今回はエジプトにあるスエズ運河を紹介します。スエズ運河は昔も今も世界を代表する運河として機能しています。時には世界情勢を大きく揺るがす場にもなりました。今回はスエズ運河の概要を見ていきたいと思います。
*編集部追記
2017年4月に公開した記事に新たに加筆しました。(2018/11/29)
スエズ運河の概要・特徴
スエズ運河は地中海と紅海を結ぶ全長164km、幅22m、深さ8mの世界を代表する運河です。完成は1869年。スエズ運河の完成によりヨーロッパからアジア方面への航路は8,000キロも短縮されました。文字通り、世界の海運を変えた運河なのです。
スエズ運河は決まった箇所でしか、船舶の行き違いができません。そのため、通常は船が隊列を組んで進む「通航船団方式」を採用しています。スエズへはエジプトの首都カイロからバスで2~3時間かかります。
世界史を揺るがしてきたスエズ運河
スエズ運河が完成した後、1875年にイギリスがスエズ運河株式会社の株式を買収。スエズ運河はイギリスの管理下に置かれました。
スエズ運河がクローズアップされたのは1950年代、第二次中東戦争の時です。1956年にエジプト大統領に就任したナセルは同年7月にスエズ運河の国有化を宣言。これに対してイギリス・フランス・イスラエルがエジプトに軍事侵攻しました。
3国は優位に戦いを進めましたが、アメリカとソビエト連邦がエジプトに対する軍事侵攻を批判しました。結果的に、第二次中東戦争はエジプトの勝利に終わり、スエズ運河はエジプトが所有することになったのです。
砂漠の中を進む船
スエズ運河の魅力といえば、なんといっても両側に広がる砂漠でしょう。砂漠が見渡せるだけでなく、地平線をつぶさに観察することもできます。地上では決して味わえない迫力あるパノラマを楽しみたいですね。
日本との絆を感じさせるスエズ運河橋
スエズ運河でもうひとつ注目したいのが2001年に完成したスエズ運河橋です。この橋はスエズ運河を渡る形で、アジアとアフリカを結んでいます。橋脚の高さはクフ王のピラミッドと同じ140mです。
スエズ運河橋は日本の無償援助によって建設され、施工も日本の企業が行いました。スエズ運河橋は日本とエジプトを結ぶ橋といってもいいでしょう。
スエズ運河の行き方・楽しみ方
スエズ運河はエジプトのカイロからバスで二時間、スエズ市の近くを流れています。スエズ運河に行くならカイロ市から日帰りも可能。
スエズ運河を楽しむなら、スエズ運河を通るクルーズ旅行がおすすめです。お値段は50〜80万円代と高いですが、新婚旅行で選ぶ方も多いとか。寄港する都市はバルセロナ(スペイン)、アルベロベッロ(イタリア)、イスタンブール(トルコ)、ピレウス(ギリシャ)、イズミール(トルコ)、ベニス(イタリア)、ペトラ遺跡(ヨルダン・アカバ)です。
砂漠を見ながらゆったりクルーズ旅行を楽しむことができるのが魅力だそう。もし機会があればぜひ訪れてみてください。
最後に
このようにスエズ運河は様々な観点から楽しめる運河です。日本では味わえないスケールの大きさも体感したいところですね。
ライター:桃(スエズ運河への行き方・楽しみ方)
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