最近、雑誌の特集やドラマのセリフなどでもよく使われるようになってきた言葉「サステナブル」。みなさんも毎日の生活のなかで「SDGs」や「サステナブル」という言葉に触れる機会が以前より増えているのではないでしょうか?
そんな言葉聞いたことないよ〜! と言う人も、レジ袋が有料のスーパーが増えていたり、コンビニで珈琲を買うとストローが紙製になっていたり……という変化にはきっと気付いているはず。今回は、そんなサステナブルな取り組みが何十年も前から進んでいるスウェーデンで学んだことをご紹介します。
そもそもサステナブルって?
サステナブル、と聞くと少し難しく感じてしまうかもしれませんが、サステナブル(Sustainable)には、「持続可能な」「ずっと続けていける」という意味があります。
2015年9月の国連サミットで採択された「SDGs(Sustainable Development Goals)」(持続可能な開発目標)がきっかけで、サステナブルという言葉にも注目が集まるようになりました。スウェーデンは、そんなSDGsの国際ランキングで3年連続トップに選ばれている国なのです。
「捨てる」という考えを持たない
スウェーデンの辞書には「捨てる」という言葉がないの……?と思ってしまうほど、スウェーデンの人たちは物を捨てません。
日本では必要最小限の持ち物で暮らすミニマリストが流行っていますが、スウェーデンでは、「物を持たない・買わない」ことを徹底しているというより、不用になったら誰か必要な人にもらってもらえばいい、という考え方が浸透しているようです。もちろんその考えを支える仕組みもしっかりとありました。
例えば2015年にオープンした「ReTuna」は、リサイクル品を回収・修理し、新たに蘇らせて販売している世界初の100%セカンドハンド(中古品)モール。裏にある大きな倉庫を見学していると、不用になったものを車で運んでくる市民の姿がありました。
書類を書いたり面倒な手続きをしたりする必要もなく、車を横付けし不用品をぽいっと置いていくだけ。そのあまりの簡単さに驚いてしまいましたが、簡単で気軽な方法だからこそ「持続可能」なのだな、と納得です。
洋服、家具、自転車や本、子どものおもちゃにペット用品まで、倉庫は多種多様なもので溢れていて、歩いているだけでも宝探しをしているような気分に。それぞれの店舗スタッフが、このたくさんのリサイクル品の中から自分のお店に置けそうなものを選別していきます。
倉庫を見学してからお店を周ると「これ本当にあの倉庫にあったもの?」と疑ってしまうほど、店頭に並べられた商品はどれもきらきらと輝いていました。リサイクル品がただ雑然と並べられているのではなくお店ごとにきちんとコンセプトがあるので、まるでお洒落なセレクトショップでお買い物をしているような感覚になってしまうのです。
もしかして、私が今まで捨ててしまったものたちも新しく生まれ変われたのかもしれない……そう思わずにはいられません。
アイディアひとつで不用品も生まれ変わる
さらに驚いたのは、同モール内にあるこちらのお店に足を踏み入れたときでした。「リサイクルモールでお花屋さんってどういうことだろう?」と不思議に思っていたのですが、店内は “物を捨てないアイディア” でいっぱい!
フローリストのMariaさんが手に持っているのは、彼女が革ジャンで作ったという鉢カバー。革ジャンであったことがわかるように、あえてジップ部分を残しているのだとか。
もう着られなくなってしまった服も、アイディアひとつでこんなに素敵なものに変身させることができるなんて……!このセンス欲しいなぁ。
他にも、引き出しをディスプレイに活用したり、ワイングラスを鉢代わりにしたり、楽譜を包装紙にしていたりと、真似してみたくなるアイディアで溢れていました。
リサイクル品を売るだけではなく「リデザイン」することで、不用だと思っていたものに新たな価値を宿す。モールを訪れる多くのお客様の顔がほころんでいた理由がわかるような気がします。
・名称:ReTuna
・住所:Eskilstuna Energi och Miljö Kundservice Folkestaleden 7, Eskilstuna
・地図:
・公式サイトURL:https://www.retuna.se/english/