ライター

北海道でのんびり育った23歳。大学生のときに上京。旅と、雑貨と、本が好き。わくわくすることは、もっと好き。 目にした景色や出会ったヒトたち、心に残る瞬間を、自分なりの言葉で綴ってます。好奇心の赴くままに、カメラやイラストも勉強中。

「壁だと思っていたら、扉だった。」

広島を旅していたときに、ふと目に入ってきたこの言葉。

なんだかやけに心に刺さって

不覚にも泣きそうになってしまった。

 

あぁ、これだから旅が好きなんだ。

 

何気なく足を運んだ先に

思いがけない出会いがあって

それが人でもモノでも言葉でも景色でも

一生忘れないような感情になる。

 

日常の中では消えなかったモヤモヤも

迷宮入りしていた長年の悩みと

原因不明の心身の不調も

旅に出ることで、案外スッと消えたりする。

そんな一種の魔法みたいなものが、旅にはあると思う。


社会人になって、

機能性ディスペプシアというものになった。

 

検査を受けても何も異常はないけれど

すぐにお腹がいっぱいになってしまって

一人前の量を食べ切れなかったり。

突然気持ち悪くなって、吐いてしまったり。

空気を大量に飲み込んでしまって、苦しくなったり。

 

日に日に食べることが怖くなって、

「食べたいもの」より「気持ち悪くならないもの」を

選ぶようになった毎日の食事は、なんにも楽しくない修行のような感覚で。

 

直接的な原因が分からないがゆえに

治そうにもなかなか治らなくて

「一生このままなのかな」なんて落ち込む夜もあって。

 

そんなときに出会った言葉が、さっきの一言だった。

 

そうか、これは扉なのか。

ずっと分厚い壁だと思っていたけれど

先に進むための扉なのか。

 

そう捉えるようにしたらなんだか心が軽くなって、

食べることへの恐怖も少し和らいで

 

「とりあえず楽しんで食べてみよう」

「食べたいものを食べてみよう」

「気持ち悪くなっても死ぬわけじゃない」

 

そういう心構えで食事に臨むようにしたら

広島から帰ってきて2週間、

一度も吐いてしまうことなくご飯を食べられた。

 

服薬していたのはいえ、かなりの大進歩だった。

少しだけ未来に希望が持てた。

 

もちろん未だに気持ち悪くなってしまうし

薬を飲まないと怖くて何も食べれないけれど、

この大きな扉を開けるために

自分が出来ることは全部やろうと

前向きな気持ちで行動できるようになった。

 

あのとき広島を訪れていなかったら

あの言葉に出会ってなかったら

今の前向きな自分はいないと思う。

 

ちょっと人とは違うかもしれないけれど、

これも私にとっての旅の醍醐味。

 

だから私はこれからも、

心を揺さぶられる出会いを求めて

ゆるりと旅をし続ける。

All photos by かふぃ

ライター

北海道でのんびり育った23歳。大学生のときに上京。旅と、雑貨と、本が好き。わくわくすることは、もっと好き。 目にした景色や出会ったヒトたち、心に残る瞬間を、自分なりの言葉で綴ってます。好奇心の赴くままに、カメラやイラストも勉強中。

RELATED

関連記事