ライター
土庄 雄平 山岳自転車旅ライター|フォトグラファー

1993年生まれ、愛知県豊田市出身、同志社大学文学部卒。第二新卒を経験後、メーカー営業職とトラベルライターを両立。現在は、IT企業に勤めながら、自然や暮らしに一歩踏み込む、情報発信に精を出す。 山岳雑誌『山と渓谷』へ寄稿、「夏のYAMAPフォトコンテスト2020」入賞、「Yahoo!ニュース ベストエキスパート2024」地域クリエイター部門グランプリなど。山での活動をライフワークとし、学生来、日本全国への自転車旅を継続している。

リモートワークが当たり前となる中で、徐々に浸透してきた「ワーケーション」。仕事と余暇を両立する旅のカタチとして注目を集めています。現在は国や行政からの支援も増え、受け入れ施設や環境を整備している市町村も多くあります。

しかし「ワーケーション」に対しては、当然世間から多くの声があります。働き方がより豊かになった」という意見がある一方で、「そもそも仕事と余暇を組み合わせる理由が謎」というネガティブな意見も!

確かにワーケーションは、会社員の大部分には難しく、実施できる層が限定的です。働き方にもよるでしょう。ワーケーションという言葉が一人歩きしている感も否めません。

そこで今回は通常ワーケーションが難しい、メーカー勤務の営業マン(兼トラベルライター)の筆者が、無理をして?(笑)ワーケーションにトライ。ワーケーションを行った感想とその意義をまとめ、「どうしたらワーケーションが社会に普及するか?」という視座で考察を加えてたいと思います。

ワーケーションって?

photo by unsplash
TABIPPOではすでにお馴染みかと思いますが、まず「ワーケーション」という言葉について振り返っておきましょう。

この言葉が最初に生まれたのはアメリカです。2000年代、リモートワークという働き方が実現可能になったことで、リゾートや観光地で仕事をするスタイルが確立されました。

その後、日本でも、PC一台で仕事を完結できるIT業界の会社において、ユニークなワークスタイルとして試みられるようになります。

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そんなワーケーションが爆発的に知られるようになったきっかけが、いうまでもなく今回の新型コロナウイルスの流行です。今まで当たり前だった出社スタイルから、半強制的にリモートワークへ移行したビジネスパーソンが多くいました。

働きやすさについて是非はあるものの、「やろうと思えば会社員でもリモートワークが可能なんだ」という事実を明確にしてくれた出来事でした。

現在では、徐々にワーケーションを認める企業が現れたり、一説には、直近リモートワークを実施した会社員のうち、約4割が「隠れワーケーター(暗黙のうちにワーケーションを実施したワーカー)」だったという統計も公開されています。

これまで実践した私のワーケーション

photo by unsplash
プライベートと仕事を分けるセグメンターな私からすれば、「なぜ仕事と余暇をミックスさせるのか?」と、ワーケーションに対して当初非常に懐疑的でした。

しかし、「食わず嫌いはよくない!」ということで、これまで3回ほどワーケーションするチャンスを得ることができました。隠れワーケーターとして実施できたものも多く、今のリモートワークの流れに感謝(笑)。

それぞれ特色があり、いろいろと感じることがあったので、TABIPPOでも各記事で詳細にまとめています。少しだけ概要を振り返ってみましょう!

YAMAP×JR東日本アウトドアワーケーション

photo by Yuhei Tonosho
房総半島の南、館山でYAMAP×JR東日本が手がけるワーケーション事業へ、モニターとして参加してきました。山と海、道と自然で溢れ、いつもアウトドアな旅に全振りしている私からすれば、楽園みたいな場所でした。

photo by Yuhei Tonosho
4日間のうち、フルワークは平日1日。もう片方の平日は有休をとり、空き時間に電話で対応。土日は早朝・夜の時間を使ってライティングの仕事を行いました。立て込まなければ、そこそこ忙しくても十分に回せると確信できた、とても有意義な経験でした。

photo by Yuhei Tonosho
始業前、e-Bikeを借りて出かけた早朝サイクリングは、最高に非日常な時間でした。レストランのパスタランチも絶品!気軽にリフレッシュできることで、クオリティ・オブ・ワークは上がった気がします。

鯖江ワーケーション

photo by Yuhei Tonosho
福井県の内陸部、メガネの町・鯖江で実施されたワーケーションへ、モニターとして参加してきました。鯖江はレジャー色というより、歴史や伝統産業の色が強い土地のため、学び要素が大いに盛り込まれた内容に!

photo by Yuhei Tonosho
しかしだからこそ、普通に旅行で訪れるだけではわからない魅力が見えた気がします。また、地域を盛り上げている若者や地元民との交流も多く、まさに”暮らすような旅”と言える経験になりました。

photo by Yuhei Tonosho
一度訪れたらそれで終わりの消費する旅でなくて、またここに戻ってきたい!という心を育む再生産の旅。これはワーケーションの方向性として、とても大事なことように思えましたし、鯖江がそのロールモデルになるのでは?とも感じました。

吉野町×Huber.遊ぶ広報

photo by Ran Tonosho
奈良県の吉野で行われた「遊ぶ広報」という事業にも参加してきました。現地に宿泊しながらワーケーションをし、そのフィードバックとSNS発信をすれば、滞在費が補助されるというものです。

photo by Yuhei Tonosho
桜が有名な吉野ですが、新緑のシーズンは驚くほど静かで、生命力溢れる緑に心洗われました。ワーケーション受け入れ体制の整備はこれからですが、働きながらふと吉野の表情に癒やされる時間は、忘れられないものです。

photo by Ran Tonosho
こちらも学びが多いという点で鯖江と少し近く、吉野を違う視点から見つめ直すきっかけとなりました。現在は、関西に基盤を置く地元企業に対して、企業研修という形でワーケーションを提案する試みも始まっています。

ライター
土庄 雄平 山岳自転車旅ライター|フォトグラファー

1993年生まれ、愛知県豊田市出身、同志社大学文学部卒。第二新卒を経験後、メーカー営業職とトラベルライターを両立。現在は、IT企業に勤めながら、自然や暮らしに一歩踏み込む、情報発信に精を出す。 山岳雑誌『山と渓谷』へ寄稿、「夏のYAMAPフォトコンテスト2020」入賞、「Yahoo!ニュース ベストエキスパート2024」地域クリエイター部門グランプリなど。山での活動をライフワークとし、学生来、日本全国への自転車旅を継続している。

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