ライター
帆志 麻彩 旅と暮らしの文筆家

小学5年生のときにオランダでみた運河の光が忘れられず、旅が人生の大きな軸となりました。これまで、旅メディアの編集、企業広告コピーや雑誌取材記事、ガイドブック制作などを担当し、2019年からは〈サステイナブル〉をテーマに活動。その他、詩の創作や旅の貼り絵など、好きなことをしながらゆるりふわりと過ごしています。好きな言葉はモンテーニュの「自分は自分のものである」で、憧れの人はターシャ・テューダー。著書に『本能のデザイン』(実業之日本社)。

一緒に働く仲間たちにも優しい環境を

シモンさんのサステナブルな取り組みは食に関するものだけでは終わりません。レストランで一緒に働いている仲間は、自閉症やADHDなどの病気を抱えている人たち。

「彼らはストレスに強かったり、色々なことを同時に進行できたり、1つ1つの作業が丁寧だったり、それぞれに強みがあります。普通の業界では難しかったとしても、私にとっては彼らと働くことはメリットでしかありません」。そう語るシモンさん自身も、自閉症+ADHDを抱えながらシェフとして成功した一人。

 

社会の中では“問題がある”とひと括りにされてしまいがちな人たちも、シモンさんのレストランでは可能性に溢れている。こうした取り組みが決して特別なことではなく当たり前の世界になってほしい、そう願わずにはいられません。

■詳細情報
・名称:Restaurang Varma Skillebyholm
・住所:SKILLEBYHOLM 6, 153 91 Järna, Sweden
・地図:
・公式サイトURL:https://www.skillebyholm.com/konferens-mat/restaurang-varma-38689634

 

ちょっとした工夫で廃棄されるものを減らす

続いては少し変わったお店、ストックホルムの写真美術館内にある「Fotografiska Bistro」をご紹介します。こちらの写真美術館は、およそ100年前に建てられた工場をリノベーションしたもので、最上階にはガラス張りのお洒落なレストランがあります。

たくさんのアート作品が飾られている贅沢な空間に、注文する前からうっとり……。美術館ではなくレストラン目的で訪れるお客様もいるくらいとても人気の高いお店です。

All photo by hoshi maaya

オーナーを務めるのは、サステナブルや食品廃棄に力を入れていることでも有名なPaul Svenssonさん。レバーかと思って食べていたらスナックビーンズのパテだったり、様々なハーブの“茎”をピューレにしていたり、添えられているのが豆のマヨネーズだったり……提供されるお料理は食べたことのないような斬新なものばかり!

一品ごとに「これはなんですか?」と聞くのが楽しくなってしまいます。

 

テーブルの上をよく見てみるとここにもサステナブルのアイディアが……!廃棄される食品をレスキューすることは中々自分ごとに置き換えられなくても、少しでも食品廃棄やゴミを減らす工夫をしてみる、これなら私たちの毎日にもすぐに取り入れられそうです。

■詳細情報
・名称:Fotografiska Bistro
・住所:Stadsgårdshamnen 22, 116 45 Stockholm, Sweden
・地図:
・公式サイトURL:https://www.fotografiska.com/sto

 

無理をせずにサステナブルな生活を

レストランを通して、スウェーデンのサステナブルなライフスタイルに多く触れることができました。スウェーデンの人たちからは「持続可能な社会にするためにどうしたらいいか」という問いと自然に共生しているような心地よさが感じられます。

エコやサステナブルは、頑張るものではなく自分自身が楽しむもの。この考え方に私たちが目指すべきヒントがあるように思います。

ライター
帆志 麻彩 旅と暮らしの文筆家

小学5年生のときにオランダでみた運河の光が忘れられず、旅が人生の大きな軸となりました。これまで、旅メディアの編集、企業広告コピーや雑誌取材記事、ガイドブック制作などを担当し、2019年からは〈サステイナブル〉をテーマに活動。その他、詩の創作や旅の貼り絵など、好きなことをしながらゆるりふわりと過ごしています。好きな言葉はモンテーニュの「自分は自分のものである」で、憧れの人はターシャ・テューダー。著書に『本能のデザイン』(実業之日本社)。

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