終えてどのような変化がありましたか?

一番の変化といえば、参加前に悩んでいた進路が決まったことです。

研修のなかで呼吸器外科のトレーニングを受けた際、実際に手技を体験してみて「面白い」と感じて。そこから、自分は呼吸器外科の領域に興味があるのだと気づいたんです。

その後も、他の科を真剣に学ぶなかで迷い続けた結果、やはり「呼吸器外科医として働きたい」と確信が持てました。

この領域は、肺がんや気胸の手術だけではなく、抗がん剤治療や術後の経過観察などを通して、患者さんと長く関わることができる分野のひとつです。だからこそ、一人ひとりに寄り添った医療ができる。そんな診療スタイルが自分には合っていると感じています。


POOLO LIFEで「自分に軸を置く」ことを言語化していなければ、自分の興味関心を後回しにして進路を選んでいたかもしれません。僕には「寄り添いたい」という想いがあるだけに、最終的には自己犠牲で疲弊していた可能性もあります。

ですが今では、「自分の心に素直になっていい」と思えるようになり、自分の価値観を満たした選択ができるようになりました。


ドラマや映画にもなった小説『神様のカルテ』には、「もとより寿命なるものは人知の及ぶところではない」というフレーズがあります。けれどもきっと、医師の関わり方一つで、目の前の患者さんの人生の満足感や充実感は変わっていくと信じています。

POOLO LIFEに入って、誰かの背景や価値観をより尊重できるようになり、人の人生に深く関われる医師という仕事が好きだと、改めて思うようになりました。

――ずみさんのこれからについて教えてください。

POOLO LIFEのなかで印象に残っているのは、「目の前のことに一生懸命になり、自分の“楽しい”を大事にする」という考え方です。

まずは経験を積むために、僕自身も目の前のことに全力で取り組んでいくつもりです。


また、「患者と医療施設の境界線をなくす」ことに強い関心があるので、将来的には病院と地域をつなぐ手助けがしたいと考えています。

今はまだできることは限られていますが、さまざまな現場を経験しながらその実現方法を探っていきたいです。

“人間らしさ”という視点を忘れずに。

「患者と対等な目線で向き合える医師」を目指して頑張っていきたいです。

――最後に、参加を検討している方へメッセージをお願いします!

POOLO LIFEは最高に楽しいコミュニティです。

僕はこの8ヶ月で自分の価値観が広がり、目標も明確になりました。そして卒業してからも関係性が続く、大切な仲間ができました。

一緒に旅を楽しんだり、さまざまなテーマについて語り合ったり。そんな人生を変えるような出会いに恵まれたことが、「POOLO LIFEに参加して良かった」と思える何よりの財産です。


もし自分の感性に少しでも引っかかるものがあるなら、きっと後悔しないはずです。

情熱を注いで挑戦すればするほど、得られるものは大きくなると思います。POOLO LIFEはそんな“最高の挑戦の場”。

ぜひ一歩踏み出して、たくさんの挑戦をしてみてください!

編集後記

進路選択のモヤモヤを抱えて飛び込んだ、“医療の外”の世界。

自然体でいられる仲間や探究テーマと向き合う時間が、ずみさんの心に従った選択につながりました。

たびたび登場した「相手目線」「寄り添う」「自分に軸を置く」というフレーズ。そこには、子ども時代に憧れた先生へのリスペクトと、自分らしい道を歩んでいく強い意思を感じました。

心が動いた8ヶ月を通して自分らしさを取り戻し、進みたい道を見つけたずみさん。

その姿から、自分の価値観に向き合うことの大切さを改めて実感したインタビューでした。

POOLOとは?


「旅と人生をつなぐ、大人の学校・POOLO」は、旅と人生をつなぐ大人の学びをコンセプトとしたオンラインスクールです。

POOLO LIFEは、旅と人生をつないで深めたい人が集う8ヶ月の学びの場。

真ん中に置くのは、好奇心を起点とした自分だけの「探究テーマ」です。旅と対話を重ねながら、自らの問いを自分らしい形で探究する。答えを急がず、仲間と共に創るコミュニティです。

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All photos by Zumi

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ともちん 希望を届ける旅ライター

生粋の神戸っ子。大学でのオーストラリア留学、社会人イギリス留学やヨーロッパ一人旅を経験し、「丁寧な暮らし」と「日本文化の魅力」を再発見。 目標は、「自分らしい住空間づくり」と「旅の越境体験」を通してたくさんの人に希望を届けること。旅、神社仏閣巡り、トレッキング、舞台鑑賞が好き。

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