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KOH デジタルノマド

年に10ヶ国で暮らすデジタルノマド。1ヶ月で10の職種を体験する「ノマドニア」を運営している。

こんにちは、ジョージア在住のKOHです。近年Twitterを中心に話題を呼んでいるジョージア移住。なぜ、いまジョージアが注目されているのでしょうか?

答えをひとことで言うと「なんかもう、いろいろヤバいから」です。この記事ではジョージアが注目されるその理由と、在住者であるぼくの実体験をもとにレビューします。

 

ジョージア移住が注目される理由

ジョージア移住が注目される理由の多くは、表面的な魅力です。

・ノービザで1年間滞在可能
・物価が安い
・ビジネス環境がいい
・美しい街並み

これらの理由はインターネット越しに把握できる体験を伴わない情報であり、旅好きな人に留まらず、主婦層や起業家など広範囲の人々の目線を釘付けにするには十分な内容です。

 

ノービザで1年間滞在可能、永住権のハードルも低い

ジョージアが人々を熱狂させる最大の理由は、ノービザで1年滞在可能であることです。

日本のパスポートは世界最強などとも言われますが、これについては日本が特別なわけではなく、ジョージアは世界92カ国に対してこのビザ条件を設けています。

 

永住権の取得ハードルも低く、10万ドル以上の不動産投資にとって取得可能な1年の短期投資ビザを5年更新すると永住権の取得権利が得られます。

また、法人に30万ドル以上を自分の会社に投資し、それを証明し一定の最低売り上げを5年間達成すると永住権の取得権利が与えられます。

 

21世紀になりスマートフォンの普及とともにインターネットが普及し、場所を問わず働くことが容易となった現在では、「移住」というものの概念に変化が生じました。

古来は”完全移住”を指した「移住」という言葉は、”長期滞在”を意味することが多くなりました。

基本的に海外に住むことは容易ではなく、日本人であろうと海外に長期で滞在するには申請の面倒や費用もかさみ、国によっては頑張っても結果的に長期滞在に準ずるビザが許可されないことも少なくありません。

 

その点、ジョージアの滞在可能日数は、カジュアルに海外移住し、帰りたくなったらカジュアルに帰国する現代の移住スタイルに条件として最も都合がいいのです。

逆に一年間全く出国せずにぼーっとしていると、最終入国日を忘れがち。ビザ切れになってしまうなど斜め上の懸念が発生し、なんかもういろいろヤバいです。

 

交通費18円!衝撃的な物価

派手に遊んだりレストラン依存症でもなく、シンプルな暮らしをしている分には月の総支出は3〜10万円ほどです。お気に入りのジョージアワインは1リットル72円なので、最初は空のワインボトルが売ってるのかと思ったくらいです。

 

スーパーではビールは2.5リットルのボトルが234円ほど、日本食屋のラーメンは800円ほどです。ジムの月利用も2000〜6000円が相場で、地下鉄やバスは一乗車あたり18円。保育園も三食付きで2万円以下です。

なおかつ100%キャッシュレスで生活が可能なので、主観ですがお金を消費している感覚が無に等しくなったり、なんかもういろいろヤバいです。

 

フリーランスも起業家も胸アツなビジネス環境

デジタルノマドの中では「外こもり」という言葉があり、日本で引きこもって仕事している状態をそのまま海外にすることで作業効率を最大化する手法があります。

なぜ効率が最大化されるかというと、単純に近隣の友達が減るので外出機会が減り、仕事後に暇すぎて仕事をするくらいの状況を生めるからです。

そんなビジネス環境の良さは他の国でも共通するのですが、ジョージアの場合はフリーランスのみならず店舗ビジネスや企業にも良好な環境です。

 

ジョージアは世界銀行・IFCによるランキング「世界のビジネス環境ランキング」2020年版において、7位の順位です(ちなみにニュージーランドが1位で日本は29位)。

このあたりは簡単にだけ触れますが、現地法人の設立は外国資本100%でバーチャルオフィス可能、1日の手続きで資本金1ラリから設立できます。

 

ジョージア国内の所得税は、領域内課税方式を採用しているため海外で発生した源泉は非課税となります。VZE(仮想空間会社)、FIZ(フリーインダストリアルゾーンカンパニー) などの税制の特別優遇措置もあったり、なんかもういろいろヤバいです。

 

一生散歩していたい美しい街並み

ジョージアは古い建物が多く現存しており、その佇まいはアジアでは見ることのない美しさがあります。

観光客に向けて人工的に建てられた建造物はほとんどなく、大半が歴史の中で自然発生的にできたものなので、他国やテーマパークでは再現不可能な質感を堪能することができます。特に廃墟フェチにはたまりません。

 

現在も人々が暮らす建築物の様式しかり、街角のウォールアートやグルジア正教の就航的建築物や大自然の生みなした景観まで、その全てが融合して美しい街並みを生んでいます。

観光客をターゲットにしたホテルやレストランなどの内観はハイセンスに彩られており、インテリア雑誌のページに飛び込んだような体験をすることができます。

都会でも田舎でも、どこを切り取っても絵になるので、写真越しに自分の思い描くライフスタイルを投影すると、たまらなく行ってみたくなるものです。

 

国全体がヴィンテージそのものなので、ふらっと入った小ぎれいなワインセラーが創業200年以上だったり、近所の浴場が創業1500年だったり、なんかもういろいろヤバいです。

そんな街でのフォトウォークはバッテリーが尽きるまで終わりが見えないほど興奮するので、ぜひ以下の記事で景観を参考にしてみてください!

 

人々がジョージアにハマる理由

ジョージアは表面的な魅力を見ただけでも、なんかもういろいろヤバいので注目が集まりやすいです。

また実際に行った人がハマる理由は、以下のような本質的な魅力が作用しているからです。

・四季の食材を使った伝統料理が美味しい
・伝統的製法のワインが楽しめる
・治安がいい
・人々のおもてなしの心
・動物や自然との共存性が高い

キャッチーに注目を浴びて、実際に短期で旅行した人がジョージアの本質的な魅力を体験し、帰国した翌月に荷物を大きくして移住してくるなんてことも珍しくありません。

 

おそらく世界一周者がもっとも世界一周を辞めている地であり、ジョージアは「世界一周ストッパー」との異名もあります。

外観が美しくメニュー写真のいいレストランは注目され、お客さんが入りますが、味やサービスが伴っていなければリピーターは増えないでしょう。ジョージアが移住地や世界一周ストッパーとして人気となる深部の理由は、その本質的な理由にあります。

 

四季の食材を使った伝統料理が美味しい

ジョージアはひたすらに食べ物が美味しいです。誰でも好き嫌いはありますが、世界一周以上の回っている旅人の多くも口を揃えて、ジョージア料理を世界の料理TOP3にランクインさせるほどの人気ぶりです。

ハイカロリーなものがメディア上で写真映えしやすいことから、オイリー&しょっぱいイメージを持たれがちなジョージア料理なのですが、山菜や果物も充実しており、他にもかなりの種類があるので千差万別です。

 

東部のカヘティ地方は豚肉の名産地なのですが、個人的にはその地域の豚肉がこの世のものとは思えないほどの美味しさ。日本では北海道にホッケを食べに行くが如く、カヘティに豚肉を食べに行くなどの楽しみもあります。

 

また、タイよりパクチーの登場シーンが多いので、好きな人には天国であり、苦手な人は食べるものを選ぶ必要があります。

以下の記事では15種類のジョージア料理が紹介されているので合わせてチェックしてみてください。深夜に読むには飯テロすぎるので要注意です。

 

伝統的製法のワインが楽しめる

ジョージアはワイン発祥の地であり、その歴史は8000年にも登ります。ぶどうの皮や種子も甕(かめ)に入れて一緒に発酵させる伝統製法であるクヴェリ製法は、2015年にユネスコ世界無形文化遺産に登録されました。

日本で飲んだことのあるワインとはまるでモノが違い、「ジョージアにきてからワインが飲めるようになった」という声も多く、ぼくもその中のひとりです。

 

日本酒と日本人の関係性に比べ、ジィージアワインとジョージア人の関係性はより深く、酒造にライセンスが不要なことから各家庭では日常的にワインが造られています。秋には家庭の軒先のぶどうの木から果実を収穫し、冬には出来立てのワインが振る舞われます。

 

そしてぶどうの搾りかすから造られるのは、世界で最も古い蒸留酒である「チャチャ」です。アルコール度数は40〜70度ですが、個人店のレストランで陽気な店主だと食前酒に提供してくれることも。

世界最高齢の女性アンティサ・フビチャワさん(享年132歳)の長寿の秘訣は「朝食後と仕事前に50mlのチャチャを飲んでいたこと」と答えますが、ぼくはチャチャで寿命が縮みそうな経験しかしていません。

 

人々のおもてなしの心

ジョージアでは一般的に「お客様は神様からの贈り物」という思想があります。その思想が如実に反映されており、人々のおもてなしの温かみは素晴らしいものです。

隣に住んでいるおばちゃんが無限に柿を提供してくれたり、首都トビリシの街のフリーWiFiの名前(SSID)が「Tbilisi Loves You」であったり、個人経営のレストランで店主が陽気だと昼間からチャチャを振る舞われたり……。

 

ジョージアには人類史上極めて貴重な発見がされており、180万年前の初期人類(ドマニシ原人)の遺骨が首都トビリシの近郊で発見され、ユーラシア大陸では人類最古の記録なのです。

東部カヘティ州のワイナリーのおじちゃんは「君もわたしも先祖を辿れば遠い親戚だから家族だ」と、かなり壮大なスケールでもてなしていただきました。

 

そのように生活の節々でおもてなしの凄みを感じることができますが、特にジョージアの伝統スタイルの晩餐(スプラ)では、とてつもない量の料理と信じられないほどのワインが振る舞われます。アジア人のキャパシティでは肝臓がいくつあっても足りないうれしい悲鳴をあげることができます。

ジョージア人からするとお酒も含めて「神様の贈り物である客人に最高のおもてなし」を提供しているので、おおよそ30才以上の世代の方のお酒を断ることは想像以上にタブーとされています。

お酒が得意でない方は、早い段階で「健康上の都合でお酒が飲めない」などという定型文が生命保険になります。

 

動物や自然との共存性が高い

野良犬を筆頭に世界的に野生動物は「害獣」としてのイメージが先行しますが、ジョージアにおいて野生動物は人間と等しい存在です。

街のほとんどの野良犬の耳にはタグがつけられており、それはワクチン接種済みの証です。気性も穏やかであり、決してサバイバーな雰囲気はありません。

 

野良猫、野良犬ともにペットかと思うほど毛並みも美しく、地元民が餌をあげるので体つきも健康的です。田舎に行けばアヒルの御一行が道を横断したり羊の大群に囲まれたり、犬が永遠と付いてきたり、豚や牛の集団散歩を見ることもできます。

ジョージア北部にある標高約1800mのステパンツミンダ村で、飲食店を営む陽気なおじさんに「なぜこんなに動物があちらこちらにいるのか」と聞いてみたところ、「アニマルデモクラシーさ!ハッハッハッ!」と、どこまでも陽気でした。

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年に10ヶ国で暮らすデジタルノマド。1ヶ月で10の職種を体験する「ノマドニア」を運営している。

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