ライター

ローカルな街並みや文化が大好きな、兵庫県出身の25歳。ベンチャー企業の法務担当として勤務する傍ら、休日は機会を見つけて地方を旅している。熱意の応援者として、ともに刺激を受け与える関係でありたい。最近は地域の魅力を伝えるツアーづくりに取り組む。秋のフルマラソンに向けても奮闘中。

社会人4年目が終わりを迎えようとする春、筆者は、初の海外ひとり旅に出た。

学生時代から一度はやってみたかった海外ひとり旅。身近に世界一周経験者やバックパッカーが多かったからか、憧れの存在であり、いつかできればいいなと思っていた。けれど常に何かしら言い訳を考え、目をそらしてきた。お金がない、時間がない、英語に自信がないなど、もっともらしい言い訳は身近にたくさんあったから。

だが、この度転職をすることになり、次の職場まで3週間ほどの空白の時間が生まれた。まだ十分とはいえないけれど、一度は長期の旅ができるほどの貯金も溜まってきた。英語は得意ではないけれど、全く話せないということはない。

エッフェル塔に階段で登れるのも、体力のある今だけかもしれない
だとすると、チャンスは今しかない。働き始めてからは、まとまった休暇を取ることは容易ではないだろうから。そんな不安とワクワクを胸に、思い切って18日間の気ままな旅に出た。そして帰国後3か月経過して思うのは、道中での数々の出来事を通して、縮こまっていた自分の殻を小さく、けれど確実に破れた気がしている。

そんな私の海外ひとり旅の中で、とくに心を動かされた場面をいくつかピックアップしてみたい。

旅の計画

今回の旅では、フィンランド・ヘルシンキの空港からヨーロッパ入りし、エストニア、スウェーデン、デンマーク、ドイツを経て、フランス・パリの空港から出国する。現地ツアーに参加することも検討したが、せっかくならすべて自由度の高い旅にしたいと思い、最終的にすべて自分の手で予約した。チェックポイントがてら道中の宿は事前に予約しているが、それ以外の予定はぱらぱらと入れる程度。余白を多くとり、その日の気分で決められるようにした。

また、今回の旅の移動では船や鉄道を使うことに決めていた。ヨーロッパでは5日間、7日間など指定された期間中、圏内の鉄道に乗り放題となる「ユーレイル グローバルパス」が販売されているが、27歳までならユース価格で購入でき、さらにそれがセール期間中であることが決め手だった。ただし、例外としてヘルシンキ~タリン(エストニア)やタリン~ストックホルム(スウェーデン)は鉄道だと非常に遠回りになり、船での移動が有名であるため、そちらを使うことにした。

ヘルシンキからタリンまで乗船した「ヴァイキングライン」

船や鉄道に揺られながら、ぼんやりと過ごす

飛行機だとすぐに着いてしまう目的地も、鉄道や船だとなかなかたどり着かない。しかし、その代わりに流れゆく景色をぼんやりと眺めたり、次に訪れる街で訪れたい場所を考えたりしながら、ゆったりとした時間を過ごすことができる。

フィンランド国鉄の車内。相席になると向かい合わせで若干気まずい
雄大な自然をぼんやりと眺める
ヨーロッパの鉄道は日本の鉄道と比較して駅間距離が長いためか、特急列車はもちろんのこと、快速列車であっても次の駅がなかなか見えてこない。街から街へ移動する際に見える雄大な自然の風景や、時折視界に入るレトロな小都市の街並み。

それらは地域ごとに全く異なる色を見せており、長時間眺めていても飽きることはない。ちなみに、日本では少なくなってしまった寝台列車もヨーロッパでは健在。三段寝台(クシェット)にゴロンと寝ころび、カタタン、カタタン……という走行音にまどろんでいれば、気づけば朝になっていた。

旅の楽しみのひとつ、寝台列車。この日は4両と短い編成だった
コペンハーゲン空港駅にほぼ定刻に到着し、ベルリンへ向かう
細い廊下を進む。右側には寝室が並ぶ
思い返せばこの「ゆったり過ごす」「自分の直感で明日を決める」という時間を取ることは、日々の生活では簡単なようで案外難しい。休日も気づけばすぐに予定が埋まってしまい、なかなか余白を取れない生活。

ひとり旅のゆったりとした時間の中で、感じていることをリアルタイムで日記に書いたり、何気ない瞬間を写真に収めたり。何かに焦ることなく、時間に追われることもなく、自分の「今これがやりたい」という気持ちにに正直になれる時間が心地よかった。

ヘルシンキとストックホルムを結ぶ豪華客船「シリヤセレナーデ」。船内には多くの免税店が並び、買い物も楽しめる
船内から眺めた夕陽

一期一会の出会いで、何気ない会話を交わす

言語の壁は、この旅でもっとも不安なことだった。仲間との旅であれば、お互いに感じたことを馴染みのある日本語で簡単に共有できるし、相手の英語が聞き取れなくてもお互いに補い合えることも多い。しかし、今回はひとり旅だ。コミュニケーションはすべて自分で行わなければならない。

不安に溢れていたが、いざ行ってみると意外となんとかなった。宿泊先や商店での会話は中学英語で通じるし、どうしても困ったら翻訳アプリが役に立つ。

そして偶然かもしれないが、今回の旅で出会った方はフレンドリーな方が多かった。

例えば、ヘルシンキで宿泊したホステルのサウナで出会った方。恐る恐るサウナ室に入室したら、さっそく先客から話しかけられる。「どこから来たの?」「この後の旅の予定は?」飾らない会話の中では、うまく英語を話そうとする必要はなかった。

なぜ自然と仲良くなれるのだろう。その秘訣は彼曰く”Sauna makes friendship.”とのこと。何気ない会話の中の一場面ではあるけれど、この言葉が今でも印象に残っている。きっと、現地ならではの環境も後押ししてくれているのだろう。

ホステルに掲示されていたサウナガイド

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ローカルな街並みや文化が大好きな、兵庫県出身の25歳。ベンチャー企業の法務担当として勤務する傍ら、休日は機会を見つけて地方を旅している。熱意の応援者として、ともに刺激を受け与える関係でありたい。最近は地域の魅力を伝えるツアーづくりに取り組む。秋のフルマラソンに向けても奮闘中。

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